古き良き優雅なニッポンが、ここにあります・・・。

●投扇興
的台の上にたてた扇にむけて、開いた扇を掌に乗せヒラリと投げ、当てるゲーム。当てるのが難しいだけでなく命中した扇の倒れた向きによって得点が違うなど、ローカルルールも多い。

●真似合わせ
じゃんけんに勝ったものが相手を指差し「江戸」または「奈良」「大阪」など、あらかじめ決めておいた都の名前を言う。たとえば江戸なら「待でござい」と言って腰に手をあて刀を抜く。大阪なら「あきんどでっせぇ」と揉み手をするなど・・・。間違えたりおもしろくなかったら負け。

●魚鳥木(草海山)
じゃんけんに勝った者が「ぎょ!!」「ちょぉーー!!」「もーく!」などと指名して呼びかける。それぞれ魚の名前、鳥、草木の名前を答えなければいけない。

●いとしこいし
目隠しをして、お気に入りの舞妓さんと二人、手に手をとって、壁、襖づたいに部屋を一周する罰ゲーム。ほろろ酔っていると、結構難しい。でも二人で手をつなぐというのが、いとおかし。

●賽の目綴り
お座敷備え付けの「いろはに・・・・」と文字の書いた風呂敷の上に1個サイコロを転がす。サイコロを振った人が、「サイコロの転がった先の文字」で「出た目の数」しりとりをする。イロハの「イ」の上でサイコロの「5」が出た場合、その人は『いろり+りんご+ごま+まもの+のはら』など、5つのしりとりを披露する。

●雛拍子
手拭いで目隠しをしてザルを持ちます。グルグルその場で回されたあと、舞子はんやタイコモチの声や笑いをたよりに、お座敷の真ん中に置いてある徳利など、鳥のヒナに例えて置いて有る物に、上手く被せることができるかが勝負。まさに西瓜割りの要領です。

●双六雑感
やはりお座敷遊びの双六とはいえ当時から喧嘩は禁物、中の見えない竹筒に賽子は二つ。丁だ半だじゃないですが、なかなか厳しいですね。

●貝合わせ
ハマグリなどの2枚貝の貝殻の内側に和紙を貼り、源氏物語なら左右半分づつの絵を、伊勢物語ならば、和歌の上の句、下の句を書き込む。つまり、貝は2枚で一組。360種類のセット物が標準。上の句を読み上げている間に,下の句の貝殻をゲットする。いろはカルタがわりに貝殻を使って遊ぶといった要領。2枚の貝が合わさるのは縁起がいいので、婚礼の荷物の一つにもなっている。

●香合わせ
お香の種類を当てる。「梅花、浴場香、荷葉、待従、菊香、落葉、黒方、・・・。」などをベースに数百種類の香が焚かれているが、平安から平成まで、お座敷には欠かせないアイテム。これらを、一定の割合でブレンドしたものが、合香と呼ばれる。さらにお香の達人が手を加えた好合香を持ち寄り、お座敷の名人達が数組に別れて楽しむとともに、合香の浅さ深さ、厚さ薄さをかぎ分ける。

●火回し
和紙を細長くよったコヨリ「観世縒り」や、お線香が燃え尽きるまで歌を読み続け、歌の下の句と一緒に火を回していく。コヨリが燃え尽きたとき、途中で消えたときは、その人の負け。線香の場合、あらかじめ決めておいた長さまで燃えると「花」などのお題目で統一した歌を詠むなどを決めておく。

●福笑い
初期の福笑いは、顔に紐を使って半紙を張り付け、のっぺらぼうの状態から始まる。墨の付いた筆を持たせてもらい、相手が言うなりに自分の顔の上の半紙に顔を描いてゆく。口の次は目、その次は輪郭など、バラバラに攻められると風流な顔の出来上がり。お正月には,こちらから言わなくても、お座敷側で準備して待っててくれる。

●ご祝儀
酔っていても現金をハダカで渡さないで下さい。祝儀袋や懐紙に包んで、さりげなく、目立たないように・・・。

●おまわりさん
酔ったお客さんにおすすめ。プレイヤーは2人。大太鼓の両側に立ち、じゃんけんをする。負けたら一回転して太鼓を叩く。負けが続くと回れないし、とても叩けません。

●碁石取り
塗り箸を使って碁石を盛った皿から皿へ移動させる。時間も決めておくこと。声援と、弾け落ちる碁石の音で結構にぎやか。大事なお皿は使わないこと。碁石をアズキに変えることもあり。

チークダンス
大勢で踊るほど楽しい遊び。女性より男性は1名少ない組み合わせで、ホウキやモップの棒と踊る。音楽が止まるとフルーツバスケット状態で全員がペアを変えるが、ペアになれなかった新たなホウキと踊る男性が・・・。

陣取り
男女のペア二組以上で新聞を広げその上に立ちます。。じゃんけんで負けたら新聞を半分に折り、また半分に・・・。新聞が小さくなったら、背中におんぶしたり抱き上げたり、肩車もOK、
転んだり、新聞の上から出たら負け。

●昔からの呼び方
もっぱら「派遣」されるのは「揚女郎」(あげじょろう)と呼ぶ。また、「お店で相手」するのは「見世女郎」(みせじょろう)と呼ぶ。ランク順に「太夫」(だゆう)「天神」「鹿恋」(かこい)。お店によっては、「松」、「桜」、「囲い」、ともいう。「太夫」や「天神」には、見習いの「禿」(かむろ)がセットになっている。また「鹿恋」は、「揚女郎」の仲介を兼ねる「引き船女郎」「太鼓女郎」も含まれる。

●芸者の起床
起きるのはお昼前。深夜労働だから遅くまで寝ている。朝から仕事があるときは別。

●芸者の入浴
午後3時、なぜか昔から決まってる。それと、必ずお清めしてからお座敷に出ます。

●芸者の食事
お座敷では、基本的に飲み食いしないので、あらかじめ食事をして仕事に臨む。

●芸者の着付け
専門の床山や着付師もいるが、大体20分で日本髪と化粧、あと15分くらいで着付けが完成。

●芸者オンタイム
業務開始は原則として午後6時から。最近は朝から福祉施設の慰問も行なったりするのでフルタイムの場合もある。お座敷は終わりの時間が未定なので結構ハード。帰宅は深夜になることも多い。しかしその後、夜明けまで飲みにいったりして、なかなか結構な青春です。

●線香代、花壺代、花代
お遊びの際、時間を計測するために線香をつける。1本が約30分で、一席もうけると3〜4本の線香代になる。時間無制限のお遊びを「つけっぱなし」というが、まさに線香つけっぱなしのことである。「花壺代」とか「花代」ともいわれることもある。

●糸
三味線のこと。「しゃみせん」は、弦が3本でニャンコの皮を張った弦楽器。 三味線を演奏する人を地方(ぢかた)踊る人を立方(たちかた)という。 場を盛り上げるお座敷付きの幹事のことを、たいこもちという。

●御座付
宴の前の挨拶。挨拶といっても、挨拶代わりに芸を見せる。客の身分やご祝儀、季節よって歌や踊りを変える。

●めだか
「めだかのがっこう」を歌いながら芸妓さんと一緒に踊る。

●尻文字
「イロハのイの字はどう書くの?!こうして、こうしてこうかくの!!」と歌いながら お尻を振ったり、つきだして、お尻で文字を書く格好をする。

●さくら
芸妓さんが横になったお客の体を「お琴」に見立てて、つま弾いてくれる。摘んだり弾いたり、罰ゲームのひとつ。

●お座布
座布団を使ってイス取りゲームをする。BGMは三味線。曲の流れている間、お座布の回りを回り続ける。座布団は人数より1枚ずつ少なくしていく。絶対にお客が勝ってはいけない。最後の1枚をめぐって、芸妓さん2人が取っ組み合いをするのを見物するのが風流に値する。

●野球拳
ジャンケンをして、負けたほうが服などを脱いでいく。歴史は古い。しかし、あまりにも下品すぎるので風流なお座敷にはそぐわない。実際にはこんな遊びは邪道である。負けたらお酒を飲むなどローカルルールあり。

●おひらき
芸者さんと向き合って立つ。両者、酒の入った徳利と、それに被せた杯を片手に持つ。ジャンケンで負けた方が酒を一杯飲み、足の大きさ程度、足を開く。倒れた方が負け。酔っても品位をお忘れなく・・・・。

●お座敷名人戦
時は元禄時代、成金達は金を儲けては遊里で遊びを極めていた。まずは「紀伊国屋文左衛門」。なんと大江戸の不夜城「吉原」を一夜貸し切ってしまう「総仕舞」をやってくれた。男の見栄もここまでやってくれるとアッパレとしか言いようがない。
そして「奈良屋茂左衛門」。これまた遊里で遊女をはべらし、雪の積もった節分の日に,豆まきと称して金銀小判を撒いた。集まった町人どもの熱気で、雪が溶けてしまったそうだ。

つづく・・・