フッ素のまとめ |
フッ素利用の種々の方法のうち、最も早く行われたのが水道水フツ素化で、1945年アメリカの2都市とカナダの1都市が水道水フッ素化を開始しました。その後研究が進み、むし歯予防のためのフッ素利用の有効性と安全性については、すでに多くの研究者や研究機関が長年にわたってあらゆる方法から安全かつ有効であるとの結論が出ています。 従来から行われてきた歯みがきの励行と糖分を含む食品の摂取頻度の制限という方法は、正しく理想的に実践されれば、ある程度の効果は期待できるものと思われます。しかしむし歯や歯周病は生活習慣病であり、その予防には日常生活の中で、その意志と努カに委ねられる。現実的には広範囲の人々の理想的な実践を期待することは困難であり、実際には広い範囲の住民を対象とする予防方法としては効果が不十分とされています。 一方、フッ素利用によるむし歯予防法は、一般の疾患の予防法と同じく、宿主要因対策(疾病に対する身体の抵抗カを高めるもの)として最も重要な位置に付けるべきもので、フッ素利用によるむし歯予防の多くは、方法が簡単で費用もかからず全ての人々が参加できるなど、地域保健の中で応用すれぱ、高いむし歯予防効果を期待できる。 |
フッ素と年齢、特にその開始年齢 |
フッ素利用は生涯を通じて行うことが必要です。生涯に渡ってフッ素を積極的に利用すればむし歯は効果的に予防されることになり、一生自分の歯で食べると言う目標に大きく貢献します。 歯は萌出して間もない時期がエナメル質が未成熟なため最もむし歯になりやすく、1才の誕生日から中学生位までが最もむし歯になりやすい時期と言えます。また一方ではこの時期は反応性が高く歯のエナメル質にフッ素が取り込まれやすいという利点があります。したがって、フッ素塗布は、歯牙萌出後間もない歯に対して行うと最も効果があります。フッ素塗布は歯が生えて聞もない10ヶ月〜1才頃が開始の目安です。 |
フッ素の塗布間隔 |
フッ素利用によるむし歯予防はフッ素イオンが持続的に歯を取り巻くよう目常的に継続して応用すると高い効果が得られるといわれています。より効果を高めるためには、できる限り頻回に行うことが重要です。その間隔は、長くとも6か月、できれば2〜3か月に1回が望ましい。 |
洗口・塗布・歯磨剤・スプレーはどのように使い分ける? |
フッ素洗口はブクブクうがいがうまくできる4才以上から行ない、永久歯のむし歯予防に特に使用します。フッ素塗布はうがいがうまくできない4才未満の乳幼児に適した方法で、乳歯のむし歯予防に用いられています。そして永久歯列が完成する中学生時代まで続ける。歯磨剤やスプレーは、年齢を問わず、目常生活の中で利用したいものです。フッ素は既にむし歯に罹った歯に対してもその進行を抑制する働きがあるから、より積極的にフッ素塗布を受けるといいでしょう。 |