RX-78NT1 GUNDAM "ALEX" ガンダムNT1 (アレックス)
 地球連邦軍 ニュータイプ専用試作モビルスーツ
アレックス  U.C.0079、連邦軍のRX-78-2の実戦データを元にニュータイプ専用として開発されたMS。ニュータイプの存在自体に懐疑的だった連邦軍ではジオン軍に比べてその研究は進んでおらず、ニュータイプ専用MSとはいえ、ジオン軍のニュータイプ専用MS/MAのようなサイコミュ兵器の搭載やオールレンジ攻撃を想定した装備はなく、RX-78-2のパイロット:アムロ=レイ少尉が挙げた戦績から、追従性の向上を主眼に開発された。1-3号機と大きく異なる点は、コアブロックシステムを廃止し、史上初めて全天周モニタ&リニアシートを持つ球形コクピットを採用した点と、姿勢制御バーニアを各部に増設し1-3号機の2倍以上の総推力を持つ点である。また、固定武装として腕の中にガトリング砲を内蔵。
 地球上の連邦軍オーガスタ基地で開発、「星一号作戦」に合わせてアムロ=レイ少尉に届けるべくU.C.0079年12月に北極からサイド6に輸送されたが、ここでジオン軍特務部隊「サイクロプス隊」の襲撃に遭い、テストパイロットのクリスチーナ=マッケンジーが騎乗して交戦するも、2度目の交戦で半壊した直後に終戦を迎えたため、アムロの手によってその能力をフルに発揮することは遂になかった。しかし、その基本構造は戦後に生産されたジム系機体(RGM-79C,N,Qなど)に採用されており、技術的にも"初代"ガンダムとガンダムMkIIを結ぶ橋渡し的な役割を果たしている。
アレッックス・FA状態

RYOKAN's Impression
 ガンダム初のOVA「0080 ポケットの中の戦争」(1990)の主役MS…とはちょっと違うなコイツの場合は。シールドもライフルも劇中では登場せず(設定は最初から存在した)、どちらかというとチョバムアーマー吹っ飛ばされた後ガトリングガンでケンプファーを蜂の巣にしたり、むしろ悪役っぽい活躍だったような。搭乗者は可愛かったけどねぇ…さすが美樹本キャラというか。
 デザインは出渕裕(MG用リニューアルはカトキハジメ)。「逆襲のシャア」(1988年春公開)に登場したMS(νガンダム・サザビー・リ・ガズィ等)でもデザインを担当していたけど、重要なのはこのアレックスをデザインするまでの間に「パトレイバー」(1988〜)が始まっていること。つまりあのイングラムをデザインした後にアレックスをデザインしている訳で、肩関節部の防塵カバーなどイングラムの発想がそのまま使われている部分も見受けられる。初代ガンダムのイメージを残しつつ、νガンダムやイングラムで使われた発想が盛り込まれた機体というべきかな。
 肩のラバーパーツをABS製の軸に被せてボールジョイントで肩アーマーにも胴体にも接続する構造は後に登場したMGイングラムでも全く同じ構造で採用されており、このあたりもアレックスとイングラムの兄弟性を感じるところ。たしかアレックスの製造メーカーはアナハイムということになっている筈だけど、実は篠原重工の末裔だったりして(んな訳ないだろ)
 体型バランス的にもカトキハジメが導き出したMGフォーマットに沿った流れを確立した頃のもので、これがファーストガンダムVer.1.5の指標になったのではないかと思う。


■MGシリーズで発売中のNT1系キット
・RX-78NT1 ガンダムNT1"アレックス" 1999.10
・RGM-79N ジム・カスタム 1999.12
・RGM-79Q ジム・クゥエル 1999.12