時々日記:2005.7.16-7.31

 宵山
 2005.7.16(Sat)
月鉾:四条通
来年は自分がどういう立場や居住地になっているか分からないし、久し振りに祇園祭宵山に出掛けることに。研究室で夕方まで作業をした後、歩いて出掛けた。今年は宵山が土曜日、山鉾巡行が日曜日というタイミングのために物凄い人出。10年くらい前にこの日程であった時は妹も京都に住んでいた頃で、実家から両親も泊まりがけで観に来たな、そういえば。
 てくてく歩いて烏丸御池あたりまでやって来ると、御池通より南の烏丸通は歩行者天国で人がごった返していた。細い道に入り込んで各組の山鉾や屏風祭を眺めつつそぞろ歩き。(祭の様子については動画付きで楽しめる南観音山を取材したサイトがおすすめ)
 最近あまり出掛けていなかったので今迄気付かなかったのだが、山鉾の会所に詰めて団扇やちまき等を売る小学生の女の子の数が以前より増えている気がする。祇園祭で山鉾を出す組は南北を姉小路と高辻通に、東西を東洞院通と堀川通に囲まれた、昔からの「町」にあるが、このエリア内に最近大きなマンションが次々と建っており夜間人口がかなり増え、以前より若い住民も増えているようだ。一時はどこの組でも人手が足りないという危機感が強かった筈だが。
 組によってはマンション建設に出資して会所や倉庫、練習・作業スペースを確保したり、組(保存会)に入ることをマンション入居条件にしているところもあるようだ。古い民家だけでなくマンションの玄関先にも幕や提灯が飾られており、祇園祭を伝えていくための覚悟やしたたかな方針が伺われる。

宵山
また、現在の祇園祭で曳かれる山鉾は全部で32だが、これ以外に「休み山」とされている3組(鷹山・大舩鉾・布袋山)がある。これはかつて山鉾を出していたのだが火災で焼けてしまい(焼山)、「とりあえず今回は巡行に不参加です」扱いで百数十年続いているというもの。京都では「戦後」とは太平洋戦争以降のことではなく応仁の乱以降のことらしいが(汗)、かつての京都は応仁の乱以降も火災や戦乱で山鉾が焼けてしまうことが多く、こういう措置が執られてきたのだろう。幕末の動乱時にもかなりの山鉾が焼けてしまい、現在の「休み山・休み鉾」3組はそれ以来のもの。
伯牙山
 「休み」とはいえ祭りには参加しており、宵山には会所が出て、かつて山鉾を飾っていた御神体や懸装品などを飾り神事も執り行っている(居祭)。また、将来の復活を諦めているのではなく百数十年間ずっと復活に向けて頑張っている訳で、大舩鉾は諸事情により居祭は行わないもののお囃子を復活させた。事実、綾傘鉾(1979)や四条傘鉾(1987)は最近になって復活した(どちらも古式の鉾の形態で再興)ものだし、大型の鉾でも菊水鉾は太平洋戦争後の1952年に昭和の名人工匠たちの手で90年ぶりに復活したものだ。屋根の上のカマキリが動くことで人気の蟷螂山も1981年にからくりが修理され復活するまでは100年以上巡行には参加していなかった。綾傘鉾も鉾の復活前から宵山で棒振り囃子を実演したり活動を続けて復活に繋げている。百年以上のスパンでものを考えられる辺りが京都の町衆の強さかなと思う。

けっきょく3時間ほど歩き回り、そのまま徒歩で帰宅。かなり歩いたな…流石に脚が痛い。

 前期終了
 2005.7.19(Tue)
今日で前期のゼミ終了。そのあとは打ち上げで四条河原町まで出て飲み会。酔っぱらった状態のまま徒歩で帰宅。ふらふら。
 このあと研究室の引っ越しが本格化する。この春、農学部/農学研究科総合館の北側に新館が完成し一部の研究室がそちらに移転した。で、その移転した空き部屋に総合館の南西ブロックの研究室が仮住まいで引っ越し、秋から半年かけて改修工事(耐震補強は勿論、アスベスト対策などもやるだろう。部屋内装も完全に作り直し)を行い、来年の春に改装の終わった部屋に移る(ただし、2度の学科・専攻改組時に研究室位置の移動がなかったためにこれを機に専攻ごとに研究室を並べ直すのと、改修後は部屋数を減らして各部屋ごとの広さを拡大するために元の位置に戻るわけではない)。うちの研究室も移動する対象になっており、とりあえず8月上旬までにある程度荷物を移動させるため、こちらの本業と長崎行きの準備と並行してこの作業もやらなきゃならん。忙しそうではある。

 箱詰め
 2005.7.21(Thu)
いよいよ研究室の引っ越し準備を開始。2月に亡くなった教授が使っていた部屋の本棚の本を箱詰め・移動する担当となり、現状をすべてデジカメで撮影して記録。このままプリントアウトして箱に貼り中身を分かるようにしようと考案中。本だけでなく書類や過去の研究室出身の卒論・修論(ハードカバーで製本されてある)もあるので、膨大な量だし重い。これを1週間ちょっとで全部運ぶのは大変だな…。しかも半年間の改修工事後にまた新研究室に移動するので、あまり使わないものは箱詰めにしたまま保管するため、その分別もしなければならない。
 で、少しずつ整理を始めたが、本棚の隅から箱や袋が見つかったので中を確認したら、生協で買いものした際のビニール袋やら届いた書類の使用済み封筒やら使い終えたカレンダーやら次々と出てきた。…先生「ものを捨てられない」人だったのかなぁ(笑)。もしかして研究者として必要な習性? だとしたら俺にも見込みがあるか(←ダメです)

 編集作業中
 2005.7.30(Sat)
あと1週間で長崎。そんなワケで恒例、公楽荘友の会:宿泊の栞と、京大さだ研会誌の両方の編集作業中。宿泊の栞もさだ研会誌もPDF。ただしさだ研会誌の方はダウンロード以外にこれまた恒例で稲佐山上で待ち時間にばらまくため、印刷しなくてはならないけど。はたして間に合うのかどうか。勿論さだ研サイトでもPDF公開しますのでご覧下さい。