NTTP清算とPHS業界

パーソナルの清算とPHS業界…

NTTパーソナルは、NTTと、NTT移動通信網(DoCoMo)などの出資で構成されている。

しかし、98年12月はやばやと清算されることが既に決定している。

新聞報道では「日々三億円の損失」とされ、損失・負債はすべてNTTとドコモが負担するもよう。

後腐れのない清算方法には拍手を送りたいくらいですが、なぜ3社の中でも最も早くギブアップしてしまったのだろうか。

☆路線の失敗とPHS加入者の減少

PHSは当初、「家ではコードレスホン。外に持っていくとPHS。」というコンセプト(方針)で作られた。

しかし、PHSは子供が一般電話の代わりに使うという形で急激に普及。

PHSは家の中まで電波を届かせる、ということは想定していなかったので、普及と同時に不満も広がった。

そこで、早くから強力なアンテナを配置していたDDIは数を伸ばし、NTTやアステルは苦境に立たされることに。

そこで、あわててホームアンテナ・パワーアンテナを無料化し、解約を防ごうとした。

しかし、それも大きな効果は生まず、97年後半から解約は増えるばかりだ。

一方の携帯電話は度重なる値下げで本体価格も通話料も基本料金もどんどん下がり、PHS解約勢を取り込んでいった。

いまでもPHSは減りつづけ、携帯電話が増えつづけている。

☆データ通信への特化?

PHSはデータ通信時の転送速度が携帯電話の3倍はある。これを活かしてデータ通信を促進させようと、対策が講じられた。

しかし、モバイルコンピューティングが完全に浸透するにはいまだに時期尚早であったのではないか?

思ったほどデータ通信は伸びず、パーソナルの清算はこのあたりが敗因であるとの見方もある。

☆どうなるPHS

PHSは音も良いし、最近では漢字が使える端末も出てきている。

徐々に魅力は増しているものの、携帯への急激なシフト化の前にはなすすべもないだろう。

これ以上の勢力拡大は相当難しいのでは?

しかし、その反面で、高校生などがはじめて持つ場合にはPHSが多く、完全に淘汰されることもないと思う。

ただ、経済力がついたら最終的には携帯へ、という構図はしばらくかわりがないだろう。

 

 

ホーム 上へ