RYOKAN's Diary: 2002.10.1-10.15
時々日記: 2002.10.1-10.15
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 出稼ぎ
 2002.10.4(Fri)
今日は珍しく1日バイト。というか、うちの専攻や木質科学研究所など関連機関も協力して行われる木材加工機械の展示会が南港のインテックス大阪(ATCの隣)で開催されていて、うちの専攻のブースのインストラクターとしてお手伝いに行くという話なんですが。というワケで朝からスーツ着て京阪−大阪市営地下鉄四つ橋線−ニュートラムと乗り継いで南港の中ふ頭へ。それにしても遠いわ…。
 木質科学研究所のブースには、去年、年輪年代法で伐採時期を確定したら建立時期と考えられる年代より50年前に伐採されたことが分かって大騒ぎになった法隆寺五重塔の芯柱(昭和の大修理で一部交換し、京大がサンプルとして保管)も展示されていて、その年輪年代法を日本で唯一研究している奈良文化財研究所の先生の講演もサクラで(^^;)駆り出されて聞くことができたのだけど、これが結構面白かったッス。

帰りは中ふ頭から逆方向、OTS線をニュートラム・地下鉄と乗り継ぐ。OTS線は実質的には地下鉄中央線をとニュートラムをそれぞれ延長してコスモスクエアで繋げただけだが、海底トンネルを通るので償却期間短縮のため地下鉄と別料金にする目的で別会社(第3セクター)になっている。地下鉄側など大阪港−コスモスクエア間の一駅間しかないし。たしかに南港に出るにはこの方が速いのだろうけど、料金はけっこう高い…。本町で御堂筋線に乗り換えが長く歩かされて面倒だし。

 勝手に悪役
 2002.10.6(Sun)
D福留が首位打者に立ち、G松井の三冠王が危なくなってきたら「福留も全イニング出場して勝負すべきだ」の声が出てくるのはどうなのかと思う。それは単に「ジャイアンツの松井の三冠王」が見たいだけでしょ
 もちろん今年の松井の成績は凄いと思うし三冠王への最大のチャンスかと思うけれど、福留だって清水に次ぐ安打数を打っている訳で、打数の計算で今の位置にいるんじゃないし、チームのAクラスも確定してもう欠場しても構わない状態になっているのに昨日も今日も3打席以上出てきて、しかもきちんと結果を出して更に差を広げているんだし(まぁ今日のはラッキーではあったけど…)。これで文句を言われる筋合いはまったく無いと思うのだが(俺がDファンというのを別にしても)。 今迄のこういった消化ゲームでのタイトル争いでは最も堂々と勝負している部類じゃないかと思うのよ。
 これ、もし逆の立場で(ジャイアンツの)松井が他チームの誰かの三冠王を阻止する位置につけていたら、こんな意見は出てこなかったんじゃないかなぁ。

 夢破れても
 2002.10.7(Mon)
凱旋門賞で惨敗したマンハッタンカフェ、やはり屈腱炎だったか…。休み明けの成績が良くない筈のマンハッタンカフェを前哨戦を回避してぶっつけで臨ませるという話を聞いたときに少し不安がよぎったのだが、やはりレース前から脚に不安があったのかなぁ。

小島太調教師と凱旋門賞というと、凱旋門賞を目指して渡仏したサクラローレルが(マンハッタンカフェが回避した)前哨戦のフォア賞でやはり故障して惨敗、そのまま引退したけど、この人はそういう運なのかしら。あの人のことだから三度目の正直を目指すだろうけど。

マンハッタンカフェの現4歳世代は、2歳の頃からもしかしたら近年最強世代になるのではないかと思っていた。クロフネ・アグネスタキオン・ジャングルポケット・テイエムオーシャン(牝)あたりの強さは2歳時から際立っていたし、そんな世代の中でもアグネスタキオンもクロフネは群を抜いていたが、2頭とも屈腱炎で早い引退を余儀なくされ、朝日杯の勝者メジロベイリーもまた屈腱炎で長期離脱、2着タガノテイオーはそのレースで故障発生し死去している。今マンハッタンカフェが引退すると、健在で残のるはジャングルポケットとダンツフレーム、牝馬のテイエムオーシャンくらいになってしまう。クラシックの翌年秋の段階でこれだけリタイアしてしまった世代ってのも珍しいと思うのだが。
 やはり長く走って生き残ってこそナンボという部分はあり、その最たる例を見せたのが去年のステイゴールドだったように思うのだが、その意味でこの秋は、昨日の京都大賞典を快勝したナリタトップロードにもうひと頑張りしてもらいたいところ。しかし関西テレビ、だからといってロード最終章の始まりです!!」というのはどうよ…(^^;;)

 これはもう
 2002.10.9(Wed)
素直に快挙だと思うしオドロキです。言うまでもなく島津製作所田中耕一氏のノーベル化学賞受賞についてだけど。
 きのう物理学賞を受けた小柴昌俊・東大名誉教授の場合は、カミオカンデを利用した研究からいずれ誰か受賞者が出るだろうと言われていた(個人的には小柴名誉教授の弟子でつい先日までスーパーカミオカンデで研究の中心にいた戸塚教授かなと思っていた)し、野依良治・名大教授同様に毎年候補に挙がり、小柴名誉教授自身もそれを期待してこの時期に15年間ずっと寿司を頼み続けていた(笑)らしいのでさほど驚かなかったのだけど、流石に今日のは驚くぞ。
 それにしても島津製作所(たしか京都市役所の裏手にあったような…あれは昔の施設か)の混乱ぶりがすごいわ…(^^;) 記者会見は大混乱だし当の田中氏は作業服のままで会見真っ最中に奥さんからかかってきた携帯電話受けてるし(^^;;;)

民間企業の研究者としては江崎玲於奈博士が受賞した研究がSONY時代のものだった時以来だし、東北大出身も初めてなら院卒でなく学部卒の研究者というのもたぶん日本人では初めてだろう(おそらく東北大が慌てて博士号を贈るだろうと思うが)。しかも学部時代は電気工学をやっていて生命化学で受賞するのだから…。東北大というと研究の看板は本多光太郎博士以来の金属など無機化学だと思うのだが、そこ以外から最初の受賞者が出て、しかも学内研究者でないどころか院卒でもないのだから東北大関係者は複雑な心境かもしれない。

田中氏は43歳、ここ3年間でノーベル賞を受賞した日本人研究者がいずれも既に定年退官で名誉教授になっているような年齢(去年の野依教授も受賞によって定年延長されたので本来ならもう定年の年齢)で、いってみれば長年の業績に対する功労賞的な意味があるのに対して、43歳に与えられる意味はまったく違うと思うし、その意味は非常に大きいと思う。たしか利根川MIT教授も若かった記憶があるが、田中氏より若くして受賞した日本人はあの湯川秀樹博士(当時42歳)だけらしい。
 それだけでも凄いけど、もっと驚くのは今回評価された研究自体は既に15年前に発表されたものであること。ということは28歳の時の研究なの…? まぁ湯川博士も受賞した理論を思いついたのは20代の頃というし、やっぱそういう人は違うよなぁ…。と、「1%の天才を育てるために残り99%のアホを一緒に飼っている」と言われる某大学で99%の方に入っている俺は思うのであった(^^;)

 慣れない格好
 2002.10.10(Thu)

今日のイベント一部始終。
Harbot正式運用開始1周年ということで、今日は事前にイベントが予告されていた。で、「ムーのタネ」をいただく。さて何が生えてくるのだろう。わくわく。

昨日の段階では学界でも「いったい何者!?」という感もあったらしい(^^;;)田中氏だけど、どうも学部時代に留年したり就職でも最初はSO●Yを受けて面接で落とされたりしているらしい。なんとなく親近感が湧いてきたぞ(おい)

今日・明日はさだまさし30周年記念コンサート10月分の大坂公演(第3夜・第4夜)。ここ数日はデータ取りで忙しく、しかも週明けには経過報告を出さないとならないのだが、コンサートの日までになんとかデータ取りは終わらせることができたので一息ついてフェスに向かうことができる…。

そういえば「空缶と白鷺」はライブで聴くのは初めてのような気がする。2部の終盤、「Kana-Shimi橋」を終えた後、最後に弾いたギターの響きが残っている間にペグを緩め、通常のチューニングにその場で直してそのまま次の「都府楼」へ。こんなの初めて見た…。あれだけの操作でチューニングを合わせられるだけでもやはり普通の人手はないよなぁ。2度目のアンコールに1人で出てきて、やはりその場でギターの変則チューニングを施して弾き語った「生生流転」も良かったッス。
(曲目はこちら)

 余韻
 2002.10.11(Fri)
昨日に続いて今日も夕方に大坂まで出てさだまさし30周年記念コンサートを聴く。今日は期待の服部隆之+ストリングスの日。色が「Green」で流石に花に困ったか、今日は「幸福の木」(ドラセナ・マッサンゲアナ、和名シマセンネンボク)であった。滅多に花が咲く種類ではなく、流石にアンコール後もこれはいつものように最前列の客に渡す訳にいかなくて、代わりにに花束が用意されていたけど(笑)。
 隆之さんは指揮・編曲だけでなくキーボード奏者としても参加。今回のコンサート、各日とも1部は出演者全員がテーマの色に因んだポロシャツ(会場でもその当日だけ販売)を着ているのだが、昨日がクリーム色っぽい黄色、今日は白で襟が黒、その縁に緑が入ったものだったけれど…、なんだか似合わない人が多かった(苦笑)。のっけから「北の国から」の演奏が始まり、その途中からさだが登場して唄う。3曲目、弦から入った「時差」には鳥肌が立った。もう今日はこの段階でヤラレたのかもしれない。

やはりこの人のアレンジは僕の好みでもあるし、彼が他のアーティストでアレンジを担当した作品でもそうだが、発想が豊かで面白いのである。「天狼星に」「少年達の樹」の原曲とは全く異なるオルガン主体のアレンジとか、2部最後の「前夜」「広島の空」「祈り」なんて特にふだん弦つきで聴かない曲だし。しかしこの最後の3曲、歌だけ聴いているとなんだか稲佐山で聴いているような気分になるぞ(笑)。スクリーンにも稲佐山のステージや会場が映し出されていたけど。
 アンコールのラスト曲、「黄昏迄」のエンディングでは今日1曲目の「北の国から」のメロディが織り込まれているという、かつてのアルバム「自分症候群」や「逢ひみての」を思い出させるアレンジだった。

しかし今日はマジで涙出そうになった瞬間が何度かありました…。事前予告じゃないけど、来月の第5夜は、緞帳が開いて1曲目のイントロが流れた瞬間に間違いなく俺、泣くと思う…。
(曲目はこちら)