甘味の宝庫 [ ]くくりは一文字ね(^-^)/

 さて質問です。中華料理のデザートと言えば?

 日本でなら杏仁豆腐が一般的でしょうか?でも杏仁豆腐は四川料理のデザートなので、広東料理屋の多い香港ではあまりお目にかかることはありません。実際、私は香港で杏仁豆腐を食べたことはないし。辛い食べ物が苦手なので四川料理屋には近寄らないからと言うのもあるんだけど…。

 では広東料理のデザートで一般的なのは何かというと、マンゴープリンなのです。これはもう本当にどこでも見つけられます。お店ごとに作り方がまちまちなので、いろいろ食べ比べて自分のお気に入りを見つけることも可能。プレーンなものから、果肉入り、カスタードクリームがかかっているのもあったり、甘味専門店に行くと他の果物と盛り合わせになっているものも…。

 気に入れば、スーパーでパック入りが売っているので、買って帰れば日本でも味わうことができるし、時々輸入食品店でも手に入れられます。

 マンゴープリンだけでも食べ歩きができてしまいますが、甘いものはこれだけではありません。香港には日本では見たこともない甘味がたくさん。私もできるだけ新たなものに挑戦していってますが全然追いつくことはありません。そんな甘味達の中で食べてみたものを紹介します。

 ショートケーキが食べたい?これはほとんど食べてないな。天下のペニンシュラで一度食べたことがあるけど全然おいしくなかったので。在住の人ならともかく、おいしいケーキなら日本でいくらでも食べられるので、香港に行ったときくらい香港の甘味を楽しみましょう。

 

豆腐花

 ↑これって何なの?と聞かれると、「ん〜と、絹ごし豆腐にシロップがかかったもの」と説明してしまう。するとたいていみんなは嫌な顔をしてしまう。見た目としてはその通りなのだが、日本の絹ごし豆腐にシロップをかけても香港の豆腐花の味にはならないらしい。(実験した人がいる)

 豆腐花の豆腐は日本の絹ごしよりももっと柔らかい。そして大豆の味がする。基本はそれにシロップがかかっているのだが、他にもチョコがけ、あんこがけなどいろいろメニューがある。香港では、これが昔ながらのデザートらしい。

 確かに初めて聞いたときには私もひいていた。しかし勇気を出して食べてみるとあっさりと食べられて、今まで食べなかったのがちょっともったいなかったなと思えた。

 

牛乳プリン・卵プリン

 専門店がいくつかあって、それぞれ冷たいのと暖かいのがある。実行したことはないのだがお持ち帰りもできるらしい。ほのかに甘くて、つるんと食べられる。でも量が結構多いので気を付けた方がいい。朝、胃がムカムカしてしっかりとしたものは食べられないけど、何か少しだけおなかに入れようと思ってプリンを注文したら(朝ご飯にそんなもの食うなって?)、量を見て気持ち悪くなってしまった。まあこれは、その時暖かい卵プリンを注文した自分も悪かったのだが…。その後冷たい牛乳プリンをおやつとして食べたときはおいしくいただけました。朝ご飯にちょっと、と言うときには豆腐花の方がおすすめかも。(だから朝食にそんなもの食うなって!)

 

紅茶

 私は「[女乃]茶」の事をずっと「紅茶」のことだと勘違いしていて、「ないちゃあ」と頼めばミルクティーにするのかレモンティーにするのか聞いてくれるのだろうと思っていた。でも聞いてくれることもなく、必ずミルクティーが出てきて、冷たいのならともかく熱いのは紅茶を煮出しすぎて苦くなっていて、私には飲み干すのは厳しかった。噂に聞く冷たいレモンティーを飲んでみたいけどどうすればいいのだろう?

 何年も経ってから[女乃]の文字はミルクのことだと理解した。それじゃあ「ないちゃあ」と頼むとミルクティーが出てくるのは当たり前のことだったんじゃないか…。結局レモンティーは「檸檬茶(れもんちゃあ)」、冷たいのは「凍(どん)」、熱いのは「熱(いっ)」と頼まなくてはならないことも勉強した。

 これで念願の冷たいレモンティーを注文することができた。出てきてびっくり。レモンの薄切りが7枚くらい入っているのだ。基本はそのレモンをくちゃくちゃとつぶしてから飲むらしいのだが、酸っぱくなるような気がしてできなかった。冷たいのに甘く感じるので砂糖の量はとても多いのだろうが、私には冷たくてのどの渇きをさっぱりと押さえることのできる飲み物となった。

 

鴛鴦茶

 こう書くと全然わからないけど、日本語で書くと「珈琲紅茶」。コーヒーと紅茶を混ぜたもの。「うぎゃー」と思うかもしれない。確かに私もずっと逃げていたけれど、チャレンジャーな友達が注文したので飲ませてもらった。コーヒーの苦みがマイルドになっていて、豆からひいたコーヒーは苦くて飲めない私にはちょうどいい飲み物だった。

 これは香港では本当に一般的な飲み物。気に入ればスーパーに行くとティーパック状態で売っているので、買って帰って日本でも楽しむことができる。お笑い土産のひとつにしてもいいかも知れない。(あ、ないちゃあとかも売ってるな…)

 

芝麻糊

 ある時、飲茶をしていたら隣のテーブルの人が真っ黒い汁がお椀になみなみと入っているものを食べていた。とてもおいしそうには見えない。「何じゃ?あの墨汁みたいのは???」後で調べてみるとこれは「芝麻糊(ごましるこ)」というものらしかった。一瞬甘いゴマって…と思ったが、そういえば私の好きなゴマ団子は中の餡がゴマでできているんだよな。じゃああれがお汁粉になっているのね、と言うことで早速スーパーで購入。味の想像はつくものの、飲茶屋さんに行くといつも違う甘味を注文してしまってこれ以上飲茶屋で甘味ばかりは食べられなかったのだ。

 日本に帰ってから、芝麻糊の素をお椀にあけ、お湯を注ぐ。う〜ん、やっぱり色は墨汁だ。そのまま置いておくととても食べ物には見えない。でも勇気を出して一口。おお!やっぱりゴマ団子の餡の味!でも素が粉だったからなのか、黒ゴマをすりつぶしているからなのか、舌触りがざらざらするぞ。

 日本で食べるゴマ団子はもっと甘さがしつこいけれど、これはそんなことはない。そういえば香港の甘味はあっさり系が多いなあと思いつつ真っ黒い汁をずるずるとすすっている私なのであった。

 スーパーで買った芝麻糊は、トッピングも何もないただの汁だったのだが、甘味屋さんに行けばお団子が入っていたり、またそのお団子の中にゴマ餡が入っていたりする店もあるらしい。香港で会った人がめっちゃおいしい芝麻糊の店があると言ってたのだが、「この近所にあるの」とだけしか教えてもらえなかったし、その時はお腹がいっぱいだったので連れてってもらうこともできなかった。でもだいたい店名と場所は把握しているので次こそそこで正しい芝麻糊を食べようと誓ったのであった。