ブラウザホンは将来のiモード?

ブラウザホンって、どっからどう見てもiモードに対応してるだけという感じですが、
実はそうでもなかったりするのです。

ラウザホンのブラウザは、iモードのサポートするC-HTML方式を閲覧できるもので、
そのことから、発売当初から「iモード対応(のページを見られる)PHS」として認識されてきました。
ということで、新しい機能でも何でもなく、単にiモードが搭載されただけ、という印象だったと思います。

ところで、iモードが登場した当初はポータルサービスの独占なんて全く見向きもされなかった問題ですが、
その爆発的な普及を受けて、ポータルサービスの独占が批判されるようになりました。
そしてその動きは、総務省による指導にまで至ったのです。

これに対しドコモは、順次ポータルサービスを開放していくとしました。
まず最初に、それまで不透明だった公式サイトへの登録条件を公開しました。
そして、今後はポータルサービスを開放していくとしています。

ータルサービスとは、PCでのインターネットで言えばYahoo等に該当するもので、
インターネットの玄関のようなものに当たります。
通常、PCでは自分の好きなページを玄関に指定しておいて、
ブラウザを起動した際にはそのページが表示されるようになっています。
でも、iモード(に限らずEZもJ-SKYも)では、接続するとiメニュー以外には接続できません。

このように、携帯電話ではポータルサービスの独占が起こっているのですが、何が良くないのでしょうか?
まず、利用者から見れば本来自分の好きなポータルサービスを選べるはずなのに、
かならずドコモの用意したメニューを見なくてはならない(と思っている)のが短所です。
ですが、実際の問題点はそこではありません(たぶん)。
例えば、Yahooとかドコモ以外の会社がポータルサービスをしたくてもできない、と言う点が問題なのです。
ポータルサービスは広告収入を主な収入にしていますから、
国内に6000万人以上のユーザーを抱える携帯電話に全くポータルサービスが提供できないのは不満なわけです。

「ブラウザホンが将来のiモード?」と書いたのは、以上のような点が背景にあります。
つまり、ポータルだけでなく、メールサービスや接続サービスが開放されれば、
利用者は必ずしもドコモのiメニューやmoperaを利用するとは限りません。
現に、moperaの接続料金が高いドコモPHSでは、
おそらくmoperaはあまり使われていないのではないかと思います。
また、ブラウザホン(633S)ではパルディオEメール以外に、
プロバイダのメール、いわゆるPOP3にも対応していますので、メールもドコモ以外のものを使うことができます。
このように、ブラウザホンではポータル・メール・接続(メールは633Sのみ)が開放されていて、
利用者も企業も自由に選べる環境にあるわけです。

まあ、そういう点から、将来のiモードと位置づけました。
もっとも、ポータルサービス等が開放され、急激にISPとしてのドコモのシェアが減少するかは別問題です。
携帯を利用する多くのユーザーは、そこまで通信などに詳しくはありません。
ドメイン指定拒否ですら、あそこまで広告をうって、広く認知させる必要があったように、
ポータルの開放が一般の人に理解されるのには時間がかかると思います。

また、現時点で膨大な数のコンテンツを誇るドコモに対し、
金額面または内容面で相当なアドバンテージがない限り、他社ポータルにわざわざ乗り換えるとも思えません。
メールに関しても、携帯と会社のメールを別にしている人は多く、
簡単にアドレスが変更でき、また携帯同士でのやり取りしかできないようにも設定できる携帯電話でのメールを、
むしろ便利に思っている人もいるはずです。
そうすると、例えポータルが開放されても、そうそうドコモのシェアは落ちないのではないかと思うわけです。

ータルサービスが開放されると、
他社ISP等も参加してくると思われますが、ドコモのサービスが不要な場合、
おそらく現在支払っているiモード利用料(月額100円)は不要になるでしょう。
なお、PDCでは300円のうち100円(残りの200円はパケットの基本料)、FOMAでは100円がiモードの基本料です。
これは、パケットとは別の、ISPとしての料金ですから、iメールもiメニューも使わない場合、
将来的にはiモード契約だけをしないことも可能になるはずです。
ただ、もちろん他社のISP料金は支払う事になるとは思いますが。

ところで、他社のポータルが提供されたとして、コンテンツホルダーがコンテンツを提供するかも、また微妙です。
現在、ドコモはコンテンツホルダーのために利用料の代行収集を行っていますが、
その手数料は7%に設定されています。
また、iモード情報料には上限があり、300円に設定されています。
コンテンツホルダーが他社にコンテンツを提供するのは、これらの条件面や、
また、加入者の多さなどが揃ってからと言うことになりそうです。
しかし、現状でもJ-SKYやEZウェブには非対応で、iモードだけに対応するサービスは多く、
そのような現状からすれば、他社ポータルが容易に繁栄するとは思えないのです。

上のような点から、iモードでのポータルサービス開放に向けて、
ISP事業者やポータル事業者は、今からその準備をしておく必要があります。
そのひとつは、Dopaなどへの接続環境の強化などハード(設備)面でのもので、
もうひとつはコンテンツホルダーとの提携や情報交換などソフト面のものです。

そのために、いち早くポータルサービスが開放されているブラウザホン向けに、
ポータルサービスを提供する事業者とか出現してくれないかな、とかついでに思ったりするのですが…、
実際には圧倒的にユーザの少ないドコモPHS向けにそのような大事業を展開するのは難しいですね。
ブラウザメニュー(公式メニュー)があまりにも貧弱なため、つけ込む余地はいくらでもあると思うのですが…。

後書き

うーん、長くなっちゃいました。
なんか、絵とかはさんで見やすくしたいとも思うのですが、
時間がそれを許してくれません…。
というか、時間がないならこんなの書くなと言う気もしますが。
こんな後書きまでお読みになっているみなさん、最後までお読み頂きありがとうございます。
ご意見や文章の誤り等に関しましては、こちらまでお願いいたします。

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