Picwalk SH712m
音声通話も可能なM-STAGE MUSIC対応端末。
メモリースティックを内蔵し、SONYの提唱する圧縮方式ATRAC3に対応。
※SH712mは、その外観からも分かるように内容は641Sとほとんど一緒です。
ですので、特に異なる点以外は641Sの説明と同じになってます。
<形状>
ストレート型。
しかし、とにかく分厚い。重さも99gある。
641Ssの後ろに、そのままメモリースティック(MS)リーダライタを積んでる感じ。
<基本仕様>
・液晶画面
256色カラーSTN液晶。
やや淡い印象(ただし、個体差があるかも)。
・メニュー体系
文字中心の基本的なメニュー構成。
数字でも操作できるが、マルチキーの左右で「戻る」「進む」の機能を果たすため、操作はしやすい。
・マナーモード
「マナー」ボタン長押し。小さいのでちょっと押しにくいかも。
ちなみに、「マナー」ボタン短押しで電話帳登録。
・キーロック
「F」ボタン長押し。
・通話時間表示
直前、及び累積を表示。
なお、通話終了後の表示はない。
・発信履歴、着信履歴
各20件。マルチキーの左側短押しで発信履歴。長押しで着信履歴を表示する。
・非通知拒否、着信拒否
指定着信拒否及び指定着信許可をすることが可能。
指定着信許可を使えば指定しない着信を全て拒否できるので、非通知拒否にもなる。
・電話帳
1件につき1電話番号・1メールアドレスしか登録できない。
しかし、各電話帳データをリンクさせる機能があり、それを使えば複数番号登録っぽく使える。
また、単に人とその人の会社をリンクさせるなどの使い方もできる。
・電池のもち
かなりの速さで消耗する。
WEBなど中心で、ちょこちょこ使ってると、朝出て夜帰る頃には電池切れになることも。
ヘビーに使う場合はつらいかも。
<Eメール関連>
・文字入力
キーレスポンスはまあまあ。
記号は「、。」などのほかは「#」ボタンを押して一覧から選んで呼び出す。
絵文字は入力モードを「絵文字」に切り替え、「リスト」で一覧表示するか、番号を入力して呼び出す。
「っぁぃぅぇぉ」等の小文字は、「つあいうえお」を入力後、「メモ(A/a)」ボタンを押して切り替えできる。
・漢字変換
学習機能搭載。
ただ、この学習機能のせいで、変換した時に同じ候補が出たりする(例えば「同じ」)。
口語などの変換に弱く、「行っちゃう」みたいな変換はできない。
変換の候補にはカタカナも出るので、カタカナ語変換には強い(?)。
また、「音訓変換」があり、これを使えばどんな難解な漢字もほぼ探し出すことができる。
・ユーザー辞書登録
不可。
・メール送信までの手順
メールボタン→「3メール送信」→「1新規メール作成」をしてから宛先・題名・本文を入力する。
入力の手間が多く、面倒。
なお、同時に最大10件にまで送信可能。
また、メール作成中に着信があった場合には通話終了後にそのままメール作成画面が表示され、
きゃらトーク等の受信があった場合も、未送信メールとして自動的に保存される。
・受信メールの参照
自動読み出し機能が削除されているため、読み出しは手動でしか行えない。
読み出し自体はメールボタン・Fボタンのツータッチでできる。
読み出し後受信メールがあれば、そのままメールをみることができる。
・受信メールの管理
メールボックスには一画面に6つのメールが表示される。
リストにはメールのタイトルを表示。相手・本文はそれぞれメールを選択しないと見られない。
30件まで保護することも可能。
・メモリ容量
受信メモリ 約200KB(件数は最大850件、ブラウザの画面メモと共有)
送信メモリ 約30KB(件数は最大50件、内保護可能20件)
・その他のメール機能
GIF画像の添付されたメールを受信することも可能(ただし、GIF画像を添付して送信は不可)。
メロディ(mldファイル:iメロディ)の送受信も可能。
返信先指定(Reply-To)も可能。
署名の添付もできる。
メモリ容量の確認は不可(件数はメールボックス表示時に確認できる)。
iモードの用の絵文字を送信できるが、なぜか受信時には表示できない(「=」の表示になる)。
<その他のメッセージ関連>
・送信
ショートメール送信、きゃらメール送信、きゃらトーク送信、ポケベル送信がある。
どれも送信画面は同じで、「宛先」と「本文」を入力する。
なお、送信履歴は残らない。
予めメッセージだけを入力しておき、メール送信時にその文章を呼び出すこともできる。
・受信
きゃらメール(別途契約が必要)、きゃらトーク(別途契約は不要)の受信が可能。
受信容量は各10件で、きゃらトークは古い順から削除され、きゃらメールは10件溜まると受信できなくなる。
<ブラウザ機能>
・ウェブ閲覧
8文字x7行の56文字で表示される。
GIF画像を表示できる他、iモードiアニメ(GIF)・iメロディ(mldファイル)にも対応する。
また、iモード用の絵文字も表示させることができる。
文字だけのiモードに比べ格段に早いわけではないが、カラーの画像のiモードよりも断然早い。
操作中、「戻る」「進む」は、マルチキーの左右で行う。
オフライン表示もでき、履歴10ページ分をオフラインでも閲覧できる。
ただ、ブラウザ使用時にはボタンを押してから画面の反応に出るまでタイムラグがあり、操作が重い感じがした。
・ダウンロード容量
画面メモはメール容量と共用。画像のダウンロードと言う観念はなく、画面メモで保存し、そこから壁紙登録をすることになる。
MLDファイルは10件まで保存可能。既存の着信メロディに上書きする形になり、自作メロディと共用。
なお、MLDは4和音16音色に対応するので、携帯のNやF用のメロディをダウンロードしても正しく再現される。
<通話関連・留守録関連>
・感度、通話品質
感度はまあまあかと。
ただ、ハンドオーバーはあまりうまくない気がする。
とは言っても、都内は64k対応CSと非対応CSとが混在するので、なかなかクイックリンクは決まらないのだが。
歩行程度の速度での通話にはあまり問題ない。
・スピーカー受話、ハンズフリー
ハンズフリー可。
・留守録機能
メモボタンで設定/解除可能。16秒x7件保存できる(音声メモと共有)。
<音楽再生機能>
・コーデック
ATRAC3を採用。
対応するソフトはOpenMGJukeboxまたはSonicStage。
前者はPC用のメモリースティックリーダライタなどに付属しており、
後者はSONY製PCのプリインストールソフト(ただし一部の機種)。
なお、転送レートは66kbps/105bps/132bpsに対応。
・メディア
MGメモリースティック(白)。
MGはMagicGateの略で、音楽著作権保護機能。
白いメモリースティックはこれに対応するが、青いメモリースティックは対応しない。
容量は、たしか128Mまで対応してたはず。
・音質
132kbpsで録音すればそれなりに音がいい。
ちなみに、ATRAC3はMDのMDLPとも同じ方式で、132kbpsはMDLPのLP2モードに該当する。
また、BASS(重低音)は2段階設定可能。
・再生機能
ランダム再生/一曲リピート/全曲リピートのみ。
プログラム再生やタイマー再生などはできない。
・バックグラウンド再生
不可。
音楽再生機能以外の機能を利用するには、音楽再生機能を停止させなければならない。
・その他
「マナー再生」なるものがあるが、要は音量を一定以上に上げないようにするもの。
電池の持ちの悪さは相変わらずで、641Sよりも音楽再生機能の分だけ悪化してる感じ。
SH712mの成績表
項目 |
採点基準 |
評点 |
コメント |
外観 |
端末の大きさ、重さ、データ通信端子類など外観全般 |
5 |
第一印象。ぶあつっ!とにかく分厚い。でも、実際にポケットに入れると、それなりにマッチしたりする。ただ、最近の端末としては許容限度外かと。再生専用ならP711の方がまだ小さいので許せる。 |
基本性能 |
待ち受け時間・電話帳機能など |
6 |
641Sはとにかく電池の持ちが悪かったが、これはSH712mも同様。むしろ音楽再生機能の分だけ悪化してるかも。その他の機能は641Sと同等。 |
液晶表示機能 |
液晶の大きさ、明るさ、表示文字数、画面の見やすさ |
8 |
256色カラー液晶搭載。56文字表示だが、現在これくらいだと「大画面」とは言えないです…。でも、LCフォント搭載だし、文字は見やすい。 |
操作性全般 |
ボタンの押しやすさや、マナーモード留守録機能の操作性 |
7 |
キーレスポンス・クリック感ともに問題なし。留守録保存件数が7件と、実はかなり多め。(キーレスポンスは人によっては不満かも) |
文字入力 |
文字入力・漢字変換の効率・辞書登録の可否など |
7 |
たまにすごく変な変換や、同じ候補が多数出たりする。連文節変換対応らしいが、文章長くすると変換が変になるので、短めの変換を繰り返す方が効率が良い。 |
パルディオEメール |
パルディオEメールの操作性 |
6 |
送信手順が面倒。ただ、iモード系の機種とほとんど同じなので、ある意味分かりやすいかもしれない。メールの設定をする画面はほとんどなく、タイマー受信がないのも残念。 |
ブラウザ |
ブラウザ機能の操作性 |
7 |
GIF、MLDファイルにも対応。64k接続できるし、自分のプロバイダを設定して接続することもできる。ブラウザ中に接続時間が表示されないのは痛い。 |
メモリ容量/管理 |
ユーザーメモリの容量の多さ、およびその管理の容易さ |
9 |
受信メール約200KBはこれまででだんとつ。ただ、メロディデータが10件なのはちょい悲しいところ。楽曲データはMSに保存する。その他のデータは保存不可。 |
メニュー(F)操作性 |
メニューの操作性(5点満点) |
3 |
文字だけのメニューだが見にくくはない。階層化されているので、戻る・進むの感覚で操作できる。ひとつ設定が終わると待ち受け画面に戻ってしまうのは×。 |
通話品質 |
電波の感度・ハンドオーバー性能
通話音質など(5点満点) |
3 |
高速移動中のハンドオーバーはあまり決まらない気がするが、これは地域にもよるものと思われる。通話品質はクリアだが、弱電界になるとノイズがのる。 |
着信メロディー機能 |
着信メロディーのやり方や曲数など |
8 |
4和音対応で、ダウンロードも4和音16音色に対応。自作も4和音で、こちらは音色を128音色から選ぶことができる。最大音量にしても音割れしないスピーカーは○。 |
特別機能 |
独自機能の豊富さ・面白さ |
9 |
まずは音楽再生機能。ダウンロードしなくても、パソコンで録音して利用可能。つまりはメモリースティックウォークマン。あと、アラームは99秒鳴らすことのできる恒例の機能(J-PHONE、SH821i系)。スケジュールアラームを使えば、スケジュール機能っぽくもできる(スケジュール機能自体はない)。 |
不満点 |
減点対象となる不満点 |
5 |
電池の持ち。あとは、バックグラウンド再生できない点。2001年モデルとしてはともかく、2002年の時点では機能的に不満。 |