【びわ湖の景観を守るために立ち上がろう】


この「におの浜湖岸」は用途地域の分類上「商業地域」に指定されていても、『ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例』によって、琵琶湖景観形成地域に指定されています。
この条例は、湖国にふさわしい、うるおいと個性のある風景を守り育てるため、昭和60年7月1日施行されました。
どういう条例かと申しますと、それは次の四つの柱から成り立っています。

(1) 琵琶湖や内湖とその湖辺をはじめ、主要な道路や河川とその周辺を地域や地区に指定して景観対策をすすめること
(2) 大きな建物や工作物の景観対策をすすめること
(3) 県民の自主的なまちづくりによる景観対策をすすめること
(4) 市町村による地域の特性を生かした景観対策をすすめること

更に、琵琶湖景観形成地域の指定が昭和61年9月に施行され、このにおの浜エリアは、琵琶湖景観形成地域に指定されました。同時に総合的な方針を盛り込んだ景観形成基本計画も定められました。
(詳しくは、滋賀県ホームページ URL:http://www.pref.shiga.jp 環境関連条例集の景観形成基準本文をご覧下さい)

従ってこれらの条例・基準に照らして、今回のデ・リードコーポレーションの建設計画の内容を検討すると、この計画は形式上建築基準法の規定に適合するものであっても、地域の特殊性を無視してまで計画できるものか否か、甚だ疑問の生ずるところです。

以下に疑問・問題点を集約してみますと…
(1) 琵琶湖景観形成地域内に大規模建築物を建築する際には、予め知事への届出が義務付けられており、この事前届出に基づき、知事から景観形成基準や大規模建築物の建築基準に基づく指導・助言が行われることが規定されております。又、事業主が知事の指導・助言に従わず、周辺の景観と不調和で景観形成を図る上に著しく支障を及ぼす行為に着手した場合、行為の中止または内容の変更その他景観形成上必要な処置を講ずるよう勧告が行われることが規定されております。(但し、罰則規定は設けられておりません)

(2) また琵琶湖景観形成地域に指定されている「におの浜エリア」に建築物を建築する際には、周辺景観との調和に配慮し、まとまりのある形態とすることが要請されております。より具体的には、湖岸に建築物などが建ち並んでいるところでは、湖岸または湖道路の陸側路肩から内陸側に向かって、概ね30mの区域までが、景観配慮の対象区域として規制対象となります。超高層マンションの建設予定地においては、敷地の北側(なぎさ公園側)の空地部分21.375mと、建物本体の北側部分8.525mが景観配慮の対象区域に該当することになります。 

以上、『ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例』の制定精神に則り考える時、「22階建て地上75.8m地上最高高さをもち、且つ、景観配慮対象区域に含まれる8.525m部分の建物」に、湖岸風景の保全上何ら問題なく、許可して良いものだろうか、甚だ疑問に思うものです。


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