RMS-106 HI-ZACK ハイザック
 地球連邦軍 特殊部隊(ティターンズ) 量産型モビルスーツ
ハイザック  一年戦争後、新規MSの開発は長い間行われず既存の機体の改修・改造によって維持されており、連邦軍MSだけでなく一年戦争後に接収されたジオン公国軍MSも連邦軍によって改修・改造され使用されていた。そうした状況下で戦争後はじめて本格的に新規機体として開発・量産されたMSがRMS-106となる。いうまでもなく公国軍のMS-06"ザク"をベースにした設計だが、連邦軍系のエネルギージェネレータを採用しビーム兵器の使用を可能とするなど、ジオン公国系と連邦軍系の技術の折衷による産物ともいえ、ジェネレータで発生したエネルギーゲインを公国系デバイスである流体パルスに変換して四肢の駆動を行うために、部位によって流体パルスと連邦系デバイスのフィールドモーターが入り交じり複雑な構造となってしまい、ロスも多いものと推測される。このためか、ビーム兵器の使用を可能にしたもののビームライフルとビームサーベルの同時使用ができないなど制約も多い。
 一年戦争中にRX-78NT1で試験採用されたリニアシートと全天周モニターが新規量産MSとしては初めて採用された。連邦軍一般ではダークブルー系のカラーリングが制式採用されたが、連邦軍内のジオン残党狩りを目的としてU.C.0083に設立された特殊部隊"ティターンズ"ではかつての公国軍制式カラーにちかい緑系の濃淡に塗られた。これは演習時にハイザックを仮想敵機に使用することが多かったためとも言われているが真相は不明である。

ハイザック内部構造
内部構造(製作途中で撮影)
RYOKAN's Impression
 いわゆる「連邦のザク」。頭がザクのままなのでイメージ的にもほとんど変化がない。後発のマラサイになると結構イメージが変わるんだけど。
 ザク系のMGキットでいちばん面倒なのは動力パイプ。芯線にビーズ状のパーツを通していくのだけど、初期のキット(ザクIIシリーズ)はMGとはいえ若干パーツの加工精度に甘いところがあり、ビーズ状パーツ1個1個のエッジをきれいに整えてやる必要があった。その後登場したグフの時にはかなり向上していたが、今度は同じ方法でヒートロッドを作らねばならないという苦行が(笑)。ザクIIFS型(0083登場型)は作ってないのでどの程度の精度か分からないが、このハイザックもかなりパーツの精度は向上しているので、整形の必要はほとんどなかった。
 また、ハイザックで問題になるのは上腕部にまとわりつく動力パイプで、このために可動範囲が著しく制限されてしまう。先に登場したHGUCではデザインを若干いじってパイプの接続先がオリジナルの下腕部の肘でなく上腕部に移されているため可動範囲が大きくなったが、MGでは元デザインをいじらずに動力パイプをゴムパーツにすることで伸縮性を高めてある。それでも可動範囲は他のMGより狭いのはまぁ仕方ない。同様に、コクピットハッチに腹の動力パイプが接続される難儀なデザインのため(こういうのを見てると、実機として存在した場合、使い勝手としてはザクよりはるかに退化してないか?)、ここは芯線をゴムにして可動性を高めている。特に伸縮の必要がない筈の膝関節の動力パイプもゴムにしてあるが、これはどちらかというとパーツ成型色の色分けの都合だろう。
 外見もそうだが、胴体上半身のパーツ割りや構造は動力パイプ以外はザクというよりもガンダムに近い。また、脚部(脛)のスラスターが外付けの構造も、ザクの06RタイプよりはむしろガンダムNT1の構造を思わせる。このあたりが「連邦とジオンの合いの子MS」という印象になるわけだな。

 なお制作中に、両下腕の手首を接続するポリパーツの組み込み位置を間違えて接着・組み立てを行ってしまい、翌日にそれに気付いて(涙)一度接着したパーツを強引に引き剥がす手段をとらざるを得ない事態になってしまった。パーツ破損による注文も考えたが、とにかく接着した合わせ目にカッターナイフを入れて慎重にパーツを分離し、ポリパーツを正しい位置に組み込み直して再接着。どうしてもカッターを強引に入れた部分が破損されるので、合わせ目には目立つ傷ができてしまう。ここに接着剤をてんこ盛りに塗り、さらにニッパーでパーツを切り離した時に出るカス(パーツと同色のもの)を傷に押し込み、やがて接着剤によってカスが柔らかくなったところで更に傷口に押し込んで、また上から接着剤を盛る。で、完全に乾燥しきった後にヤスリと目の細かいサンドペーパーを使って削り平滑化し、しかし変色が残ってしまったのでさらにその面を塗ってサンドペーパーで再び平滑化。なんとかごまかしてます(^^;)

■MGシリーズで発売中のティターンズMSキット
MGM-79Q ジム・クゥエル 1999.12
RMS-106 ハイザック 2004.8
RX-178 ガンダムマークII (ティターンズ仕様)