最初に目に見えて大きな変化に気付いたのは7ヶ月の頃でした。
ある日、散歩から帰り部屋へ入れたところ、
左後ろ足を浮かす様にしている事に
気付きました。
そして30分程の間にみるみる
「びっこ」をひく様になり、慌てて,
掛かり付けの病院へ連れて行きました。
その時の診断は
「関節炎」でした。

消炎剤とサプリメントを処方してもらい、散歩は禁止で
1週間に一度の診察で様子を見ましょう・・・と言う事でした。

4,5日で「びっこ」は治まったのですが、「どこかおかしい」という
思いも消えないままに毎週通院していました。


2,3週通院した頃でしょうか、ずっとアタマの片隅にあった「股関節形成不全」
気になり出しました。お尻(股関節部)の辺りが左右対称でなく、
左側だけ「ポコッ」と飛び出しているのも以前から気になっていたので、
獣医師にレントゲン検査を申し出ました。


「股関節形成不全はそうめったとあるものではないし、レントゲンは
全身麻酔でないと撮れません。お尻の出っ張りは「筋肉」なので心配いりません。」

と言う答えが返ってきました。


お医者様がそう言うのだから・・・と、それ以上の事をするでもなく、
またサプリメントの効果でしばらくは良好だったので、
避妊手術後からお休みしていた「しつけ教室」に再び通う事にしました。
教室の日、先生には関節炎の経過などをお話していたのですが、
の日はいつになくすぐに床にドターッと
ヘタる回数が多く、
先生も
「歩き方、ヘタり方を見てもおかしい。気になるので
知り合いの獣医師にレントゲンを撮って検査してもらいましょう。」

とおっしゃってくれました。

麻酔無しでレントゲンを撮って頂ける事を確認し、
しつけの先生に同行してもらっての来院です。
簡単なレントゲンだったのですが、その写真を見る限り
素人の私でも「重症なのでは?」と思わせるものでした。
その左足はすでに
股関節脱臼していたのです。

今まで、痛みで鳴いた事もなく、ヤンチャで平気で飛び付いたり、
ジャンプしたりしていたのですが、まさかこんな事に
なっているとは思いもよらずショックで言葉も出ませんでした。
私はあまりのショックに泣き出してしまったのですが、
しつけの先生には
「お母さんが、泣いてどうするの!
これからが大変なのだからしっかりしないと!」
と一喝されました。
本当にそうなのです。泣いているヒマなんかありません。
これからのことを冷静に、前向きに考えなくてはならないのです。

そう言ったものの、しつけの先生も、獣医師も
「ここまで悪いとは・・・」と後に続く言葉もありません。
しかし、このままでは歩行も困難になるし、今でも
相当痛みを持っているだろう。と言う事で手術を勧められました。
手術と言っても、その病院では股関節の手術は行っておらず、
手術の前に全身麻酔でのレントゲン検査も必要なので
別の病院を紹介する。と言う事になったのです。

「別の病院」と言っても股関節形成不全の検査・治療・手術を
行える医師はまだまだ少なく、大学病院クラスで
治療をしたいのならかなり遠方になり、治療費も高額になるというお話でした。
幸いにも私の住んでいるすぐ側に「股関節形成不全」の治療に
力を入れておられる先生がおり、よく知っているので
そちらの病院を紹介して頂く事になりました。

すぐに紹介された病院へ移り、初診へ連れて行きました。
まず、軽く触診しての判断は、
「両足悪いねぇ・・。すごく悪いよ。このまま放っておくと致命的だし、
何らかのカタチを取った方がいいよ。
このままだと1歳前には完全に歩けなくなる。」
とおっしゃいました。

手術を決めるまでに、全身麻酔をかけて
[Penn HIP」という検査をします。
骨の角度など、股関節の状態を詳しく調べるのです。
麻酔をかけ、背臥位で後肢をイヌが立っている時と同じくらいの
角度に保持し、股関節を脱臼させる力を加えながら
レントゲンを撮影するテクニックです。

これは後に手術するべきか、又はどういった手術が可能なのかを
決める軸になる検査ですが実際のところPenn HIP検査資格を
持っている獣医師はあまりいないそうです。

ウチの場合は手術をした方が良く(痛み止めを使って治療をしても、
痛みを取り除くだけで根本からは治っておらず、
骨自体をすり減らしたり、さらに痛めたりするのうです。)
これは獣医師によって考え方が違うそうでこちらの獣医師の考え方です。
私達が選択出来る手術は3通りでした。

続きは「股関節形成不全のハナシ2」へどうぞ♪





股関節形成不全のハナシ1