「卑弥呼の歯がいいぜ」
 最近気になっていることは、病気の人程あまり噛まない、短命のひとほど咀嚼回数が少ないことです。 よく咬むことにより、脳が活性化され体も若返って、ボケを防止します。縄文人の下顎骨と、現代人を比較すると驚きます。繊細な現代人の下顎骨に対し、古代人の下顎骨はたくましくガッチリとしている。しかも、むし歯や歯周病もない。縄文時代に飼われていた柴犬を比較しても同様な結果が出ている。よく噛んで食べると下顎骨がしっかりし、口の中がきれいになり、歯垢が歯に付着するのを防いでむし歯や歯周病炎になりにくくなる。
 斉藤 滋神奈川歯科大学教授によると、現代人の咀嚼回数がいかに少ないかがわかる。
復元食による咀嚼時間と食事時間

(※斉藤 滋神奈川歯科大学教授による)
「フレッチャーの噛む健康法」
 今から100年位前のアメリカで、良く噛んで30キロも減量に成功したという「フレッチャーの噛む健康法」が日本にも伝わっています。
 『陽気で働き者のフレッチャーさんは、商売が成功して有名な実業家になりました。お金持ちになったフレチャーさんは、朝・昼・晩フルコース、デザートたっぷりの食生活をして、良く噛まずにおいしいものばかり食べていました。ところがある日、鏡に映った自分の顔は、青白く、ブヨブヨ太った、いかにも不健康な人に変身しているのに気がつきました。食欲もない、体もだるい、気分も悪い、働くことさえおっくうになっていいことがありませんでした。
 そんな時、一軒の家族の食事風景に出会いました。質素な食卓でしたが、家族4人は、実に楽しげに一品ごとしっかり噛んで味わって食事をしていました。噛んで味わう幸せを教えてもらったフレッチャーさんは、その後よく噛んで食べることを心掛けて、すっかりスリムな元の体と元気をとりもどしたそうです。』
 フレッチャーの噛む健康法の内容は、《本当におなかがすいた時に食事をとり、なんでも良く噛み、口の中でとろとろになり自然に飲み込まれるようになるまで噛む》というものです。
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 「医食同源」と言う言葉がありますが、良く噛むことは健康に繋がります。1990年に咬むことの大切さを考えることを目的として発足した「日本咀嚼学会」では「ひみこのはがいーぜ(卑弥呼の歯がいーぜ」という標語を紹介しています。
 よく咬む目安は30回と言われます。意識して咬むのはなかなか大変かもしれません。しかし慣れてしまえば以上のような効果が出て、健康維持ができQOL(生活の質)の向上をはかることができます。