最終更新 2/20

半年ぶりの更新でようやく福岡をアップ。どうしようもなく時間がかかってしまい本当に申し訳ないです。
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■カーリング■

メダル獲得がなく、いまいち盛り上がらないトリノ五輪の中で、いま徐々に注目を集めているのが、女子カーリング。日本の選手達のキュートな笑顔と、深いそのゲーム性に人気集まり、連日のTV放映に寝不足気味の人も多いと聞く。しかし、そんな盛り上がりをみせる女子カーリングに対して、日本人選手がいない男子カーリングはTVでまったく放映されていない。

筋骨隆々の北欧の男どもがデッキブラシを持ってファイトする姿は、もはや想像するだけで面白すぎる。 TV放映されないまだ見ぬ男子カーリングに想像が膨らむ毎日です。


西日本出張特別企画静岡編愛知編三重京都和歌山大阪岡山広島山口佐賀長崎鹿児島宮崎熊本福岡>愛媛>高知>徳島>香川>長野>山梨>埼玉 45日 7000キロの旅路。各県の情報提供大感謝!おかげさまでハードな仕事ばかりだった出張も食に酒に名所と楽しむことができました。感謝!!



さむらいだましい


コバヤシ様画


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西日本出張編 埼玉>静岡>愛知>三重>京都>和歌山>大阪>岡山>広島>山口>佐賀>長崎>鹿児島>宮崎>熊本>福岡>愛媛>高知>徳島>香川>長野>山梨>埼玉 45日 7000キロの旅路

3月22〜
■ 行ってきます。 ■

仕事の都合で九州に一ヶ月ほど滞在しなければならなくなったのだが、車で西へ移動するめったにない機会なので西の業者やお客様巡りをしながら行くことが決定した。情報収集や顔つなぎは大切だが日々の仕事に追われているとなかなか難しいし、各地の名物料理や地酒に目がない俺にとっては願ってもないチャンスである。
てなわけで、仕事とプライベートの両面からも得るものが大きい今回の九州出張に俺の心はやる気に満ちあふれてる訳だが、いくら仕事とはいえあっさり社長から「二ヶ月くらいなら帰ってこなくてもいいから♪」 と言われてしまう自分の身の上にはそこはかとない不安を感じずにはいられません。



■ いろんな意味で新鮮な海の幸 (静岡県 沼津市) ■

沼津でお客さんが夕飯をおごってくれるというのでご一緒させていただいた。沼津といえば新鮮な海の幸であるが、案内された海の近くにある小料理屋で驚くべき事態と遭遇する。お店につくやいなやお客さんが女将を呼びつけ声をあげる。  「女将ィィ イカソーメン♪」 「女将ィィ 生しらす♪」 「女将ィィ 生さくら海老♪」 つぎつぎと並べられる新鮮な海の幸に感激していると、その次の瞬間予想だにしない一言が飛び出す。

「女将 イルカ」

イッイルカ?!うろたえる俺を見てお客さんがその意を察したようで一言 「食えるよ」 熱い熱いぜ静岡県民 賢くて芸ができてみんなの人気者のイルカを食っちまうとはグリーンピースも真っ青だ! 「あっ味は」 続けて質問する俺にお客さんさらに一言 「美味いよ」 すげーすげーぜイルカ!賢くって芸ができてみんなの人気者でそのうえ美味いとは!まるでアンパンマンだぜ!

残念ながらイルカは切らして食べれなかったのだが、イルカは死ぬまでに絶対食っておきたい食材として俺の心に刻まれた。しかし埼玉から、たかが100kmくらい離れただけでこんなにも驚かされるとは。自分の世界観の小ささを思い知らされる。これから先が楽しみでならない。



■ 名店の見分けかた(静岡県 浜松市) ■

やはり浜松といえば鰻(うなぎ)である。皆さんの浜松ではこれ食っとけメールもぶっちぎりで第1位は鰻であった。(感謝!)幸いにも夕方に訪問した業者さんN氏がその本場の鰻をご馳走してくれるという。そこで彼の知っている浜松で一番美味いという名店まで行ったのだがあいにくの休み。しかたがないと二人して雰囲気のよさそうな店を選んで入ることになったのだが、お客さんは少なかったもののカウンターのおっさんはいかにも職人といった面構えで期待がもてそうだ。二人で特上を注文して待っているとN氏が鰻の一流店の見分け方を教えてくれた。

「注文してからすぐ出てくるような店は二流です。一流店は注文してから焼き始めますから最低三十分は待たされるんです。もう注文してからけっこう経ちますからきっとこの店は美味しいと思いますよ。浜松自慢の鰻を食べてみてください」

ふと時計を見ると確かに注文してからかなりの時間が経過している。これは一流店に間違いない! だが俺とN氏は期待に胸をふくらまし調理場の方を覗いてみたところ、驚くべきものを目撃する。

ヤベーおっさんTV見てる。



■ ニアミス (愛知県豊橋市) ■

日産のディーラー、「レッドステージ」と「ブルーステージ」がお互いのアイデンティティを放棄して「日産レッド&ブルーステージ」と合体して細々と生きる、TOYOTAのお膝元愛知県に来ている。一昨日26日夜の豊橋でのことなのだが、駅の近くを歩いていると突然すごい数のパトカーがやってきて、あっという間にお巡りさんに囲まれてしまった。「な・・なんも悪いことしてませんよ」と微妙にドキドキしていると、お巡りさん達はすぐ近くのお店に駆け込んでいった。一体何がおきたのか分からなかったが、ホテルに帰りしばらくしてTVをつけると先ほどの騒動が中京テレビのニュースで流されていた。

「愛知県豊橋市のネオン街でナイフをもった男に男性が刺される事件がありました」

思いっきりニアミスである。状況から考えておそらく数分の差だっただろう。ちょうどのそのとき携帯電話をなくして車の中をさがしていたのだが、これがなかったら犯人と道路で鉢合わせになっていたかもしれない。まったく人間何が幸いするか分からないとはまさにこのことである。

ちなみにこの話は俺が紙一重の差で助かってめでたしめでたしという話なので、けっして健さんなんでそんなネオン街にいたの?なんてことを気にしてはいけない。


〜九州出張一時中止〜

名古屋を通過し三重に入ったところで、社長(親父)から電話が入った。爺さんが昨日の夜に肺炎で倒れ、しかも突然ボケてしまったらしい。俺が九州出張に出てから熱っぽい日が続いていたらしいが、どんどん熱が高くなったので入院。そして一夜明けてみたところ、本当に突然家族の名前すらでてこないほどボケてしまったらしい。付き添いがなければ排泄もままならないため帰ってきてくれとの事。あの元気だった爺さんがと信じられない思いだったが、大急ぎで三重から引き返すことになった。

真夜中の東名高速を飛ばし明け方に病院に直行してみると、爺さんのボケは一過性のものだったらしくすでに正気にもどっていたが、付き添いの家族の衰弱ぶりで昨日の症状の酷さがうかがい知れた。とりあえずボケはおさまったが肺炎をわずらっていることには変わらないため、退院までの一ヶ月ほどは俺が病院に泊まり込むになりました。そんな訳で三重県から数時間で埼玉の病院の一室まで逆戻りしまして、先方の方には事情を説明し九州出張は一時取りやめ。次があるかは分かりませんが爺さんしだいという状況です。

あっちこっちで観光名所や名物を教えてくださった皆さんには感謝の言葉もありません。(みなさんからの情報は一通一通返信できないかわりに後ほど責任をもって編集して紹介いたします)本当にありがとうございました。


■おまけ 本日の爺さん■

高熱にうなされていた昨日までと違い多少は回復した爺さん、今日はレントゲンを撮ることに。

看護婦さん 「お爺さーん 今からレントゲンをとるから起きてちょうだいね〜」

爺 「レントゲンでなにみんだ?」

看護婦さん 「この前お爺ちゃんの胸にモヤモヤがあったでしょう。あれがどうなったかみますからね」

爺 「あれだよ、この前おれの胸にモヤモヤがあったのは若い看護婦さんに囲まれたからだんべ!」


つい半日前まで家族の名前すら忘れていたくせに熱がさがったとたんのこのやりとり。横で聞いておりまして、なんというか爺さんの肺炎が良くなってきていることは間違いないようですが、自分が爺さんの血をひいているのも間違いないと改めて確信。


■ 爺さん回復出張再開 ■

おかげさまで爺さんの病状もよくなり泊り込みの必要がなくなりましたので、中断していた九州出張再開することになりました。心配していただいた皆さんありがとうございました。とりあえず今日の夜あたりに出発して明日には三重県まで逆戻りです。ところで今回の件があったおかげでオシッコやウンチも笑って触れるようになりましたが、こう書くとなにか人としてとても遠いところへ行ってしまったように感じますが、断じて介護の話です。


4・20 ■ 鰻の効能 ■ 愛知県西尾市

静岡といえば浜松を筆頭に鰻うなぎの産地として非常に有名であるが、実はとなりの愛知県も鰻の生産量日本一であり隠れた産地となっているらしい。ゆえに今回の出張で浜松から愛知をぬけるまでの間、浜松では「せっかく浜松にきたんだから鰻くっとけ♪」、愛知では 「実は鰻は浜松より生産量は愛知の方が多いんですよ♪」と、それぞれお客さんと会うたびに鰻重それも特上をおごっていただいた。一人旅の若い男にそんなに精力つけさせてどーする気だと問いつめたくなるその回数、なんと夜昼夜と鰻三連発!おかげさまで夜になると沸き上がるムラムラとした衝動を必死で抑える日々である。


「25歳男性犯罪で九州へ出張のはずが九州で出頭」なんて身体をはったギャグにもほどがあるので気をつけたい。



■ 贅沢三昧 ■ 三重県松阪市

さて昨夜は三重県は国産牛肉が有名な地域に滞在していたのだが、業者さんへのところへわざと夕食時を狙って訪問するという姑息な手段を使ってまんまと松坂牛をゲット。ジュージューと小気味よい音を立て肉汁したたらせるステーキは、まさに美味の一言。いまのところ国産牛肉は安全だそうだが、このうまさの前では二十年後あたり生まれたての子鹿のようにプルプルしたとしても悔いはないかもしれない。さすがキング・オブ・ウシである。

しかし今回の出張、お客さんと会うたびに各地の名産品をおごってもらいながら旅している訳だが、ぶっちゃけ体重増加がひどく心配である。鰻だ寿司だ松阪牛だとたらふく食っておいて、運動もせずにへルシア緑茶だけで体重を維持しようというのは虫のよすぎる話であろう。出発時より心なしか運転席が狭くなった気がする。

実は今回の出張には、社長である親父の思惑として、単純に仕事をしにいく以外に全国をめぐることにより業界を知り付き合いを深め、俺に人間的にでかくなってほしいという意図があるようなのだが、とりあえず人間的にでかくなっているかは分からないが、そういう意味ならば俺は確実にでかくなっている。



■ 尾道ラーメン ■ 広島県尾道市

高校生の修学旅行の時に新幹線で東京から博多まで行ったのだが、あまりの到着時間の早さに「なんて狭い国だ、これじゃ俺の器じゃはみだしかねん」とかナマイキ言っててごめんなさい。車で行くと泣けてくるほど広いです。

25日は尾道に滞在していたのだが、尾道といえば尾道ラーメンてな訳で皆さんに教えてもらったお店で夕食をたべる。感謝!さすがに有名店だけあって店内は常連客でごったかえしており案内された狭っくるしい席に座り一番メジャーなラーメンを注文。醤油ベースのスープに細めの麺、ダシの濃さのわりにはスッキリしているラーメンでなかなかに美味しかったのだが、店内のポスターを見てみると「当店のラーメンがコンビニで発売になりました!」の文字が踊っていた。

最近の有名ラーメン店の味をカップラーメンにて再現する企画に参加したようだが、どうにもこの手のラーメンはプライドを売り渡したような気がしないでもない。おまえの職人魂はそれでいいのか!プライドを売り渡しやがって!と目の前でラーメンを作り続ける店主のオッサンに問いつめたい気分でいっぱいであったが、数年前小金ほしさに自サイトにバナー広告をとりつけてみた男にだけは言われたくないだろう。

テヘ ぼくちん お金大チュキ♪



■ 同行者 ■ 岡山県

岡山県で次の訪問先への時間調整をするため公園で休んでいた時のことである。車から降りて背伸びをしていると「兄さんその車のナンバー、もしかして埼玉から車できてんか?」と突然後ろから話しかけられた。びくっとして振り向いてみると、風呂に入らなすぎて黒光りしたガングロの肌と裏原系の少女も真っ青な個性的過ぎる重ね着が特徴の日本の遊牧民ルンペンのオッサン達がいた。どうやら埼玉ナンバーの車に驚いたらしい。東京のルンペンはまず話しかけてくる事はないが、この気さくさはさすがに西日本といったところか。

俺もすこし時間があったので出張の事情を説明したところ、オッサンらの一人がここより西の町になにか用があるらしく「オメーもこの兄さんに乗せてってもらえやーガハハハ」と話をふられた。美しい女性ならともかく、なにが嬉しくてくっさいオッサンらと旅せないかんのか。まぁ向こうも本気ではないだろうが、とりあえずやんわりとお断りをしてオッサン達とは別れた。

岡山といえば桃太郎伝説が有名であるが、こんな夢のないお供はいらない。


■ 広島県の天国がみえる場所 ■ 広島県広島市

広島で一仕事を終え、夜は知り合いの先輩宅に泊めてもらう事に。夜の九時頃だっただろうか、ご家族と一緒に夕飯を食べ終えリビングでくつろいでいると、先輩がこっそり「健ちゃんいまから広島で天国みえっとこ連れて行っちゃるけ」などと耳打ちをしてくるではないか。突然の先輩の申し出に驚きつつも、こんな夜に男二人でこっそり行くところなんて相場は決まっている「え、どこ連れて行ってくれるんですか?」などと言いながらも、内心では「困っちゃうな俺は素人派なんだけど・・・」 と思いつつドキドキしながら先輩の車に乗り込み出発。

ところが、連れて行かれた場所は広島のネオン街ではなく 「羅漢峠」 なる非常に男らしい名前の峠道。

「???」 事態を把握しきれん俺を尻目に「んじゃ行くよ」の一言で加速を始める先輩の車。なにもみえない深夜の峠道、カーブを八十キロちかいスピードで突っ込み、少しばかりの直線で百五十キロまで加速する。そう、知らなかったが先輩は峠の走り屋だったのだ。あまりに突然の狂気のドライビングに泣き出しながら「無理無理無理無理!」を連発する俺に「大丈夫じゃけ 絶対大丈夫じゃけ」となだめる先輩。右から左、左から右、なんどのカーブを曲がっただろう、俺の意識が遠くなりかけるころ、ようやくこの無性にお母さんに会いたくなる狂気のドライビングはゴールを迎えて終わってくれた。そしてゆっくりと減速しながら先輩が得意げに一言 「な、天国みれたじゃろ?」

先輩、俺が期待してた天国はそっちの天国じゃなかです。


■ お好み焼き ■ 広島県広島市

「広島県民は広島県のお好み焼きこそ元祖だと思っている。ゆえに広島県民は広島風お好み焼きという存在を認めない」というほど原理主義的オコノミストがはびこる広島県にてお好み焼きを食べてみた。

紹介されたお店どこに行こうか迷ったが、かのドリカムも食べたという三八さんなるお店に行ってみる。混雑するお店でおばちゃんが声をはりあげ必死にお客をさばいており、俺と目があうと指を一本立て「お兄さんは普通にシングル?」と聞いてくるので、一人だった俺はうなずきほどなくして席に案内された。すると「シングルひとつお待ち♪」と、まだ注文もしていないのに勝手にお好み焼きがでてくるではないか。

どうやら広島ではシングルというのは、人数の事ではなくお好み焼きの中に入れる麺の量の事だったらしい。ふっくらとした具にガーリックと特製ソースの組み合わせは濃厚な味で美味しい。だが、三八のお好み焼きは非常にボリュームがある事も売りなので、ラブラブなカップルの観光客が意味を間違えて自信満々で「ぼくたちダブルです♪」などと言おうものなら、ちょっとした車のハンドルくらいのお好み焼きがでてくる勢いなので注意してほしい。


■ 情報交換 ■ 佐賀県

今回の出張の表向きの目的は、お客さんや同業者との挨拶回りであるが、裏の目的は同業者がなにを考えているかなにをしているかを知ることである。お互いに経営者の個性がそのまま会社の個性となるような小さな会社だけに、その経営者がなにを考えているかどんな手を打ってくるかが、そのまま業界の流れになるだけに情報交換はかなり重要な仕事だ。そのために一緒に食事をしてお酒のおつきあいをしてお互い親睦を深めるのだ。俺とて好きでお姉ちゃんのいる飲み屋に行く訳ではないのである(力説)

もともとお互いに情報はほしいわけで、信用にたる人間だと思ってもらう事が重要。そして最後に「アンタだから話すが・・・」と言ってもらえれば大成功。そうなればあとは男同士素っ裸になって腹を割った貴重な話ができる訳だ。そして初対面の人とうちとけることに関しては定評のある俺のこと、埼玉から出発してすでにかなりの男達を素っ裸にしてきたが、九州にはいってからは少し調子をおとしている。なぜなら九州では一緒に食事をして一緒に酒を飲んで盛り上げて盛り上げて、やっと本音で話してもらえると

「おいどんば、こん業界のこつ、■〜\; がばい ?△% じゃがらしかッばってん!」<なんとなく耳に入ってきたイメージ

それまでは気をつかって標準語でしゃべってくれていたのが、うちとけて本音で話し出してくれたとたん地元語が。たぶん、いますげー大事なこと言ってくれてるんだろうなと思いながらも、酒の入った勢いでまくし立てられる熱い九州弁での経営論を前に「いまなんて言ったんですか?」などと聞けるはずもなくただ「うんうん」とうなずくしかことしかできない。

本音で話してほしいが本音で話すと聞き取れない、そんなジレン九州のジレンマ。


■ 気の重い仕事 ■ 九州某所

挨拶回り、営業、情報収集と、いろいろな仕事がある今回の出張だが、いま俺の中では最大の山場を迎えようとしている。

それは「不良債権の回収」である。

この九州の某地域にうちとしては西日本最大の焦げついている物件がある。今回の俺の仕事は、ようは売った商品のお金を払ってくれない会社に行き、現金での回収か入金の約束をさせ、経営状態をみて最終的に処理物件に回すかどうかの判断をするのだが、ひじょうに気が重い。

なぜなら現在の俺の立場を簡単説明すると、今回の出張では安全の為に高級車である社長の車を借りており、もはや旅と言ってしまって差し支えないような異例の出張の途中で、40〜50代の社長さん達へ売掛金を回収しにいくのである。考えてみてほしい、日本中を高級車でぷらぷらしている若造が親より年上の人間から金を取り立てる姿を!ヒールだ完全なヒールだ。こんなわかりやすい悪者は今時B級ドラマでもなかなかおめにかかれない。

たいていの事には物怖じしない性格であるが、今回は一体どういう態度で訪問すればいいのか非常に悩む。 ニコニコしながらがいいのかそれとも厳しくでた方がいいのか、さっぱり分からない。もう数年前の借金で分割でもいいからと言っているのだが、それを返せないと言うことは相当にキビシイ状態なのだろう。いま不良債権の回収という大仕事を前に、一体どのように相手と接すればよいのかと考えれば考えるほど悩んでいる。

こんな時、迷い悩んでいる自分を勇気づける言葉としては「当たって砕けろ」を使うのが正しいと思うのだが、「当たってみたら相手が砕けた」場合はこの言葉の発案者は責任をとってくれるのだろうか。まいっちゃうなぁ


 ■ 砂風呂 ■ 鹿児島県指宿市

西日本の8割以上の県を回るというゴージャスな出張をしていながら、その実態は車に泊まりながらコンビニと銭湯とコインランドリーを巡る日々。出張というよりなにかの企画をしている気分の侍魂の健ですこんにちは。観光らしい観光はほとんどできていないが、鹿児島ではなんとか日程を調整し、前に侠立ちパンツを送った友人と会って一緒に観光する事ができた。幸せそうに暮らしておりなにより。

海に入ると火傷をする町「指宿」の名物といえば、その豊富な地熱を利用した砂風呂である。浴衣一枚で海岸に横になり、おばちゃん達に砂に埋めてもらえば、あとは熱いくらいの地熱がジワリジワリと身体を芯まで温めてくれるのだ。むさい男達の体臭と焼け付くような息苦しさが漂う室内のサウナと違って、寄せては返す波の音を聞きながら大空を見上げて入る砂風呂は最高である。(天然の砂風呂は入れる時間帯が限られているので調べてから行くことをお勧めする)

ちなみに砂風呂に入るためにはそれぞれの地域指定の浴衣になる必要があるのだが、実はこの浴衣の下は男も女も素っ裸なのである。しかも最近砂風呂が観光スポットとして注目された結果、若いOLさん達がかなり多くなってきており、お姉さま達が素っ裸に浴衣一枚で大量に海岸に繰り出している様は、想像たくましい若い男にとってはもはやヌーディストビーチと言って良い。

そんな訳で指宿に砂風呂入りにくるお姉さまのみなさん、砂風呂で若い男達の砂がある部分だけ心なしか隆起してみえたとしても、おばちゃん達がそこだけ砂の盛り加減を間違ったのだと思って、どうかそっとしておいてやってほしい。


■ 地鶏 ■ 宮崎県宮崎市

三年前に埼玉から宮崎に帰った先輩夫婦がすでに三人の子持ちなっており、その発展途上国なみの子作りに驚く。旦那仕事しよーぜ!(笑)

およそ45日で西日本に点在する80〜100件ちかい場所に訪問するという、人を人と扱わない事が前提のこの無茶な出張であるが、宮崎ではそれに輪をかけて訪問先が多くスケジュールをみれば分刻みという有様。だが、そんな状況でもせめて名物くらい食わなくては!と日程を調整し、宮崎名物「地鶏の炭火焼き」を食べることができた。

名物の地鶏を炭火で炙って塩をまぶした簡単な料理であるがこれが美味い。これをツマミにすれば何杯でもビールが進んでしまうこと請け合いである。この弾力のある歯ごたえと旨味のつまったこの地鶏を食べれば、たしかに宮崎の友人達がみな口々に自慢する「宮崎の地鶏は日本一美味い」という訳も納得できるものがある。だが地元自慢が過ぎるあまり「宮崎は地鶏が美味いから宮崎のケンタッキーは他の県より美味いんだぜ!」という某友達の説には謹んで嘘だと言っておきたい。


■ 冷や汁 ■ 宮崎県宮崎市

宮崎では先輩夫婦の家に泊めてもらっていたのだが、その際に宮崎の家庭料理「冷や汁」をいただいた。かつお節と大根とキュウリとスリゴマを味噌でといた水にいれ、ご飯にかけて食べる宮崎の家庭料理。初めて食べる料理だがシンプルながらとても美味かった。これなら夏の食欲がない時でも何杯でもいけそうである。

ただ、これを食った時が、奥さんに子供3人押しつけて旦那である先輩と朝の三時まで飲んでほぼ朝帰りだった日のお昼だったので、奥さん朝から機嫌が悪く、微妙にぎこちないお昼の食卓の空気に、俺にとっては「冷や汁」というより「冷や汗」と書きたいそんな気分。


■ 九州男児は死んだ ■ 福岡県福岡市

実は福岡県民はあんまり明太子を食べないという事実にすごく裏切られた気分。

この出張の最大の目的地である九州巡りを無事に終え、この福岡の夜が九州最後の夜となるためお客さんの一人が飲み会を開いてくれた。初めて会う方々ばかりだったが、福岡の美味しい料理を前に仕事への熱い思いを語らえばすぐにうち解ける。やがて酒も回ってきて徐々に饒舌になると「俺はこう思っていると!」「それは違う!」声を張り上げ今後の業界の発展について激論を交わし合う男達。熱い熱いぜ九州男児。初対面という事をまったく意に返さず気持ちよく酒を飲んでくれ本音でぶつかりあう。俺は彼らの中にイメージの中の九州男児そのものを見せつけられた思いだ。

そして活気に満ちあふれた飲み会が終わり店の外でお別れになるのだが、誰も帰ろうとしない。みなの気持ちは同じだった「この気持ちの良い男達とまだ飲んでいたい」すると一番の年長のMさんが口をひらいた。

「健ちゃんSMクラブ行くばい!」

嘘だ!嘘だと言ってくれ!がっちりとした茶褐色の肉体を健康的に日焼けをさせたその九州男児は確かに俺の前で、日本全国探してもSMクラブと言う単語がこれほど似合わない方言は無いであろう組み合わせで、彼は確かに言い放った 「SMクラブに行くばい!」 このあまりにも突然の申し出に驚きの念を禁じ得なかったが、ここで退いては坂東武者の名折れ。俺は彼らの挑戦を受けた。

そこはSMクラブというよりも客参加OKのSMショーを見ながら酒を飲むタイプの店だったのだが、それでもノーマルな俺にとっては天外魔境ともゆうべき冥界。店内ではそれぞれの客席ごとに、わざわざお金を払ってろうそくを垂らされムチで叩かれ天井に吊されながらも従順に女王様にかしずく九州男児達がいた。よく男尊女卑の思想がやり玉にあげられる九州地方ではあるが、そこで繰り広げられていたのは完全に女尊男卑の世界。

時間があれば後で詳しくレポートするが、とりあえず九州の古き風習は俺の想像の斜めを上をいく速度で改革が進んでいたようである。


■ 天然うなぎと養殖うなぎはどっちが美味い? ■ 愛媛か高知の山の中

山間の町であこがれの四万十天然うなぎを食べた。どっちの料理ショーなどで「四万十天然うなぎ」が紹介されるたびに一度食ってみたい思っていたし、浜松や愛知で養殖物のうなぎをたらふく奢ってもらっていたので、天然うなぎと養殖うなぎどっちが美味いのか食べくらべてもみたかったのだ。

山間の料理屋で注文して出てきた鰻重は、他の県でたべた養殖ものよりは身は薄く若干小振りに見えた。「ほほぅこれが天然うなぎかい」もったいつけながら、うなぎを口に含むと天然特有の歯ごたえがあり、噛んでいくと品のよい旨味が口に広がる。美味い!

だが養殖ものと天然ものどっちが上かと言われるとちょっと悩んでしまう。養殖ものは養殖物でこってりとあぶらがのった旨味と柔らかさがあるけど、それがくどく感じる事もあるし、天然物は天然物で歯ごたえと澄んだ旨味があると思うんだが、脂ののった養殖と比べると素朴な味わいとも言えるし。うーん、どっちも美味しかったのだが、どっちが美味しいかと聞かれるとちょっと分からないかな。

なんだかずいぶん半端な話になってしまったが、まぁうなぎだけにつかみ所のない話って事でひとつ。


■ ラーメンを名物と言うべきか ■

徳島では仕事であまり関係の無い方のところに泊まらせてもらい極上の焼き肉までご馳走になってしまった。無理におしかけて飯まで食らって寝ってったんでは、ただの押しかけ強盗のような俺の営業。

徳島ではお昼に県内で一番有名と噂のラーメン屋「いのたに」で食べた。店内は有名人のサインが一面に張られてお客さんも混み合っていた。さすが有名店といったところか。さて、いのまたの徳島ラーメンの一番の特徴はスープの濃さだろう。なんというか、普通のラーメンのスープではなくあくの強い鍋っぽさがある。個人的には「いのしし鍋」の味に似ていると思った。普通に美味しかったが、個人的には卵+ごはんで一緒に食べてちょうどいいくらい、それくらい濃い。

しかし、今回日本全国を旅していてみなさんから情報を頂くのだが、名物ないし有名な食べ物としてラーメン屋を教えてくれる人が多い。特にまだ若い人にその傾向が顕著。今回徳島ラーメンがそうだと名指しする訳ではないのだが、数年前から続くラーメンブームは、ありとあらゆる土地のラーメンを無理矢理有名にしてしまった感がある。

名物ってのは基本的に素材と腕があればどこでも味の再現が可能なラーメンと違って、その土地でしか捕れない作れない輸送が持たないなどの理由で、そこでしか食べられないモノこそ名物と呼ばれるべきなんだと思う。例えば佐賀の唐津で食ったイカは埼玉の俺からしてみれば「いままでの俺がイカだと思って食っていたのイカじゃなかった!」と思わせるほど美味かったが、あれは関東では金だしても食えない唐津の名物だろう。

最近のラーメンブームにのってでてきたラーメンが嫌いな訳ではない、勧めて頂いたお店は美味いしいところばかりだった。本当にありがとう。だが、みんなが「自分の町の名物はラーメンです」なんて言い出したら、せっかく奥深い食文化をもった国に生まれたのに、そりゃちとせつないってものだ。

ラーメンしか自分の町の有名な食い物を知らない子をみると、「キミの町にも美味いもんがきっとある。もっと地場物を食べて詳しくなろうぜ!」と俺なんかはお節介ながら思ってしまうのである。



■ 板垣退助像 ■ 高知県高知市高知城

せっかく車で旅してるというのに、仕事が忙しくほぼ観光なしだった今回の出張だが、四国に入ってからは残りの日程とまわる軒数とのメドが立ち、多少スケジュールに余裕を持たせる事ができるようになった。

そこで高知ではお客さんの薦めもあり,、高知市内に聳え立つ観光名所「高知城」に立ち寄ってみた。昔から続く古城の天守閣から、現代のビルに囲まれた街を見下ろすってのもなかなか一興。

高知城

さて、この高知城の城内を歩いていると、観光客と思われる十代の若者達に囲まれているヒゲズラの紳士の銅像があった。

このヒゲのおっさんは、地元土佐出身の明治の政治家、自由民権運動の父「板垣退助」の銅像。岐阜での演説中に暴漢に刺された際に「板垣死すとも自由は死せず」と叫んだのあまりにも有名な話で、高知が誇る偉大な政治家の一人である。

幕末から明治という激烈な時代を自由のために精一杯生き抜いた偉大な男は今、現代の若者達に「これが板垣退助だぜ!」「やべー写真撮ろうぜ!」とキャッキャと騒がれながら次々と台座の上によじ登られ、右手を空にかざした同じ決めポーズで記念写真を撮られていた。死後数十年経った今も観光名所に指定されバカな若者達の相手でゆっくり眠らせてもらえないその姿は、きっと板垣本人に言わせれば 「板垣死すとも自由死せず」といったところか。

<そんなバカの一人




■桂浜で大志を抱け■ 高知県高知市

さて、高知といえば「坂本竜馬」の銅像がある桂浜に行かない訳にはいかない。学生の頃に「世の人は我をなんともいわばいえ我が成すことは我のみぞ知る」という竜馬の歌に非常に感銘をうけたことがある。坂本竜馬のその考え方も生き方も男として非常に憧れる俺が好きな日本人の一人である。仕事もメドがついて観光モードになっていた俺は車を飛ばし桂浜へ赴いた。

 
思っていたより遥かに大きい竜馬の銅像と共に決めポーズ。

案内してくれたお客さんが 「竜馬像が片手を腹に入れているのは、酒の飲みすぎで胃が痛かったからです」という珍説を聞かされる。その日、前日にしこたま土佐の日本酒をのまされ二日酔いだった俺は「なんだよ維新の英雄も俺と変わらないじゃん」と一瞬妙な親近感を覚えたが、考えてみれば二日酔いしか共通点が無いのに喜んでいる自分が悲しい。



桂浜

坂本竜馬も大志を抱き見つめたであろう桂浜とその荒波に向き合えば、なんだか体の奥からふつふつと情熱が漲ってくるようで、竜馬に共感しすっかり熱くなっていた俺は思わず「俺はこの業界を変えてみせる!」と桂浜に向かって吼えてみせた。 が、次の瞬間コントよろしく予想だにしない大きな波がザパーーンと打ち寄せ、逃げ切れずスネあたりまで波に飲まれる。

昔から俺は、大きい事を言うわりに足元がおろそかになって失敗する事がよくあるんですが、社会人になってからも熱い誓いをたてたそばからさっそく波に足元をすくわれているあたり、今後も前途多難は間違いなさそうである。


<波にのまれたジーパンと靴を洗って、そ知らぬ顔でお客さんの所に向かおう画策する男の図






■ 帰還 ■

西日本に点在するお客さんや業者さんを車に泊まりながら訪問するという今回の出張がようやく終わりをつげた。かかった日数48日、走行距離延べ7000キロ、まわった顧客先95軒、という荒行ともいえるこの出張で、非常に多くのことを吸収し仕事の面でも人間的な面でも三回りは大きくなった俺。頼もしく成長した二代目の帰還に、本来ならば「待ってました若旦那!」と家族や職場のみんなに涙をもって迎えられるはずだったのだが、俺が帰ったとたんに、会社でもっとも重要なパソコンが壊れ、某不良債権からの定期の入金が途切れ、爺さんは転んでアバラを折った。

かなり本来の仕事から離れていたこともあるのだが、まるで疫病神を持ち込んだかのような二代目の帰還に会社で微妙に居場所がねぇ。






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最新の先行者日本占領の足取り&侍魂情報も
千人祈 ネット上で戦争をテーマにした詩を綴るサイトです。自分は関わっておりませんが、主催者が家元なのでご紹介です。

以前金田善祐氏の取材にお答えした
個人ホームページのカリスマが発売されました。金田さんの取材は他の取材とは違ってガキの頃のエピソードなど色々聞かれた事が印象に残っております。さらに朗報!「コスモクルーズ」のくぼうちさん「かまくら」の雪男さんの手によるテキストサイト大全がついに発売。なんつーか新宿の居酒屋でくぼうち氏雪男氏というテキストサイトの重鎮二人に挟まれて尋問のように鋭い質問を浴びせかけられ、男二人によってかかって丸裸にされた気分。酒飲ませて取材なんてズルイヤ!ついつい気前よく答えちまったじゃないか!でもまた今度飲み行きましょうね。

台湾のTVに先行者登場

ヤングマガジンにて連載中の「アゴ無しゲンと俺」に先行者形コンボイケーキ作成ロボ登場。
 
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侍魂就航2001/01/18

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