ホテル
泊まったホテルはセントーサ島にあるザ・ビューフォートと本島の方にあるザ・リージェントだった。
ビューフォートの方はガイドブックで見て一番泊まってみたい所だったので実はツアーを探すときにここに泊まれる所をわざわざ選んだ。今のシンガポールツアーがどうなっているのかわからないが、その当時はセントーサ島に泊まるツアーというのはとても少なく、あったとしても島内にもうひとつあるホテルに泊まるのがほとんどだった。唯一ビューフォートに確実に泊まれるツアーを見つけた私は深く考えずに申し込み、泊まれる日をとても楽しみにしていた。
ビューフォートホテル
さていざこのホテルに着いてみると私にはとても場違いな所だったと気がついた。さすがガイドブックで「大人のリゾートホテル」と銘打っているだけあって立派なのだ。敷地
が横に広く、フロントやレストランごとに建物が分かれている。ホテルを出るのも一苦労で敷地内を歩き回るだけで散歩ができてしまう。コテージもあるがそこはきっとお金持ちの人用なのだろう、私たちは一番奥にあるマンション状の建物に案内された。それでもドアを開けると正面は一面の鏡張りでお出かけの時にはここで身だしなみを確認できるようになっている。その左側にもうひとつドアがあってここを入るとベッドルームがある。そう、プライバシーが守れる二重扉になっているのだ。ツインのベッドルームはとても広くてテーブルも2つあるので絵はがきを書きたい時などにお互い譲り合ったりする必要もない。たいてい私が泊まる所は床にスーツケースを開く場所もなくてベッドの上で荷物を出し入れするのだがここでは2人で床で荷物の出し入れができる。
ベッドルームの奥の観音扉を開けると私の日本の部屋よりも広いバスルームだ。これまた正面は鏡張りでその前に立派な洗面台がついている。椅子もあるので座ったまま顔を洗えたり髪を乾かしたりできる。右側にトイレとシャワールームがあり、左側に身長168cmの私が足を伸ばして入ると溺れそうになるほど大きな湯船がある。湯舟は窓際にあるので昼間はさんさんと光が降り注ぐ中で入浴が楽しめる(もちろん曇りガラスなので外からは見えないよ)。ただひとつ文句を言えば湯舟に出入りする面の中央に蛇口があるので油断するとそこでしこたま足をぶつけてしまうことぐらい。
朝食はどこでも同じバイキングだが、南国だけあってフルーツがたくさん食べられるし、私の好きなチーズもいろんな種類が揃えられている。またコックが横にいて卵の好みを言えばその場で焼いてくれる。運良くレストランのテラスの席に案内してもらえると緑と花のあふれる中で食事ができてとてもうれしい。
リージェントホテル
私はビューフォートに泊まりたかっただけでここは特に希望したわけではない。きっとツアー会社の方がビューフォートとランクを合わせたのであろう、ここも立派な所だった。
まずロビーに入ると最上階まで吹き抜けになっている。中央にエレベーターがあってそれぞれの階には渡り廊下で行けるようになっている。部屋は吹き抜けを囲むようにあって周りからは丸見えなので防犯上とてもよい。ドアを開けた時誰かに押し込まれたとしても叫べばどこからでもよく聞こえるからね。そしてこのホテルにはあの有名なマキシム・ド・パリがある。残念ながら私は入っていないけど。
部屋の中も大きなテーブルやソファーがあったりしてとても広い。ベッドの上には蘭の花、家具の上にはウェルカムフルーツが置いてある。が、カーテンを開けると一面ガラス張り。ベランダなどはないので日差しがたくさん入って明るいのだがもし何かの拍子でガラスにもたれかかってしまって割れてしまうと下まで真っ逆さまだなと思うと少し怖くなった。
お風呂はビューフォートの勝ちだった。バストイレ一体型。しかしこちらの方が落ち着いていられるのは私が庶民だからだろうか。8畳もあるお風呂は贅沢な気持ちになりつつも誰かが見ているような気がしてなんだか落ち着かないよね。
このホテルは建物は立派だがシンガポールのメインストリートのオーチャード・ロードまで距離がある。そこまで木が鬱蒼と茂っている公園なのか民家なのかよくわからない敷地の横を通らなければならないので昼間ならともかく夜は真っ暗になってちょっと怖かっ
た。