大腿骨頭切除術 大体骨頭を取り除くことにより、痛みの原因となっている関節が動く事によって起こる摩擦を防ぐ事を目的としている。 1歳を経過した犬に向く。 3点骨盤骨切除術 7〜12ヶ月齢の成長期の犬に適応。骨盤の3箇所を切り、寛骨臼を腹側方に回転させ股関節の 亜脱臼を防ぐ角度に固定する方法。成長期の早い時期に診断され骨関節症を併発していなく 股関節の合致性が損なわれていなければこの手術が可能である。 股関節全置換手術 関節をインプラントにする方法。症状が進んでしまい、重度の股異形成で保存療法に反応がない場合。 その他、恥骨筋切除 上記手術に伴い、恥骨筋を切除する。 これらの手術の違いの説明を受け、股関節の模型・今までの症例・レントゲン写真などを交え、 とても詳しく説明して下さいました。 ウチの場合は9ヶ月で骨がまだ固まっていないという事・受け皿の骨が磨り減っていない事を考慮して 3点骨盤骨切除術に決めました。 ただこの手術は「賭け」のようなもので、術後上手く骨同士が納まれば問題なくいけるだろうし、 もしも骨同士が当たったりして痛みが出た場合は再手術で大腿骨頭を切除しなければならないと言われました。 しかし、獣医師のおっしゃるには「若いのでなるべく自分の骨を生かしてあげたいし、ガッチリとした体格なので 今後の体重負担などを考えても3点骨盤骨切除の方法をとりたい。おそらく上手くいくだろう。」と言う事でした。 1ヶ月の入院はイヌも飼い主も辛いものです。 正直、1ヶ月もしくは2ヶ月も離れて暮らすなんて嫌だし、手術自体難しそうでもある・・・・・。費用だって大変な事・・。 でもやるのなら迷っている時間はない・・・。 「骨を切って落とすのは最終的な究極の選択でいつでも出来る。」 この獣医師の言葉に決心を固め、3点骨盤骨切除術でお任せする事になったのです。 手術するのは幸い、左足のみでした。 初診では「両足」だったのですが、Penn HIP検査をした結果で左足を治して負担を軽くすれば 右足は問題なく使える事が解り、左足の3点骨盤骨切除術と、恥骨筋切除を行う事になりました。 発覚してから手術を決めるまで、文章に書くと淡々としていますが、手術についてはかなり悩みました。 避妊手術をしてからたった2ヶ月後の事ですから、なるべくメスなんて入れたくありません。 かと言って、私達にはぐずぐず手術を迷っている時間はありません。骨盤骨切除術を行うのなら少しでも早い方が良いのです。 成長の早い大型犬ですから、1,2週間迷っている間に骨はどんどん成長していくからです。 この時点で10ヶ月に入る前ですから、ギリギリのところです。 2日程で手術を決めて、それから1週間後に手術という日程になりました。 手術までの生活は至って普通です。 食事も散歩もいつも通りです。特別な事は何もしません。風邪をひいて体調を崩すといけないので シャンプーは禁止ですが、入院で預けるその日の朝までいつもと変わりない生活を送りました。 今思う幼い頃からの兆候 冒頭で「目に見えての変化は7ヶ月頃」と書いたのですが、そもそも「びっこ」をひいた事で 「やっぱりおかしい」と再認識したようなもので、生後幼い頃からそれらしき兆候があったように思われます。 しかし、「子犬を育てる」事の慌しさに紛れて判断が出来なかった事と、 獣医さんに診せているのだから大丈夫。という安心感があり、良くても悪くても もう少し早くに専門医に診せてPenn HIPを受けさせていれば・・と悔やむところもあります。(Penn HIPは4ヶ月頃から可能です) 2ヶ月〜3ヶ月頃 「お座り」が崩れている。「フセ」も崩れている。走り始めはウサギ跳びのようにピョコピョコ走る。 足・お尻の辺りを触ると嫌がる・噛む。 4ヶ月〜5ヶ月頃 お尻の形が左右対称でない。脱臼していた方のお尻が飛び出している。上半身に比べ、 下半身はあまり成長せずひ弱でヒョロヒョロしている。 6ヶ月〜7ヶ月頃 散歩から帰るとすぐにヘタる。15分程の散歩が限界。起床時など、起き上がる時にすぐに立てない、立ってもヒョロヒョロする。 7ヶ月〜8ヶ月頃 びっこをひき始める。お座り・フセをしている頻度が高い。お座りをしていても壁や人間に体重をかけてもたれている。 寝ている事が多い。朝は起こして、やっと起きる始末。起きる時には上半身を起こしても下半身が上がらずに人の介助が必要。 続きは「股関節形成不全のハナシ3」でね・・♪ |