2002.6.21 ワールドカップ「イングランド対ブラジル」観戦記

試合は終わり・・・
試合は太陽が西へ傾く頃、終わりました。
静かに人が減って行くグラウンドを少し見ていました。

テレビのカメラはまだ終わっていません。
試合後の会場を写していました。
スタジオを後にする私たち。
バスに乗る頃は、日も落ちて行きます。
私たちは混雑している駅を避ける為に、掛川で夕食を取りました。
入ったレストランにはイングランドサポーターが大きな声で歌を歌って大変賑やかでした。
日本にいるのに日本ではないような・・・。
隣のイングランド人たちは大きなステーキを平らげた後、大きなフルーツパフェをデザートに食べていました。
もちろん、ビールは何杯もお代わりして・・・。
その後、電車に乗り込み家路へと向かいました。
またその電車の中で、イングランドサポーターのジョンさんとマーカスさんに出会いました。
彼らは負けたのに今日の試合を嬉しそうに話してくれました。
私が「今日は残念でしたね。」
そう言うとジョンは「ノー!それは違うね。」
「今日は最高な気分だよ。楽しい試合が見れたし、いい雰囲気だった。
日本人も最高だった。」
私がイメージしている外国のサポーターとは余りに違う反応に戸惑いながら、こんなものかと思いました。
彼は日本に来て長いこと、画家であること、日本が大好きでマスコミがフーリガンとイングランドサポーターを悪いイメージにしたことをとても悲しがっていました。
そして、日本人の暖かい応援に感動したこと。
自分も日本代表を応援して道頓堀のドブ川に飛び込んだこと。
お酒を飲んで良い気分になりながら、酔いが回った頃には殆ど英語で話してくれました。
もう一人のマーカスは2日前に日本へ来て、最初は日本語が話せないから無口でした。
やっぱり酔っ払ってくると英語と手振り身振りで話てくれました。
そのほか、乗り合わせた日本のイングランドサポーターと盛り上がり、
彼らが駅で降りる度に握手をしていました。
そして・・・、私たちの降りる駅も近づいて・・・。
大阪まで行く彼らとはお別れしました。
握手を交わして・・・。
ジョンはドアに立って大声で叫んでいました。
最後まで目立っていたおちゃめなイギリス人。
大阪まで一緒なのはたった一人、女性がちょっかいかけられていました。
彼女・・・、大変だったろうな〜・・・。(笑)


酔っ払っていい気分のジョンと右に少ししか見えないマーカス。
私たちより一つ前の駅で降りるサポーターに別れを告げる。
今回はサッカーを観戦する醍醐味ともうひとつ・・・。
サポーターとのふれあいもありました。
こういう経験は日本ではできないことでしょう。
いえ、日本人同士ではありえないでしょう。
ジョンに聞かれました。
「どうしてイングランドを応援してくれるのか?何処が好きか?」
私は正直に答えました。
「私はイギリスに行ったことはないからよく分からない。
 ただ、この雰囲気を味わいたかった。
 テレビで見るだけではなく、感じたかった。」と。
手振り身振りで・・・。
彼は頷いていました。
そして・・・。
酔いが回った頃、イングランドサポーターの本音が出ました。
負けてとっても悔しいこと。
やっぱり・・・・、ね。
勝って欲しかったよね。