File No.029 セクハラに耐えてたら恐ろしい事になった

279 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 01:46:50.51
「そんなら今度合コンしようぜ!!」
割って入ってきた営業さんありがとう。
是非お願いします。
「合コンですかwwwあんまり経験無いんで盛り上げできるか不安ですwww」
「なに言ってんだ、お前幹事やれよwww」
「またすかwwwww」

次第に明るい方向へ話が進んでいく。
が、会計が終わった後、
「よし、ジムのサウナ(シャワー)行こうぜ!」
裸の付き合いだーwwwwwな雰囲気。

ブラック会社のため、法人契約しているジムのサウナは使い放題。

「……いこ?」
北村が小首を傾げて、俺の袖のところをちょっと摘んだ。
年上の37歳ぐらいの普段強気なお姉さんとかがやってくれたらすごくいい。
けど北村だ。
288 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 01:51:23.13
咄嗟に体弱いアピール。
「すみません、俺ちょっと飲みすぎたんでサウナしたら多分倒れますwwww」
「なんだお前虚弱か?虚弱体質か?」
「フヒヒヒwwwwすみません!!」
サウナ回避。モヤシというあだ名をつけられるが背に腹は変えられない。
が、
「俺も、酔っちゃったみたいだから会社帰るね」

北村も着いてくる。
……ですよねー
315 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 01:57:10.31
そこまでは予測済みだ!いつまでもやられっぱなしではない。

「タクシー乗りましょう、大分酔ってるんで」
俺はそうでもないが、北村は結構やばそうだった。
決して二人きりにはならない。友人に言われた通り俺は第三者を挟む事にした。
そして友人にこっそりワンコ。タクシー乗り場までの道すがらを警戒しての事。
ほどなくして友人から着信。
『もしもーし』
「あ、すみません電話出ます。……もしもーし、俺だけど何ー?」
友人からかかってきた風を装う。北村は俺の隣を黙って歩いている。
タクシー乗り場までをとにかく繋ぐ。
『北村?』
友人とはもう話を詰めてある。
「うん、そう」
『よし』
友人と会話して北村と話をしないまま、タクシー乗り場へと向かう。
怖い怖い。
328 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 02:01:20.69
「あ、ごめんこれからタクシー乗るんだ」
『よし、悪い奴に気をつけろよ』
ちょっと挟んだマザー2ネタに心が温かくなった。
友人は俺のことをすごく心配してくれているし、早く俺が大丈夫にならないとな。

ようやく乗ったタクシーは何でかすごく寒くて、
俺はそのままだったけど北村は膝に上着かけてた。
道は大分込んでたけど、後五分ぐらいで会社へつくというぐらいの所で、
=夜食事中の方ご注意くださいここから=

北村、タクシー内で失禁
車内へ漂うアンモニア臭

=夜食事中の方ご注意くださいここまで=
362 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 02:06:02.99
=夜食ry=
いきなり隣の北村が、
「んっふあっ……」
みたいな鼻濁音を上げて震えたので、何事かと思えば。
だんだん広がるアンモニア臭に俺は北村が失禁した事を悟る。
「すみません!お、おしっこもらしちゃって!」
北村が運転手さんに詫びた。運転手さんは怒るというより困っていた。
そこでレーシックとかの広告あるだろ?あれを俺が束ごと引き抜いて、
「とにかく座席に広げるといけないんで、尻の下へひいてください。運転手さんすみません、
雑誌とか新聞ありますか」
腰を浮かさせて、広告を突っ込んだ。
そして運転手の新聞も貰って北村の尻の下へ。

俺の手は北村の尿で汚れた。
389 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 02:09:37.00
=夜食ry=
タクシーの運転手さんはいい人で、ちゃんと会社の前まで運んでくれた。
北村は財布から運賃のほかに一万円札を二枚出して運転手へ渡す。
俺は一刻も早く手を洗いたい。俺は従業員用裏口へ急いで回った。
後ろから北村。裏口は常夜灯一つだから凄く怖い。
北村が歩くとジュボッズボッて濡れたスニーカーみたいな音がする。
エレベータの中で気づいた。
異臭。
アンモニア臭じゃない。

俺の間違いでなかったら、脱糞している。
419 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 02:14:16.38
=夜ry=
エレベータは密室だ。
しかも圏外の。
「ごめんね1君…臭い…よね?」
「…いえ…」
鼻はふさげないが、息を吸わないようにしている。
「どうしよう、エレベータの中も汚くした…し…」
北村の声が小さくなった。
見ないようにしていたが、おそらくは下痢うんry
つまりは床がry
俺はひたすら息を止めてry

そういえば誰かちゃんと会社に残ってくれてる…よな?
社の方針として、誰かが残っているように指導されてるよな?
俺はもう頭が一杯だった。
深夜のオフィスは真っ暗だった。
450 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 02:18:47.32
俺、即電話。友人に迎えに来てもらおうと思う。
このパターンはヤバイ。
友人の折り返しが来ない。
どんなヘタな芝居でもいいからこの場から逃げないと。
友人からの折り返しが来ない。
俺はやきもきしながら、うなだれる北村に、
「着替え…持ってます?」
と尋ねた。
「…持ってない」
『とにかくそれ脱がないと』
と普通なら言うんだろうが、それは死亡フラグ。
俺はスーツのポケットへ入れている防犯ブザーの使いどころまで考えていた。
友人から電話がかかってこない。
俺はじわじわ死にたくなっていた。
479 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 02:23:32.75
「早くしないと皆戻ってきますよね…」
「どうしよう…」
そう、サウナに行った奴らも戻ってくる。
北村にしてみれば、早くしないと恥ずかしい姿を見られるし、
俺にしてみれば、一刻も早く北村と二人っきりの姿を避けたい。
「俺、下着は持ってるんで………」
やっとの事で俺は北村に、新品の下着と、寝巻きにおいておいたジャージを進呈する決心をした。
自分で言うのもなんだけど、そのジャージ寝巻きだから三日ぐらい洗ってないんだよね。
「ごめんね、1君」
北村はほっとしたように嬉しそうにトイレへ入っていった。
俺はあのジャージを捨てる事を既に決めている。
そして俺は北村の尿で汚れた手で、顔やら頭やら携帯やらを触ってしまった。
494 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 02:28:23.70
会社の電話が鳴ったので取る。
「あと十分ぐらいで帰る。松坂は?」
「松坂いるんすか!!」
「お前がとったっつーことは寝てんな。起こせ起こせ」

深夜番は必ず二人から三人を置くようにしている。
もともと今日飲み会があるからと、サウナ組と俺と北村はそのつもりだった。
ただその間会社が空になるからと、松坂はちゃんと残っていたらしい。
えらい。
えらい。
松坂お前はほんとに偉い。
つーか女子を泊まらせるのもどうかと思うがそこはそれ。

「松坂ーーーー!!」
仮眠室に飛び込んで松坂を起こす。
松坂は松坂そっくりだからよかったが、キャミソール一枚で寝るのはどうかと思う。
508 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 02:30:54.79
松坂を叩き起こす。
顔がむくんでパンッパンの松坂は、
「くせっ」
と一言言った。
「俺じゃない。北村さん」
「あーう」
パンッパンの松坂はしばらく眠たそうだったが、
「北村さんなにしてるんですか」
ようやく当面の問題を思い出させてくれた。
「…俺のジャージと下着貸した」
「あーうー」

あーうーしたいのは俺だよ。
だがとにかく第三者がいるのは心強いなぁ!!
531 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 02:35:26.83
とりあえず松坂には北村が具合が悪くて脱糞失禁したと伝える。
そこで今トイレで洗っているのだと言う。
「エレベータの床とか綺麗にしないと、サウナ行った人帰って来るよな」
「ほっときゃいいっすよ。北村先輩が漏らしたんだし」
松坂は冷静。
「シャワーもないのに綺麗に出来るとは思えないんで、たぶんトイレの床も汚いっすよ」
「だよな…」
「じゃあ自分が見に行ってきます」
「松坂ありがとう」
「どうせ自分が泊り番なんで」
しかし動かない松坂。
「どうした松坂」
「サーセン、下パンツしかはいてないんで着替えたいんで出てってください」

サーセンwwwwwwwお色気wwwww
松坂ありがとう!!今年は任せた!!!
554 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 02:39:54.64
一分後松坂が戻ってくる
「北村さんエレベータの床雑巾で拭いてました」
「あ…そう…」
「トイレの床と、エレベータホールも汚れてるんで、自分手伝ってきます」
サウナ組はもうすぐ帰ってくる。
「そうなると…俺も…」
「今後皆から薄情だと思われたくないならおんしゃーす」
「ですよねー…」
俺はまたも北村の排泄物に触れるのか…
「……1さん、すげぇ臭い充満してるんで、窓開けおんしゃーす」
松坂…!!!!
低血圧なのにお前ほんとありがとう。
「ゴム手ありますから」
それなら俺は北村と顔をあわせずに済む。
こうして俺たち三人は糞塗れなオフィスを隠蔽した。
597 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 02:46:02.26
後日北村からグッチのキーケースを貰う。
松阪はプッチのキーケース。
松阪はくんかくんかした上で、
「……よし」
と受け取っていた。
俺もくんかくんか。

甘酸っぱい匂い…!!これは…柑橘系…!!!

とにかく得体が知れないので、松阪に渡す。松阪はしばらく考えた後で、
「フヒヒヒwwwwドンキwwwwホーテwwwww」
と言っていた。

病院の日が来た。よく考えれば北村は車通勤が許されている。
やっぱり何か特別なんだろう。
「1君お待たせ、具合はどう?」
「北村さんこそ、腹の具合はどうですか」
俺も牙を剥く。
「ンッ……フ…」

北村のが一枚上。
634 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 02:52:44.37
「悪いんですけど、俺タクシーで行きます」
「どうして…俺上手いよ」
「正直に言うと、人の運転苦手なんです。バスとかタクシーならいいんですけど」
これは本当、
ただもっと正しく言うなら、
北村の運転が苦手なんだ。

「だめだよ」
( ゚д゚)
「行こう」

聞いてねぇ。
しかし、仕事も山積み、松阪一人に任せて置けないのでしかたなく車へ。
いい車だったと思う。あんまわかんないけど真っ黒ででかい車。
後部座席へ。毛布があった。
「寒かったら膝かけて」
俺は寝た振りをすることにした。運転中なら手出しできないだろうし、話しかけられない。
「あ、すみませんちょっと眠くて…毛布なんかかけたら寝そうです」
「フ…フ…」

起きても地獄、眠っても地獄。
だがとにかく意識を研ぎ澄ましたまま眠ったふり。
681 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 02:58:30.69
美容師さんに話し掛けられたくないがために寝たふり、とまあ同じ。
十回ぐらい途中で薄目を開けて位置を確認。一度ミラー越しに北村と目が合う。
前見ろ。
つつがなく病院について、軽い問診。
今回は俺一人で受診した。
待合室に行くと北村が待っていて、
「お疲れ」
とミルミルをくれた。ストロー開封済み。
俺はしばらく迷った末、目を盗んで捨てた。

車庫入れ。
「俺バックで入れるの得意。1君入れるの得意?」
こっちみんな。こっちみんな。
「免許ないです」
「ンンフ」
もう無理。
もう無理。
696 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 03:00:14.41





=そして決戦へ=
736 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 03:05:57.81
まあ色色とあったわけだ。

「1君夜これから時間取れる?」
北村からの誘い。
「すみません取れません」
「どうしても?話したい事があるんだけど」
「すみません」
「今後について」
…………
そうか、そうか、
とうとう時が満ちたか…
もはや後戻りはできぬ、見て見ぬふりはできぬとな…
ならば我も怯むまい、敵に背中は見せまいぞ…

「松阪」
「フヒヒヒwwww」
「召集」
「しゃっす」
友人にコール。
「三十分で来い」
『わかった』
三対一なら、勝負になる…!!
769 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 03:10:24.45
そして決戦は近所の24時間営業デニーズへ。
客足はまばら。というか俺たちともう二組ぐらいしかいない状態。
北村は少し遅れるという。
友人が来るまで俺は松阪と座る。
「食べとくぞ」
「あざーす。ミートドリアとラザニアください」
食うんだな…、松阪。
俺はざるうどん。

友人合流。
「こんにちは、友人です」
「はじゃーっせ、松阪です」

友人はデミグラスオムライス。
北村を待つ。
「あ、悪いレコーダ忘れた」
俺は友人の頭をメニューの角でカンッてやった。
796 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 03:13:46.80
敵もさるものよなあ、我が方は戦力を三名に増員してきたに対し、
そちらも駒を揃えて来るとは…

「叔母です」
「一輝の叔母でございます」
北村そっくりの、50代に見える女性。
正直…タイプだ…!!!
白髪まじりの髪の毛はちゃんと深夜でもセットされてて、化粧もばっちり。
「1さん、このたびはご迷惑をおかけして…申し訳ありません」

きゅん。
844 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 03:19:00.97
俺が北村(女)に多少ふらふらしていたが、持ち直す。
二人の前だからみっともない事はできない。
「まず、私に謝る理由は何ですか?理由によっては、謝るのは貴方ではないでしょう」
北村(女)は辛そうにしている。
……きゅん。
「貴方に一輝が酷い事をしたと聞いて…親族として申し訳なく…」
「なのに叔母さんがいらしたんですか」
「母は離婚してるからね」
北村…この点に関しては申し訳ないと思う。
「……一輝がどうしても貴方が好きだというものですから…」
「ですから?」

だからと言って甥の言いなりになって話しに来たか?ええ?
俺の…邪竜が…!!
863 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 03:22:33.11
「いや、確かに俺はゲイですけどね」
かく言う私も三浪でねのコピペ思い出した。
いきなり友人が言い出した。
「俺がゲイで、そんでこいつもゲイだと思ったから付回したとか、そういう事ですか?」
「もう一輝はそんなの関係ないと言ってるんです」
よしおwwwwww
隣で松阪がグブッって笑いを我慢した。
お前。お前。

「じゃあ北村さん、貴方は俺とどうしたいんですか」
もう思い切って聞いてみた。
「うん、1君とセックスとかしたい。1君に抱かれたい」

「まさかの!!!?」
俺は一人で大声を上げた。
901 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 03:25:35.04
ここで臨界点。
「無理です。俺はゲイではありません」
北村叔母は辛そうだ。
女の人が眉ギュッてやってるのって、いいよね!
「ゲイになっていただく事は?」
何を言ってるんだお前は。
「無理です。それに誤解があるようですが、ゲイが嫌いじゃないんです」
友人はゲイになる前から友人だ。
「ゲイだから友人じゃなくて、友人がゲイなんです。そして私が嫌いなのは、ゲイではなく北村さんです」

ハッキリ言った。
松阪がドリア完食。ラザニアへ取り掛かる。
953 :◆2iJVH9m73k :2009/02/14(土) 03:29:11.61
北村はぽかんとしていた。首を傾げて、
「俺は好きだけど…弱ったな」
と言った。
「仕事を教えてもらって、普通にご飯を食べに行くの楽しかったです。でも、
人の箸嘗め回したり、
俺の椅子でぬいたり、
俺の膝掴んだり、
(省略)
とにかく俺は北村さんが大嫌いです。生理的に無理です。大嫌いです!!」
届け俺のエコーズ。

「やり直そう」
ド畜生wwwwww
友人がドンッてテーブルを叩く。
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