カトリック膳棚教会 会報「ともに」誌108号(2019年6月9日発行)に寺尾總一郎が寄稿した小文
(ここに掲載するために多少加筆してあります)


災害の備えとはなにをすることでしょう?
下線がついた青字の個所はクリックすると関連個所にリンクされています)

519日、名古屋大学大学院環境学研究科地理学教室主催で、国際協力や防災教育活動をしておられる小川光一監督の防災啓発ドキュメンタリー映画「いつか君の花明かりには」上映会と小川監督の講演会が公開で催されたので参加しました。

 映画は東日本大震災20113111446分発生、関連死を含む死者数15,895人、警察に届出があった行方不明者2,533人)阪神淡路大震災1995117546、死者6,434人)、熊本地震20164142126 死者267 人)北海道胆振東部地震20189637発生、死者42人)平成307月豪雨2018628日から78の集中豪雨、死者224人、不明8人)などで被災された方へのインタビューと
徳島県の北島中学校の防災クラブ
の活動紹介で構成されており、とても現実感がありました。

 続く小川監督の講演と質疑応答の中で私の印象に残っている発言をもとに、私なりに災害の備えのヒントを項目的に列挙してみたいと思います。

〇 被災後に後悔しても、時の巻き戻しはできない! 

〇 防災心理を心得ておく!「忘れ物を取りに戻る心理」、「野次馬心理」、「みんなでいるから大丈夫という心理」、「自分のところは大丈夫」という思い込み心理。 

〇 避難指示・勧告が発令されたとき、私は歳だからと避難を拒否することは迷惑。というのは「そうですか、それならご自由に」と冷淡になれないで、職務上、あるいは家族・友人が人情として救援に向かい、津波に飲みこまれた人がいる。 だが、限られた人数しか乗れない救命ボートの場合、年寄りが辞退し若い人に譲るのは美徳だと思う。 

〇 非常用飲食料の備蓄も大切だが、命に関わる骨折や止血などの救急手当を身につけておく。 

 自宅の被害がなくても、災害発生時、地下街・路上・列車内・ビル内など、どこにいるかでも明暗が分かれる。 

〇 被災者支援の救援・支援にボランティ
アなどに出向いたとき、家族を亡くしておられる被災者がおられるかもしれない場合、消息をお尋ねしないほうがよいときもある。 

 ということで、
私たちはいつどこでどういう自然災害・事故・事件に遭遇するのかわからないので、できることには備えるとともに、不慮の死を迎えなければならないことがありうることにも備えておきたいと思います。


   「聖マリアさま、『今』も『死を迎えるとき』もお祈りください!」 (アヴェマリアの祈りの一節


               
2019531カトリック膳棚教会主任司祭 寺尾總一郎記)



 


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