私はその年の秋に結婚を控えていた。もう結婚してしまうと友達と旅行なんて簡単にはできなくなる・・・。そんなことを考えていた時、同じ習い事をしていた仲間3人(Tさん・Mさん・Nさん)から旅行話が出てきた。

「どこか海外に行きたいね。」

行くと決まると話は早い、あれこれ検討した結果「シンガポールのリゾートホテルでのんびり&買い物」ということに決まった。あらゆる情報を仕入れ、泊まるホテルや飛行機も具体的に決まって出発の日はやってきた。8月のとある日、ホテル2カ所を2泊ずつ、機内泊1泊の5泊6日の行程だった。

シンガポールで兄弟を見つける

 4人で関空を出発し、台北を経由して夕方シンガポールに到着。ロビーまで出るとガイドさんが待ってくれていたのだが、その人の顔を見て一同絶句。性別・身長・髪型は違えども私とそっくりなのだ。体型や縁なし眼鏡まで同じ。ここまで似ているとお互い笑うしかない。彼は中国系のシンガポール人だと言っていた。私はどこに行っても日本人にしか見られないので私の顔は思いっきり日本人顔なのだと思っていたが、案外そうでもなかったようで少しうれしかった。世界には3人同じ顔の人がいるらしいが私の1人目はシンガポールにいた。

気候

 シンガポールは一年中夏。きっと暑い中を行動することになるだろうと暑さに耐える練習などして行ったのに、8月だったので日本にいる時とそう変わらなかった。確かに晴れると日差しはじりじりしていたが、私が行ったときはほとんど曇りか雨だったので外を歩いていて暑くて倒れそうになることなどはなかった。そのかわり湿気はかなりのもので夜など出歩くと何か冷たいものがぺったりとくっついているようで気持ち悪かった。

 建物の中に入ると冷房がちょうどよく効いている。香港などではガンガンにかかっているので長袖の服を持っていないと気温差で体力が奪われてしまうのだがシンガポールでは快適に過ごすことができた。