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遥かなる時空の中で 2

〜怪異 北山の氷室にあらはるる事〜

◇7/9(土) 昼の部◇



遥かなる時空の中で2
〜怪異 北山の氷室にあらはるる事〜

<CAST>
藤原幸鷹
源泉水
和仁
北山の大天狗…真殿さん
少納言…伊藤さん
院の護衛…神奈さん
虫麻呂…谷山さん
犬麻呂…私市さん

<立ち位置>
舞台大ステージ左よりにマイクが2本
左から中原さん、保志さん

舞台大ステージ中央にマイクが3本
@院の護衛と少納言のシーン
院の護衛、少納言
A虫麻呂と犬麻呂が出てくるシーン
少納言、虫麻呂、犬麻呂

舞台雛壇2段目右側
和仁

舞台雛壇2段目左側
北山の大天狗

◇STORY◇

明日は「夏越の祓い」
本日のうちに北山の氷室にある氷をとりに行くことになっていると泉水と幸鷹が会話しています。
院の御所、入り口近くが何やら騒がしい。
どうやら院に会わせてほしい帝側の少納言と院側の護衛が言い争いをしています。
そこへ泉水と幸鷹が通りかかります。


少納言「御願いです!氷を譲っては頂けませんか」
護衛「貴様は帝に覚えめでたき者。そのようにいわれても聞けん!」
少納言「御願いですっ!母がっ…どうか」
護衛「ええぃ、ならぬと言っておるのに!」


泉水「どうなされたのです?少納言さま」
幸鷹「母上がどう…とかおっしゃっていたようですが?」

泉水「少納言さま。もしよろしければ、何かお役に立てることが私にもありますでしょうか?」
少納言「いえ、そんな…。泉水殿のお手をわずらわすほどのことではありません。申し訳ありませんでした」

院側の泉水と幸鷹に、これ以上は迷惑をかけられないからと、少納言はその場を立ち去ってしまいます。

泉水「…院だ帝だと、そんな争いをしている場合ではないのに」

落ち込む泉水を慰める幸鷹。
そこへ和仁が登場。

和仁「明日は夏越の祓か…氷のかけらひとつで大騒ぎ。呆れるな」
泉水「そんな!夏越の祓は、大事な院の行事です」
幸鷹「ところで本日はお一人ですか?後見人の時朝さまは?」
和仁「うるさいっ!僕は僕のしたいようにするんだ!」
幸鷹「和仁さま!!」
和仁「うるさい、うるさいっ!夏越の祓なんて知るものか!!…くだらぬっ!
   ましてや『カキ氷がたべたいっ』だなんて思ってはいないからなっ!」
泉水&幸鷹「はぁ?!」
和仁「お風呂上がりに『か・き・ご・お・り・が・た・べ・た・い』などとは言っていないからな!!」

泉水&幸鷹「…言ってますよねぇ(笑)」

こうして和仁はいつものように捨て台詞を言って退場。
そして、話題は北山の氷室にある氷へ…

泉水「そうだ。明日、神子殿にも氷をお届けできたら…」
幸鷹「それは良い考えですね。この暑さで神子殿もだいぶ参っていましたから、きっと喜びますよ」


泉水「あ…申し訳ありませんがこの事は…」
幸鷹「分かっております。神子殿には内密に…」
泉水「ありがとうございます。」

秘密の方が喜びも大きいだろうと、内緒ということにして、仕事に戻る幸鷹。
北山へは幸鷹の部下が氷を取りに行ったようです。


東寺の鐘が鳴り響く夕暮れ。
北山からへ向かった者がまだ帰ってきません。

泉水「…何かあったのでしょうか」

北山の方角から不穏な穢れの気配を感じた泉水はひとり北山へと向かいます。
そこにいたのは、北山の大天狗でした。

泉水「あなたがこの穢れを・・・?」
天狗「何だと?このわしがか!違う。これは人間の仕業だ」
泉水「えぇっ!人の仕業とおっしゃるのですか?」
天狗「先ほどから、うるさくてかなわない。これが人の仕業でなくて、なんなのだ!!」


どうやら大天狗もこの穢れがうっとうしかったようです。
氷室へ到着すると、中に幸鷹の部下が閉じ込められていました。


…お二人ともどこからそんな声を出してるんだ(再び)という高いキーでした(笑)
そしてこれが元になってしまったのか、残り3公演も皆、この二人の役はかなりの高いキーで登場(笑)

虫麻呂「うわ〜ん!ここから出してくれ〜眠いよ〜犬麻呂〜」
犬麻呂「寝たらだめだっ!虫麻呂〜」

ぐう。(笑)

泉水「これは…結界!?」
虫麻呂「あ、泉水さま!ここから助けてください〜」
犬麻呂「助けて下さい〜泉水さま〜〜」
虫麻呂&犬麻呂「う、うわ〜。天狗がいる〜!!」

天狗に驚く二人。
かなりテンション高かったです(笑)

結界を破ろうとして、結界を手で(にぎりこぶしで)叩いて壊そうとする泉水。

泉水「えい!…とう!…やあ!…痛っ…」

(この言い方がものすごく可愛くて会場から嬌声があがってました 笑)

結界は泉水が触れるたびに侵入を拒みます。

泉水「一体、誰がこんなことを…」
幸鷹「泉水さま、どうなされたのですか?…部下が帰ってこないから様子を見にきたのですが」

帰ってこない部下を心配し、やはり様子を見に来た幸鷹が再び登場。

幸鷹「誰がこんなことを」
泉水「このままでは、明日の夏越の祓が…」

そこへ、少納言が登場
泉水「あ…どうして少納言殿がこちらへ?」
少納言「院ばかり氷をひとりじめしてずるいではないか!」

どうやら何者かに操られている様子の少納言。
先ほどまでとはうってかわって、操られているせいでかなり強気のキャラになっていました(笑)

少納言「京の夏は暑い!とにかく暑い!!ひたすら暑い!」

泉水「氷は家臣の者全員に振舞われるのですよ」
少納言「そう、院側の人間にはな。だか、帝側の人間には、これっぽっちも氷はもらえない!
     …この氷を私の母上がお待ちなのだ!!邪魔するな!!!」
泉水「はっ! この穢れは少納言どのが…!?」
少納言「この氷は私のものだ〜っ!!」

― シャキーン! いきなり刀を取り出す少納言 ―

天狗「普段使いなれてない刀など、振り回すのはやめておけ」
泉水「あ、危ないっ少納言殿!!」
天狗「しかし、その男。何者かに操られているな」
泉水「そんな!!…一体誰がそんなことを…」
 
幸鷹「こんなことをするのは…そろそろ出てきたらどうです?宮さまっ!!」
再び和仁登場。

和仁「ふん…よくわかったな。さすが検非違使別当か」
泉水「まさか!!宮が!?」
和仁「だからいつも伯母上、お前の母上が言っているだろう?
   お前が院のことを思いやるなど、思い上がりもいいところだ!」
泉水「宮…」

幸鷹「『そんなこと気にしないでください!』って神子はおっしゃると思いますよ」
泉水「幸鷹殿…」

中原さん、神子のものまねをして高音ボイスで神子の台詞をおっしゃってました(笑)

和仁「しかしもう遅い。この氷室の氷はすべて穢した!」
泉水「そ、そんな!それではこの氷を食べたものは…」
天狗「皆、穢れてしまうな」
泉水「そんな!!そんなことすれば、院までも穢れてしまう!!」
和仁「もう、結界は必要ないな…それっ!」

浅川さん、颯爽と片手を客席にむけて広げ結界を破る。
氷を穢す目的を果たしたので結界はもう必要ないとのこと。

犬麻呂「あ、通れる!!早く逃げろ〜っ虫麻呂。慌てて転ぶなよ〜!」
虫麻呂「…お前もな」

こうして命からがら麻呂二人は退場。

再び、和仁と対峙する泉水達

泉水「は!まさか!!宮様は院の前で穢れを払うおつもりなのでは…」
和仁「ほう。泉水にしては、よくわかったな。そう、私が院の穢れを払い、
   この私こそが東宮にふさわしいと認めさせるのだ!」

幸鷹「そうはさせません!…神子殿からこれを預かってきました」
泉水「これは…!神子殿の気を感じます」
天狗「ほう…神子の気の入った聖水か。」
幸鷹「そうです。後は泉水殿におまかせ致します。」

泉水「神子、あなたのお力をお借り致します」
和仁「何ぃ?お前ら、一体何をするつもりだっ!!」
泉水「どうかこの地を呪いし邪なる気を払いたまえ」
和仁「なにっ!!」

聖水をふりかける泉水
そして、穢れはきれいに祓われていきます。

天狗「ほーう。キレイサッパリ呪詛が消えるのう」
和仁「泉水のくせにっっ私の邪魔をするなんて…!」

和仁「くそう…まあ、良い。しかし!こんなことで私の大いなる野望を打ち砕けると思うなよ!!」

こうして、また捨て台詞を残して和仁退場(笑)

 『ピ〜〜〜!』

突然会場に笛の音が響きわたります。

大天狗真殿さんの吹いた笛によって少納言の呪詛がとけたようです。

少納言「はっ!私は一体なにを…ここはどこなんだ?」(口調も元に戻ります)
泉水「どうやら、操られていたときのことは覚えてないようですね」
幸鷹「そういえば少納言殿。お母上が氷を…とおっしゃっていましたが…」

実は少納言殿の母上が、この暑さのせいで、床にふしてしまったので氷を食べさせたかったとのこと。

幸鷹「…この暑さです。多少氷が減っていても、誰もとがめたりはしないでしょう」
少納言「分けて下さるのですか!?ありがとうございますっ!!」
泉水「そうですね。早く、母上のところへお届けして差し上げて下さい」

氷や周囲の穢れもきれいさっぱり払ってくれた礼にと、
大天狗が京の屋敷まで氷と3人を届けてくれました。
無事に到着を見届けて天狗も「ではまたな」と退場。

犬麻呂「う、うわぁ!む、虫麻呂!!氷だ!氷が降ってきたぞ」
虫麻呂「でも、俺たちが運ぶはずだったのに…(かわいらしく)どうして?」(笑)

虫麻呂&犬麻呂 「…まぁいいか」という風に顔を見合わせる

犬麻呂「やった〜!これでカキ氷が食べられる〜!!早く院にお知らせしなければ!」
虫麻呂「…ラジャッ!」(笑)

天狗「これでよし。では、わしは帰る」
泉水「あ、有難う御座いました」
天狗「それでは、ここにいらっしゃる美しき神子達よ、また会おう」

幸鷹「多少予定の刻限を過ぎましたけれど、天狗殿のお陰で無事氷を奉納できましたね」
泉水「ええ。明日はこの氷を神子にお届けしましょう。
   日頃の疲れを癒し、この暑い夏を恙無く越えられますよう願いを込めて… 
   でも今は感謝しなければ…龍神の神子」
幸鷹「私も祈りましょう。神子殿の行く末が幸せに満ちておられますよう」

こうして、明日の夏越の祓は無事に行えるようになりました。
泉水と幸鷹は竜神の神子に感謝しつつ、明日の行事を迎えるのでした。




ざっとこんな感じですが、とにかくゲストキャストの方が弾けてまして、すごく面白かったです。
しかしまだまだ一回目…
アドリブは今後ますます勢いを増していきます(笑)