海外ローミングを試す


意図したわけではないのですが、前回に続きvodafoneネタです。
海外旅行に行く機会がありましたので、J-PHONE/vodafoneの海外ローミングを試してみました。

端末


前回のコラムでも説明したように、vodafoneはもともとイギリスの携帯電話会社です。と同時に、世界中に傘下の携帯電話事業者を有しており、そのネットワークを活かして世界中でのローミングを実現しています。J-PHONEでも、vodafoneの子会社となったことから、同様に海外でローミング(Vodafone Global Standard)を利用できるようになりました。

※VGSを海外ローミングというかは微妙かもしれませんが、定義の問題はここではご容赦ください。

ただし、日本は海外のほとんどの事業者の採用しているGSMではなく、PDC方式が主力であるため、日本の携帯を海外に持っていっても使うことはできません。J-PHONE/vodafoneの海外ローミングを利用するには、GSM専用機またはW-CDMA/GSMデュアル機を利用する必要があります。

海外で使える端末(日本で買うことのできるもの)

V-N701(NEC)

通信方式:
W-CDMA&GSM(デュアル)

利用できるエリア:
日本(W-CDMA)
ヨーロッパ等(GSM)
※N701はアメリカでは利用できない。


V66(MOTOROLA)

通信方式:
GSM

利用できるエリア:
ヨーロッパ等(GSM)
アメリカ(GSM)
※日本では利用できない。


VodafoneGlobalStandardでは、FOMAと同じくUSIMカードを利用します。USIMカードというのは、契約者情報等を記録したICカードで、電話機に挿すことで利用することができます。ということは、J-PHONEのUSIMカードをV66に挿して使える以上、理論的には海外で売っているGSM携帯にもUSIMカードを挿せば利用できる、ということも考えられます。ただし、ロックがかかっている可能性もありますし、予算の関係で海外では携帯を買えませんでしたので(笑)、実際には試してません。

 

料金


VodafoneGlobalStandard(VGS)では、普通の料金プランの他、主に海外で利用する人向けのプランが用意されており、どちらでも海外ローミングを利用できます。

通常プラン
バリューパック、ビジネスパック、ライトコールパックなど
→各種割引サービスを利用することができる。海外利用分は無料通話分の対象にはならず。

海外利用向けプラン
グローバルコールプラン(海外のみ:600円、国内利用のある場合:3500円)
→年間割引(1年目:10%引き)必須。他の割引は適用されず。

1台で国内・海外を併用する場合には通常プランでいいと思いますが、国内には別の携帯があり、海外旅行等専用にVGSを契約するような場合には海外利用向けプランの方が維持費が安いことになります。

なお、VGSを含めた海外サービスの比較は以下の通り。

事業者 サービス名 端末 ローミング
基本料金
通話料
(日本に発信した場合)
J-PHONE
/vodafone
VodafoneGlobalStandard 買い上げ 不要 ヨーロッパ
175円/分
着信110円/分
アメリカ
140円/分
着信110円/分
Travelfone レンタル レンタル料
1000円(1日)
7000円(10日)
20000円(1ヶ月)
ヨーロッパ
350円/分
アメリカ
280円/分
NTTドコモ WORLD WALKER レンタル レンタル料
1000円(1日)
20000円(1ヶ月)
ヨーロッパ
350円/分
アメリカ
270円/分
着信190円/分
au GLOBAL PASSPORT 買い上げ 不要
※但し現在利用できる国について
ヨーロッパ
×
アメリカ
330円/分
着信300円/分
モーバイルエクスプレス レンタル レンタル料
1000円(1日)
〜18000円(30日)
※日数が増えると単価が安くなる
ヨーロッパ
330円/分
着信230円/分
アメリカ
330円/分
着信330円/分

※「着信」の表記がある場合、着信した場合にも料金がかかります。
※auのGPはヨーロッパでは利用できません。
※auのモーバイルエクスプレスは、au契約者だと10%引きになる。
※VGSとauのGPは、別途月額基本料が必要(金額はプランによる)。

 

メールの送受信が便利!


VGSでは、日本のスカイメールおよび海外のSMS(ショートメッセージサービス)とメールのやり取りをすることができます(但し、エリアについては制限あり)。基本的には半角英数しか使えませんが、漢字対応の機種同士なら漢字かなを使ったメールもやり取りできます(例えば、V-N701を海外に持っていけば、日本と普通にメールをやり取りできる)。

メールの送受信料は、海外発は100円/通で、日本発は5円/通(SMS送信料)。受信料は無料。

ヨーロッパやアメリカだと日本とかなり時差があるため、電話では都合が悪いこともあると思います。そういうとき、メールだとあまり時間を気にしなくてもいいので便利でした。でも、さすがに半角英数のメールは読みにくかったですが…(英語で書くのは読む方も書く方も大変ですし…)。

 

サービスエリア


実際に利用したのは、イギリスとフランスです。どちらの国でも、あまり地方には行かなかったせいもあってか、ほとんどのところで利用することができました。ただ、屋内で電波の弱いところがあるのは日本と同様です。

なお、イギリスから日本にかけた場合「通知不可能」といった表示になったのに対し、フランスから日本にかけた場合は「8190-xxxx-xxxx」と番号が表示されたようです(81は日本の国番号で、090は海外からは8190となる)。理由はよく分かりませんが、イギリスで利用したvodafoneUKとフランスで利用したSFRでは、設備が若干異なるのではないかと思っています。

それから、フランスからかけた場合は何度も回線が混雑している旨のアナウンスがあって接続できませんでした(ガイダンスはフランス語と英語、しかもBGM付き)。利用した時間によるのか、はたまた場所によるのかは分かりませんが、イギリスでは1回もなかったのにフランスでは頻発したのが特徴的でした。

 

海外の携帯事情


と言っても、それが主目的ではないので、ちゃんと調査したわけではありませんが…(笑)。

まず端末は白黒のが多かった気がします。カラーはこれから普及していくという感じでしょうか。ヨーロッパでは携帯は安く売ってないです。例えば、SHARPのGSM携帯GX10ってのも日本円にすると3万くらいします。NOKIAのいいやつだともっとするくらいです。で、白黒の安いのでも平気で1万とか2万とかします。これは価値観にもよりますが、あっちの人はそこまで最新端末にこだわっていないような気がします。ですから、現在使っている携帯が壊れるとか、よっぽど新しい端末が便利そうでない限り、機種変更というものをしないのではないかと思います(あくまで予想)。なので、カラー端末の普及にももう少し時間がかかりそうな気がします。

ただ、携帯電話を所持している人自体は結構いると思います。メールをうっているシーンもわりと見かけましたし、電車の中で着信音が鳴り響くという光景も目にしました。なお、着信音は和音なんてもってのほかで、メロディー(単音)が流れても基本的にクラシックという感じでした。

あと、携帯の形状としてはストレートが主流のようです。ただこれも、今後は大画面化に伴って日本のように折りたたみ中心になっていくのかもしれません。

というわけで、せっかく海外に行く機会があったので、携帯を使ってみました。まあ、海外旅行にまで携帯を持っていくのも善し悪しだとは思いますが、とりあえず便利なことは便利です。現地で契約したりレンタルしたりする手もありますが、面倒なのとレートなどの点から必ずしも安上がりではないため、日本で契約して持っていく方がおすすめのように思います。

なお、現在のところはどの事業者も、海外でEメールを受信することはできません(携帯で)。これができるようになるとかなり便利だとは思うのですが…やはりCDMAがヨーロッパ等でも普及してからでしょうか。今後に期待したいところです。

 

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