美味しいナビゲーション

〜とくしまローカル編〜

 美味ナビの番外編として地元徳島の食を紹介します。飲食店だけでなく、小売店から生産者まで私のお気に入りを紹介したいと思います。(時々入れ替わりもあり。)
※尚、例によって場所は参考程度に記しておきますので自力で探すか、詳細知りたい人はDM下さい。

「ラ・マリーノ」 徳島市JR蔵本駅前

 レストランを選ぶ時大切なのは当然ながら味、そして値段だ。 美味しくてもバカ高い店は高嶺の花だし、仮に行けたとしても根が貧乏性な 私などは緊張して満足に味もわからないだろう。 その点、この店はコストパフォーマンスに秀でた名店である。 イタリア家庭料理店であるこの店は、たっぷりのボリュームと食べやすい 味付けがイタリア料理初心者にもお薦めだ。特に薄くクリスピーに焼かれたピザは絶品。
 まずは空腹時でなくては食べきれない980円のリーズナブルなランチから試して欲しい。

「わいん市場」 徳島市紺屋町あわやビル2F

 美味しいお酒と料理を楽しめる店。料理はイタリアンをベースにした創作料理だが、 特にお薦めは魚料理。まじめに市場通いを続けるシェフの誠意が感じられる。 後、スタッフの接客も気持ちよく好印象。お酒もワインは勿論、日本酒、焼酎も至高の 銘酒が揃っている。
 ある時はカップルで、ある時はパーティにと様々に楽しめる店である。

「ビノ・バー」 徳島市秋田町パパガーロビル4F

 徳島のショットバーで一番のお薦めを尋ねられると、とりあえずここを紹介することにしている。 ハードリカーの品揃え、カクテルをつくる技術、そしてバーで最も重要な要素である接客、のどれをとっても 申し分のない店。勉強熱心だがそれを感じさせず、どんな状況にも柔軟に対応できるマスターの 力量を感じさせる。どんな客を連れていっても必ず誰もが納得してくれる。
 良い店とはこういう店のことをいうんだと感じさせてくれる。そんな店である。

「バラ亭」 徳島市栄町

 徳島のショットバーでは知る人ぞしる名店。開店30年を超える老舗だが、 繁華街の路地裏にひっそりと隠れるようにある扉にはBARATEIの文字が 小さく書かれているのみで看板もない。初めて入るにはちょっと勇気の要る店構えだが、 重めの扉を押せば煉瓦造りの店と、味わいある語り口のマスターが別空間を演出して くれるだろう。
  ※平成14年マスターがご逝去されたそうです。謹んでご冥福をお祈りします。

「甲子万」 徳島市富田町

 居酒屋の良いところはその自由さにあると思っている。好きなものが食べられて、 みんなが楽しめる。しかも勘定が安い。そういう意味ではこの店は理想の居酒屋だ。 若者向けの創作メニューから地の旬の素材を使った料理まで、その裾野は広い。 飲み物もビール、酎ハイはもちろん、全国の銘酒も楽しめる。
良い店の情報は口コミで広がり、どこからともなく客が押し寄せる。老若男女が集い、 いつ訪れても大繁盛の、今、徳島でもっとも勢いに乗っている居酒屋である。(1999年現在)
 【補足】2002年9月現在、徳島市紺屋町自社ビルに「和いん」をオープンし新たな店舗展開を 見せている。正直大きくなりすぎた感もあるが、今後の展開に期待したい。

「校倉」 阿南市見能林町

 本来はうどん屋だが、全国の個性的な銘酒がいただける。うどんも旨いが出汁も旨い。 中華そばや自家製ぬか漬け等の何気ない酒の肴も素晴らしい。夜な夜な常連客が酒を楽しみ に集まって来る県南のオアシス。ご主人の確かな味覚、奥さんの独自の感性が生み出す魅力溢れる名店。

「阿田一代」 徳島市秋田町

 おでんって手間のかかる料理なんだなぁと感じさせる。四季を通じて楽しめる 上品な創作おでんをつまみに全国の銘酒が1ショットから飲める店。100円のおでんにも さりげなさの中に丁寧な仕事があり、ご主人のまじめな性格が伺いしれる。 深夜までやっているのもありがたい。

「うな久」 徳島市東大工町

 かつて養殖鰻の一大産地だった徳島で鰻の蒲焼きはどこにでもあるメニューだが、 旨いものに出会おうとするとこれがなかなか難しい。ちまたに出回っている台湾、 東南アジア産の養殖鰻の味は酷いものだし、それを素焼きにして長時間放置し、客に出す 前にタレを塗って「ハイどうぞ。」という店がほとんどなのだから実に嘆かわしい。 その点、この店は客の注文を聞いてから鰻を料理する今時稀有な(徳島では)店である。 サクサクとした食感と、こうばしい香りが本物の鰻に出会った喜びを十二分に感じさせて くれるだろう。勿論、注文してから出てくるまでに時間はかかる。しかし心配するには 及ばない。白磁の盃で燗酒でも楽しんでいればすぐである。

「滝の焼き餅 多田屋」 徳島市寺町

 徳島市内の中心にそびえる眉山の麓にひっそりとたたずむ店。 徳島在住の方には今更説明するまでもないが、徳島の郷土菓子である「滝の焼き餅」とは 米粉を練ったものに漉し餡を詰め、薄くのばして焙烙でこんがり焼いたシンプルな和菓子だが、 これの焼きたてが湧き水で淹れた阿波番茶と共にいただける。
最近はいろんなところで焼き餅が食べられるようになったが、やはり焼き餅は寺町でお茶と 共に食べたいものだ。

「ごま屋」 徳島市秋田町

 お好み焼きと創作料理の店なのだが、何が飛び出てくるか全くわからない店。 子供がどろんこ遊びをするように自由奔放でありながら、出てくる物は全て美味しい。 この店で食事を楽しむともっと自由に生きていいんだと元気づけられる気がします。
 心洗われる希有の名店。

「赤いのれん」 徳島県小松島市

 地魚や地の野菜を串天麩羅で食べさせてくれる創業50年以上の老舗。値段も一品 150円〜300円程度とリーズナブルだ。ここでは高級食材より、頭と尻尾を残して皮を剥いた 小エビやツベタ貝の肝など徳島庶民の味を楽しみたい。カウンターのみの小さな店ながら、 今、失われつつある徳島の昔ながらの味が味わえる。

「オゥ・ポワブル」 徳島県板野郡北島町

 ケーキは美味しく、かつ美しくなくてはいけないという制約があるのだが、 これらをクリアーするにはセンスが良くなくては話にならない。この店はセンスの良さ が随所に感じられる。神戸、フランス、アメリカでの経験を徳島で見事に開花させている。
 今のところ徳島のケーキ店ではイチオシ。

「おおさかや」 徳島市八万町大坪

 幸せな飲酒ライフを過ごすためには信頼できる酒屋さんと親しくなることが一番の近道だ。 日本酒、焼酎、ワインの品揃えは決して多くないが、ひとつひとつ吟味され、丁寧に売られている。 私が特にお世話になっているのは日本酒だが、好みの違いこそあれ、薦められる酒に間違いはない。 何が本物かという議論もあるかと思うが、あえて本物に出会える店と言っておきます。
 人生のよき伴侶としてじっくり腰を据えてつきあっていきたい店。

「那賀酒造」 徳島県那賀郡鷲敷町

 徳島に、いや日本にもまだこんな酒蔵が残っていたのかと正直驚いた。四国山脈の入口、 鷲敷町でごく少量だけを醸す酒蔵。ここには吟醸も本醸造もない。日本酒本来の姿に立ち返った 造りが生み出す米の酒のみが醸されている。

「村 公一」 徳島県鳴門市

 鳴門海峡大磯崎で夏は鱸、春は若布を専門とする漁師。世間の常識を覆す技術と飽くなき 情熱で驚きの食材を生み出す。しかも誰もが引き込まれるキャラクターをも併せ持つ。 ひょっとすると彼こそ低迷する漁業界の救世主となるのかもしれない。
 ある時、彼のことを語る母親の口からぽろっと「あの方は・・・」という言葉が漏れた。
 イエスキリストを産んだ聖母マリアもこんな風に自分の子供のことを語ったのだろうか? そんなことまで考えさせるとびきりの快男児だ。