9月28日(土)  


 よいよ、旅行最終日。今日の午後7時過ぎには羽田空港発、新千歳空港行きの飛行機に乗らなければなりません。帰途につく日の朝はいつも憂鬱です。しかし、日常の生活があってこそ、旅行のような非日常の楽しみも生まれる。旅行の最終日には、そう考えることで自分を落ち着かせている自分がいつもいます。

 帰りの飛行機までまだ多少時間があるので、鎌倉市内ではないのですが鎌倉幕府に大変ゆかりのある地を訪ねることにしました。その地を金沢文庫といいます。北条時宗が八代執権として、幕政を指導していたときの幕府の重鎮に北条実時という人物がいました。この人物は第二代執権北条義時の孫にあたり、武蔵国六浦荘金沢郷に居を構えたので、金沢実時ともいい、実時以降のこの系統を金沢北条氏ともいいます。実時は中国書などの膨大な書物や美術工芸品などの蒐集家としても知られ、所領の金沢郷にある称名寺内に私設の文書庫を設けました。これが金沢文庫の始まりです。幕府の滅亡とともに膨大な所蔵品は各地に散逸してしまいましたが、現在は神奈川県立金沢文庫として博物館的存在となっています。
 金沢文庫がある称名寺は金沢実時が妻の七回忌にあたり自分の邸内に持仏堂を建立したのがそもそもの始まりだといわれており、子の顕時、孫の貞顕によって整備拡張されました。その庭園は浄土(=あの世のことですなぁ)を具現化したものであったといわれ、往時にはさぞ絢爛豪華だったに違いありません。

 
        称名寺仁王門
 

***    ***    ***    ***

 上で鎌倉探索の旅は終わりです。この後、横浜中華街に行き食事をして帰途の旅路につきました。


***    ***    ***    ***


 七〇〇年前の武士たちの息吹を今でも感じることが出来る街、鎌倉。遠い昔に想いを馳せながら歩いたこの五日間。人の思惑とは無関係に何百年もの間、そこに存在し続け、そこに横たわる歴史的建造物の数々。そして、連綿と続く人間たちの営み。その中で生きている僕。人間の存在って一体なんだろう・・・