健康日本21とは
 歯科医師法第22条には、『歯科医師が診療をなしたるときは、本人または保護者に対し、療養の方法その他の保健向上に必要な事項を指導しなければならない』(原因・処置・予防の3つに対して)とある。
 WHO(世界保健機構)はう蝕のターゲット・エイジ(標的年齢)を12歳児とし、『Health for All by 2000』のスローガンの一貫として、FDI(世界歯科連盟)と共に、「西暦2000年までに12歳児のDMFT指数を3歯以下にする」と世界的目標を1981年に定めた。また歯周疾患に対しては、CPITN(Community Periodontal Index of Treatment Needs、地域歯周疾患治療必要度数)を1982年に共同開発し採用している。
 日本では歯科疾患実態調査報告(厚生労働省医政局歯科保健課)によると、1999年に2.44と初めて3歯以下になった。また学校保健調査報告(文部科学省)でも2.92(1999年)・2.85(2000年)と過去2年連続3歯以下となっている。がしかし世界の先進国の中には、既に1歯前後を示す国も多く、より一層のう蝕予防の推進が望まれるのが現状である。そこで新たに第3次国民健康づくり対策として、2000年3月『21世紀における国民健康づくり運動』として『健康日本21』を提言。

12歳児のDMF歯数の年次推移   厚生労働省歯科疾患実態調査報告
 「高齢に到達せずに死亡する早世と障害を減らし、健康寿命を延伸することを目的として、科学的根拠に基づいて健康指標としての数値を目標値と設定することにより、国民各層の意識改革と行動変容を促すこと」と述べている。2010年までに9分野(栄養・食生活、身体活動と運動、休養・こころの健康づくり、たばこ、アルコール、歯の健康、糖尿病、循環器病、がん)70項目に目標を定め、「基本方針」、「現状と目標」、「対策」などを掲載し、更なる健康推進運動を始めた。
 健康増進法
 がん、脳卒中、心臓病等の生活習慣病の増加は社会的な問題となっており、この予防対策として、「健康日本21」が平成12年3月に策定されましたが、この法的な基盤としてつくられた「健康増進法」が5月1日より施行された。同法では、個人、学校、事業者、行政等がそれぞれの立場で健康増進に努めることが法的に義務付けられたほか、特に、学校、体育館、病院、飲食店、官公庁施設等の多数の者が利用する施設の管理者に対し、受動喫煙の防止対策を講じるように求めています。
 タバコの害は大きく、またタバコの約6割は税金です。
斉藤歯科は平成11年より敷地内は全面禁煙です。
  歯科においては
 基本方針
 現在、歯科保健の分野では、高齢者においても歯の喪失が10歯以下であれば食生活に大きな支障を生じないとの研究に基づき、生涯にわたり自分の歯を20歯以上保つことにより健全な咀嚼能力を維持し、健やかで楽しい生活をすごそうという8020(ハチマル・ニイマル)運動が提唱・推進されている。歯の健康については、8020の実現に向けた今後10年間の具体的な目標を示し、生涯を通じた歯及び口腔の健康増進の一層の推進を図る必要がある。目標としては、歯の喪失防止の目標値を示すとともに、歯の喪失原因の約9割がう蝕と歯周病で占められていることから、各ライフステージに応じた適切なう蝕・歯周病予防を推進することが重要であるため、幼児期と学齢期のう蝕予防および成人期の歯周病予防の各項目について目標を設定する。
  1.幼児期

1.3歳児のう蝕のない者の割合80%以上

 
2.3歳までフッ化物塗布を受けたもの50%以上
   3.間食として甘味食品・飲料を1日3回以上飲食する者の割合の減少
  2.学童期

1.12歳児のDMF指数1歯以下

2.F配合歯磨剤使用者90%以上
3.過去1年間に個別清掃指導をうけたことがある30%
  3.成人期
1.40〜50歳でCPIコード3・4の患者の割合の減少
2.40〜50歳の歯間部清掃器具使用者50%以上
3.喫煙が及ぼす影響の知識の普及
4.禁煙・節煙を希望する者への禁煙プログラムを全ての市町村が提供できるようにする。
  4.老人期

1.80歳で20本が20%60歳で24本が50%以上自分の歯を有する

2.定期的な歯石除去や歯面清掃を受けている者30%以上
3.定期的歯科健診受信者30%以上