何かを探しながら息を切らしてかけてきて、木陰に探し人を見つけたようです。
「あっ、こんなところにいた。探しましたよ。
あなたのかくれんぼの才能には驚かされますね。」
そう言って、彼女に手を差しのべ立ち上がらせます。
場所は熱帯植物園の中のようです。
「ここは同じ植物園の中でも、明るい道と、木陰の中では雰囲気が違いますね。
こうして、あなたの手をとっていると
僕があなたをここへ攫って来たみたいで…。
今は、離したくない。
もう少しだけ、このまま…
私の傍にいてください」
私市さんはずっと彼女の手を取っているジェスチャーをしていました。
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