鉄道運賃の推移

Upload 09.09.24

 1930年「燕」誕生から1964年新幹線開業までの東京〜大阪間の特急料金を表1に示す.「燕」が誕生した1930年頃の料金は,2等運賃・料金は3等の2倍,1等運賃・料金は3等の3倍であった.
 戦後「つばめ」が復活した昭和20年代(1950年前後)はインフレが激しく,1946年(昭和21年)に発行された聖徳太子札は100円札であったが,1950年(昭和25年)には1000円札になり,1958年(昭和33年)には10000円札になっている.


表1 東京〜大阪間の料金の推移
1930
「燕」誕生
1950
「つばめ」復活
1956
東海道本線電化
1958
「こだま」誕生
1964年
在来線 新幹線
1等 2等 3等 1等 2等 3等 1等 2等 3等 1等 2等 3等 1等 2等 1等 2等
運賃 18.18 12.12 6.06 2480 1240 620 4160 2080 870 4560 2280 990 2170 1180 2170 1180
料金 6.00 4.00 2.00 1200 600 400 2160 1440 600 2880 1920 800 1760 800 2860 1300
合計 24.18 16.12 8.06 3680 2040 1020 6320 3520 1470 7440 4200 1790 3930 1980 5030 2480


 1964年(昭和39年)は,東海道新幹線が開業,山陽本線が全線電化,東京オリンピックが開催された年であり,日本中が明るい話題に沸き立った.しかしその陰で,国鉄はこの年初めて単年度赤字に転じた.以来,国鉄運賃は上がり続け,ついには1987年(昭和62年),解体,民営化を迎えることになる.以下,表2にその軌跡を追ってみた.
 貨幣価値を換算する資料として,消費者物価の推移を表2に併せて示す.1950年を1とした消費者物価は,米価ベースで5.65倍(生産者米価は1983年(昭和59年)の3111円/10kgをピークに減少している.),初乗運賃ベースで26倍.,航空運賃ベースで3.75倍,給与ベースでは60倍である.

 1961年(昭和36年)6月 1957年(昭和32年)以来4年ぶりの運賃・料金改訂.旅客運賃の上げ幅は14.62%.この値上げは,この年から始まった国鉄近代化の第二期五カ年計画の財源を確保するためであった.

 1964年(昭和39年)10月  東海道新幹線開業,山陽本線の全線電化完成.

 1966年(昭和41年) 5年ぶりの運賃・料金改訂.旅客運賃の上げ幅は31.2%,初乗りは10円から20円に.

 1969年(昭和44年) 3年ぶりの運賃・料金改訂.列車の等級制が廃止され,旧二等が普通車,旧一等がグリーン車となり,グリーン車に対してグリーン料金が摘要されるようになった.寝台は旧一等がA寝台,旧二等がB寝台となった.

 1974年(昭和49年) 5年ぶりの運賃・料金改訂.

 1976年(昭和51年) 2年ぶりの運賃・料金改訂.既にこの頃,国鉄の財政は逼迫しており,その立て直しのための値上げだったが,導入が遅れたこともあり,赤字を解消するにはほど遠い状態であった.旅客運賃の上げ幅は23.2%,初乗りは30円から60円に.

 1978年(昭和53年) 2年ぶりの運賃・料金改訂.初乗りが60円から80円に.国鉄の財政は正に危機的状況にあり,この改訂はその状況を如実に表した改訂であった.週休二日制の普及,マイカーの浸透,航空機の台頭もあり,鉄道を取り巻く状況は厳しさを増した.運賃の大幅な値上げは,一層の乗客離れを招くリスクも伴った.

 1979年(昭和54年) 前年に続いて運賃改訂.旅客運賃の上げ幅は8.9%,初乗りが80円から100円に.

 1980年(昭和55年) 前年に続いて3年連続の運賃・料金改訂.旅客運賃の上げ幅は4.59%.国鉄の財政が抜き差しならない状態であることを象徴する改訂であった.1976年以降の度重なる運賃・料金の値上げが響き,国民の国鉄離れが進む.

 1981年(昭和56年) 前年に続いて4年連続の運賃・料金改訂.旅客運賃の上げ幅は9.5%,初乗りが100円から110円に.国鉄の財政が悪化の一途を辿るにつれて,世論も次第に厳しくなり,国鉄の分割・民営化も議論されるようになり,国鉄を取り巻く環境は予断を許さない状況となった.

 1982年(昭和57年) 5年連続の運賃・料金改訂.初乗りが110円から120円に.もはや運賃の値上げは毎年の恒例行事のように頻繁になった.それだけ国鉄の経営は苦境に立たされていた.

 1984年(昭和58年) 2年ぶりに運賃・料金改訂.運賃は,この改訂から,幹線と地方交通線の二つに分けて設定された.幹線の初乗りは120円から130円に.

 1985年(昭和60年)7月 前年に続いて運賃・料金改訂,幹線の初乗りが130円から140円に.

 1986年(昭和61年)7月 前年に続いて3年連続の運賃・料金改訂.

 1987年(昭和62年)3月31日 日本国有鉄道は38年の歴史に終止符を打ち,民営化.


表2 東京〜大阪間の特急1等料金の推移
1930 1950 1961 1964 1966 1969 1974 1980 2009
運 賃 18円18銭 2480 2170 2170 3180 2230 2810 5700 8510
特急料金 6円 1200 1760 2860 3520 1900 2200 4200 5540
グリーン料金 2000 2000 4000 5150
合 計 24円18銭 3680 3930 5030 6700 6130 7010 13900 19100
航空機 30円 6300 6000 6800 6800 9800 14100 22500
白米(10kg) 1円66銭 445 850 975 1230 1520 2100 3235 2517
山手線初乗 5銭 5 10 10 10 30 30 100 130
教員の初任給 45円 3991 11400 16300 20300 27100 69888 102336 239500
航空運賃は,通常運賃を示す.