義歯のお手入れ
 歯を失った後を放置していると、口腔内ではその空隙を埋めようと残存歯の移動が始まり、咬合に乱れが生じます。それを防ぐために補綴(義歯・ブリッジ・インプラントなど)処置を行います。残存歯を削合することなく補綴できる義歯には、部分的な義歯(局部床義歯)と総入れ歯(総義歯)があり、いずれもアクリルレジンというプラスチックを使用します。
 義歯の特徴 
 義歯を長年使用していると、カビの一種であるカンジダ菌を主体とした微生物塊のデンチャープラークが付着します。またその材質上、吸水性があり汚れや臭いなどが吸着し易くなります。プラスチックなのでキズがつきやすく、これも細菌が付着しやすくい原因となります。間違ったお手入れ方法や清掃を怠ったりすると義歯性口内炎や口臭発生の原因になります。 
 義歯の取り扱い注意点
  初めて義歯を入れられた方に渡す注意書き書 
            (斉藤歯科バージョン)    
          ↑をクリックするとWORD文書が現れ、保存して使用する事が出来ます。                                    
1. 初めは気になったり、話しにくい所があったり、慣れるまで時間がかかります。また入れ歯を入れたら2〜3回の調整が必要です。痛みがなくても約束の時間に必ずご来院下さい。
2. 入れ歯は指や爪で取り外して下さい。噛みこんで入れると変形の原因になります。
3. 食後に必ず入れ歯をはずして清掃しましょう。
ブラシと義歯洗浄剤の併用が理想です。一日一度は義歯洗浄剤で殺菌洗浄しましょう。入れ歯を洗う時、落して破損したり排水口に流さない、また部分入れ歯の針金などを曲げたり変形させないよう気を付けましょう。

(広島大学歯学部貞森ら)
4. 歯磨き粉には研磨剤が入っています。入れ歯の内面が傷つきます。入れ歯を洗う時にできれば使用しないで下さい。
5. 夜寝る時、入れ歯を外し乾燥防止のために水の中に入れておきましょう。できれば専用の容器に義歯洗浄剤入れてその中につけておきましょう。専用の容器を決めておくと紛失や破損から入れ歯を守れます。
6. 入れ歯がこわれた場合、瞬間接着剤等で修理しないでご来院下さい。歯科医院での修理を難しくします。またゆるくなったバネをご自分で曲げて調整すると、バネが折れたり歯との適合が悪くなります。
7. 半年に1度は歯科医院で定期的検査を受けましょう。
粘膜の状態が変わったり,入れ歯がすり減ったりして、ガタツキが生じる場合があります。

《注》
人によっては義歯を外して寝ると、不安感で熟睡できない方がいらっしゃいますので、そんな方は義歯を装着して寝ることもいいでしょう。ただし朝起きたら必ず義歯を外し、よく洗って装着することを忘れないで下さい。