ハイ・ティーを楽しもう!

 私達のツアーには市内の一流ホテル4カ所ならどこででもOKのハイ・ティーのチケットもついていた。ハイ・ティーとはおやつの時間にお茶を飲みながらお菓子やケーキを食べる事。たいていは取り放題なので日本で言うケーキバイキングの事だろうか。しかし場所によれば点心、麺類、ピザやサンドイッチまであるそうだから何だかよくわからない。私達4人はみんな甘い物好き。特にTさん、Mさんはどこかでケーキバイキングがあると聞けば必ず行かないと気が済まない人達。4人はこのために昼ご飯を簡単に済ませてハイ・ティーに挑んだ。 一番行きたかったのはラッフルズホテル。しかし予約を入れないといけないし私達の泊まったホテルから遠かったので断念して、一番近いハイアットリージェンシーに行った。

 席に案内され紅茶とスコーンが運ばれる。紅茶はひとりに1ポットずつ。少し飲んで落ち着いてから食べ物を取りに行った。点心とかもないかなーと期待していたが残念ながらお菓子類とサンドイッチしかなかった。まずケーキから。そんなに大きくないのでいろんな種類が楽しめる。とりあえず4つ取ってきて食べてみた。おいしいおいしい。イチゴのタルトなんか小さいくせにイチゴが4つも乗っている、ぜいたくー。その後スコーンを食べたらおなかがいっぱいになってきた。紅茶と共に出てきたスコーンは、ケーキをたくさん食べられないようにするためのものだったのだな。私とNさんはそのあたりで挫折。しかしTさんMさんはまた取りに行った。すごいぞ!さすがケーキバイキング荒らしをしているだけある。彼女たちがそれから何個食べたかは伏せておくが、4人とも晩ご飯はあまり食べられなかった。

さあショッピングだぞ

 ぶらぶらしているばかりではいられない、おみやげや自分の欲しい物も買わなければ。というわけでシンガポール本島に入ってからは時間があれば店を見て回った。私達が行った時はちょうどバーゲン時期で至る所バーゲンの文字が見られた。初めは見ているだけの私だったがひとつ気に入ったワンピースを見つけて買ってしまった。それを皮切りに私はキレてしまい、

「もう結婚したら買えないからー」

などと言いつつもうひとつ服を買い、ベルトや靴まで買ってしまった。キレたついでにアクセサリーも買うぞ!とその手の店を回ってみたがこれは気に入った物が見つからず断念。靴は今まで買った靴の中で一番高かった。何か特別の日に下ろそうと思っているのだが未だに使うことができず、たまに奥から出してきては眺めているばかりである。(猫に小判・豚に真珠)

 私は旅行に行くと現地のスーパーやコンビニに必ず入ってしまう。シンガポールでも行きたかったのだが普通のスーパーは見つからず、仕方なくデパートの食料品売場で我慢した。(その割には人一倍楽しんでいたのだが)その中で結構安かったのがパック入りのマンゴープリン。日本でも売っているがここでは6個入り350円くらいで手に入る。そしてニンニク入りのチーズ。日本だと当時1300円(現在は1000円)くらいする物がそこでは350円くらいで売っていた。これは買わなければいけないと思ったのだが、日本に帰るまでまだ日があったので最終日に買うことにしてその日はあきらめた。しかし最終日に来てみるとたくさん売っていたはずのニンニクチーズはひとつも残っていなかった。悔しい。

 そしてシンガポールならいろんな所で売っているエビせんべいはおいしいので見つけたら買って欲しいと思う。ピリカラエビ味の薄いせんべいを巻いて一口サイズにしているお菓子。ピリカラなので私は一度にたくさんは食べられないが、しばらくして辛さを忘れるとまた食べたくなる味だ。

 シンガポールと言えばラッフルズホテル。泊まることはできなくてもここまで来たからには見に行かなければいけない。立派な車の並んでいるホテルの前で写真を撮り、中のレストランで食事をした。もちろん買い物も。ブランドの店もいろいろのぞいた。Tさんはアクセサリーの店でブレスレットを買い、Mさんは革製品の店でバッグを手に入れた。最後にラッフルズのオリジナルショップに入りみんなで紅茶を買った。Nさんはここでお配りみやげ用だと言って紅茶を1ダースも買った。ホテルに帰ってスーツケースに詰めるとスーツケースの片方が紅茶でいっぱいになってしまいみんなに

「売り歩くんかい」

と笑われていた。本当はオリジナルのチョコレートも買いたかったが暑いので絶対溶けるだろうと思い買うことはできなかった。これは心残り。

ホテルでの恥ずかしい日本人4人

 シンガポールの最終日、飛行機に乗るのは深夜なので丸一日自由時間だったが朝のうちにホテルのチェックアウトをしておかなければならなかった。仕方がないので私たちはフロントでスーツケースを預かってもらい、そして夜、ホテルに帰ってきてからそれを返してもらった。おみやげをたくさん買ってしまいこれらをスーツケースの中に入れたかったので適当な場所を探したところ、ロビーの隅っこにソファーを見つけた。ここなら他の客に目立たないのでいいかなと思い4人でそこに座り、さすがに4人同時にスーツケースを開けるのはまずいだろうとまず2人が荷造りを始めた。

 すると従業員が慌てて駆け寄ってきて、私たちと荷物は狭い従業員詰所のような所に連行された。すごい早業だった。やはり一流ホテル、リージェントのロビーで荷造りをするなどもってのほかだったのだ。

「そんなことはここでやってくれ」

と叱られ、私たちはひたすら謝るしかなかった。

エンディング

 ホテルの人に迷惑をかけながらも何とか荷物まとめを終え、しばらくロビーで待っていると迎えがやってきた。ホテルの外に出て空を見ると満月が光っていた。

とうとうシンガポールとお別れなんだな・・・。ちょっと寂しくなった。

なんてこと言いつつ、空港に着いて搭乗待ちをしている間に睡魔がおそってきた。深夜だもんな、仕方がない。日本に帰るので安心して疲れが出てきたのもあるかもしれない。そのため飛行機の座席に着くやいなや、毛布をかぶって寝てしまった。飛行機が離陸したのも気付かず、途中、スチュワーデスが起こしに来て食事だというのも断って、目が覚めたのは関空に着陸した時。変な重力(逆噴射)に驚いて飛び起きたのだ。機内にいる間ずっと寝続けていたのはこの時以外にはない。

日本に着いたものの、まだ家までは電車と新幹線を乗り継いで行かなければならない。関空で朝ご飯を食べてから出発したが、お盆の帰省ラッシュに巻き込まれたようで、四国までずっと立ちっぱなしだった。お昼過ぎ家に帰り着き、ツアーのおみやげでもらった蘭の花束を花びんに生けてから、昼ご飯も食べずに布団に潜り込んで再び睡眠の世界に入っていった。