File No.016 呪われる話

※警告※
無理して読むな
何が起きてもオレは知らんぞ


ライオンズ
ライオンズって族にいたカップルが仲間と峠走ってる時2ケツで事故って死んだ。
それからしばらくして、仲間の家で彼らの為に追悼会が開かれ
彼らの思い出話などをしていたが、夜も晩くなって
皆寝はじめ、一人残った男もそろそろ寝ようと思い
皆が寝ている部屋へ行くが、皆、物凄い形相で死んでいる。
恐怖で恐ろしくなり、腰を抜かしていると死んだはずのカップルが現われ
「おまえは誰だ」と問う。
訳が分からなくなっている男は
「ライオンズだ!!」というと、
「これからも、がんばってくれよ・・・」と言い残し、二人は去った。

そんなかんじの怖い話??(全然怖くもない)を、昔お昼のワイドショーが夏の怪談特集みたいなので取り上げたんだけど
その後数日かしてから、そのテレビ局にすごい電話が殺到したらしい。
「彼らが来ました!!!」
「どうしてくれるんだ!!」って皆口々に言うらしいの。
「雨の日、公園で特攻服着た血だらけのカップルがずぶ濡れでこっち見てた」とか
「一緒にこの番組見た祖父がこいつらが来たって言って原因不明の熱出してる」とか。
私は、中学の時担任がみんなの前でこの話を話したのを一緒に聞いてたんだけど、「出た!!」っていう子が結構いた。
私は何もなかったから、嘘だと思ってたんだけど
高校入って友達とドライブしてた時、車止めて怖い話になって
私がこの話をしたら、急にすぐ隣でガーン!!ガーン!!って、コンクリートにメット打ち付ける音がし始めて、超怖くなってみんなで逃げた。
マジ怖かった(`Д´)

ババサレ
夜一人で部屋にいるとき、窓の向こうに誰かがいると思ったことない?
ものすごく気配を感じる。
でも怖くてカーテンを開くとができない。
そのうち、コンコンと窓をノックする音が聞こえる。
ますます怖くて震えてしまう。
開けてはだめだ。
開けてはだめだ。
すると外から聞き覚えのある声が聞こえてくる。
「おい、開けろよ。俺だよ。」
ただの親友の声だった。
男はほっと胸をなでおろす。
しかし、何か変だ。
なぜこんな時間に尋ねてくるのだろう。それに玄関からではなくなぜ窓から来るのか。
怖くなってきたが親友の声は必要に呼びかけてくる。
男性は思い切ってカーテンを開いた。
そこには青白い顔だけの老婆がいた。
驚いてすぐにカーテンを閉め、布団にうずくまりながら必死に「帰ってくれ、帰ってくれ」と唱えていた。
しばらく窓をドンドンと叩いていたがそのうち何かは窓を越えてカーテンを揺らしはじめた。
恐怖に身を震えていると急にカーテンの向こうの気配が消えた。
・・・去っていったのか?
男はうずくまっていた布団から出ようとしたとき、布団の中からいっしょに老婆がでてきた。

深夜、自室にいるとき窓やドアの向こうに誰かがいるとふと思ったことはないだろうか。
自分以外にいるはずがないのに。
つきなみだがこの話を聞いたときだけその人のところに老婆がやってくるんだって。
くれぐれも怪談などでこの話を使うのはやめたほうがいい。
あなたの身も保証されかねない。
またこれを読んだだけでも効力があるらしく万が一にあなたの所にその老婆がやってくるかもしれない。
そのときは絶対カーテンや窓を開けないようにしてください。

小指を探している
俺の先輩から聞いた話なんだけれど,O山県で,ある日,死因のわからない死体が見つかった。
その事を記した新聞を見た俺の先輩は,被害者の顔写真を見て,血の気が引く思いだったらしい。
しかしさらに先輩を驚かせたのは,
不可思議なことに、被害者の死体は小指がなかったことらしい・・・。

先輩のSさんは,部活の合宿で,Sさんの先輩等と一緒に,お酒を飲んでいた。
飲み始めたのが遅いのと,体育会系の酒の強さで,気がつくと,深夜の2時頃になってい た。
さすがに何人かが寝始めたので,Sさんの先輩が,怪談話を話し始めた。
「この話を聞くのはいいけど,何があっても俺は,責任もたんからな!」。
そういわれる と,内心怖じ気ずいてしまうが,みんなも馬鹿にされるのがいやなのだろう, 黙って先輩の話を聞き始めた。

その内容は,先輩が,夢の中で川原にいると,見たことのないお婆さんが,しゃがみ込んで何かしている。
気になった先輩は,何をしてるのか,その老婆に尋ねたとこ ろどうやら捜し物をしているらしい。
ひとつ石をめくるのにも,苦労しているので, 気のいい先輩は,手伝おうと思い何を探してるのか聞くと,

小指を探している

という。
確かにその老婆の右手には,小指がない。
どうりで不便そうなわけだ。
先輩はさす がに気味が悪くて,逃げだそうとしたが変な使命感から結局手伝うことにした。
さらに変な感じがしたのは,どうもいまいちその老婆に探す気がなさそうなことだった。
何時間たったか分からないが(まあ,夢の中なのだが),先輩もあきらめかけた頃,川上から小指が流れてくるのを見つけた。
ほっとして気味悪いのも忘れて小指をつかみ,老婆に手渡すと,先輩に感謝の言葉をかけていたが,明らかにその顔は,残念そ うだった。
その証拠に,先輩が立ち去ろうとしたとき,ボソッと,後少しだったのに とつぶやいていたらしい。

この話を聞いた者は,その夜必ず同じ夢を見るらしく,以前先輩がこの話をしたと きは, 例外なくみんなその夢を見たそうで,そのときは,みんな小指をみつけられたらしい。
Sさんは,さすがに怖くて眠りたくないと思い,友人2人と夜を明かそうとしたが ,練習の疲れもあり,耐えられるはずもなくすぐに眠ってしまった。
Sさんは,半分 信じていなかったが,すぐに自分が川原にたっていることに気づいた。
夢の中のはず なのに変に現実感があり,その老婆は確かに何かを探していた。
逃げたかったが,小指を見つけられないと大変と思い,その老婆に尋ねると,やはり小指を探していると いう。
先輩の話では,老婆に探す気がなかったらしかった,しかしSさんの場合は違 った。
探す気がないどころか邪魔をしている風で,どう見ても焦っているように見えた。
川原ではとうとう見つからず,ファーストフードの店でハンバーガーを食べてい ると,ハンバーグの間から小指が出てきて目が覚めたという。

次の日,残りの2人に話しをきいたところ,確かに二人とも老婆が出てきたらしいが,2人とも小指を探せなかったらしく,夢から覚める前の,老婆の不気味な笑顔が 忘れられないといった。
その2人の顔は青ざめていた。
それから数年後,Sさんはその新聞記事をみつけたらしいのだが,もう1人の消息はわからないらしかった。
俺も,その話を聞いたが,未だ夢を見ていない。

だいたい1週間くらいの間に見るらしいのだが,自分で小指を見つけられるか不安だ。
今夜で1週間なのに・・・。

オカムロ
オカムロの姿は誰も知りません。
オカムロの姿を見たら死んでしまうから。
オカムロという名前を聞いた人の元にオカムロは行きます。
とくに聞いてから1週間ほどの間に来る可能性があり、その間にこなければ忘れた頃にやって来ます。

オカムロは突然に部屋の外に来てドアや窓をドンドンと叩き続けます。

その時にすぐに目を瞑り「オカムロ、オカムロ」とオカムロが消えるまで唱え続けなければなりません。
2,3分で消えてくれることもあるそうですが2、3時間かけても消えてくれないこともあるようです。
ただ消えるまで絶対に目を開けてはいけません。
一度、オカムロが尋ねて来た人は今後この話を聞いても大丈夫と言われています。
初耳の人は今後ドアや窓の音に注意してください。

まりなさんの左手
まりなさんはOLでした。
とてもきれいな女の人でした。
まりなさんの上司はまりなさんに欲望を抱いて彼女にせまりましたが、まりなさんは断りました。
それ以来、上司のまりなさんに対する嫌がらせが始まりました。
まりなさんだけに、一人では出来ないような量の仕事を押し付け、毎日遅くまで残業をさせたり、仕事が大変なせいでミスをしたまりなさんを別室に呼び出して恫喝したり、無能呼ばわりして退職するようにせまったりしました。
また、上司はまりなさんを悪評判を周囲にばらまいたためにまりなさんは周囲から孤立してしまいました。
あまりにも上司の嫌がらせが酷いため、まりなさんは会社を辞めるはめになりました。
しかし、それまであまりにも大変な量の仕事をさせられたり、罵倒されたりして精神的に痛めつけられていたまりなさんは、退職した後しばらくして、駅のホームから飛び込んで自殺してしまいました。
電車に轢かれた時の衝撃があまりに大きくてまりなさんの身体はばらばらになってしまいました。
まりなさんの身体はほとんど全部集められたのですが、左手だけがどうしても見つかりませんでした。

実はまりなさんの左手は今でもさまよっています。
まりなさんは生きていた時クラシックギターを弾くのが大変上手く、右手よりも左手の方が強かったのです。
だから強かった方のまりなさんの左手だけが、今でも憎い上司を求めてさまよっています。
この話を聞いたもののところにまりなさんの左手はゆきます。
この話を聞くと、あなたの夢の中にまりなさんの左手が現れます。
まりなさんの左手は5本の長い指を脚のようにうごめかせながら這い回るそうです。
それはちょうど真っ白な大きな蜘蛛のように見えるとか。
夢の中でまりなさんの左手はあなたの布団の中に這いずりこんできて、あなたの首を締めたり、ベッドの下から這い上がってきてあなたの足首をつかんだりします。
まりなさんの左手の夢をみてしまったら、あなたは死にます。
もしまりなさんの左手の夢を見たくなかったら、この話を3日以内に5人の人に話すか、メールで送るかしてください。
そうすれば、まりなさんの左手はいつか憎い上司のもとへゆけるのです。

こいとさん
「こいとさん」の話。
こいとさんはあなたの人生に2回現れます。
そう、もうわかってると思いますが、2回目に見たときはあなたの死ぬ時です。
肝要なのは一回目を見る時期をいかに遅らせるかです。
こいとさんは前触れなしに突然出ることは少ないです。
かならず兆候があるので見逃してはいけません。
いろんな説がありますが有力なものを挙げると

1.小銭入れから五円玉が無くなる。1円でも10円でもありません。五円です。

2.この2ヶ月以内にペットが死んだ

3.左薬指に針でついたような穴があき血がにじむ

特に3の場合はすぐそこまで「こいとさん」が来ています。
見ないですませるのはかなり難しいですが方法はあります。
できるだけ独りにならないでください。
トイレですらドアを閉めずにいてください。
できるなら会社など誰かが入っている時に一緒にすますのが良いです。
気づかないで独りになってしまったら危ないです。

で、「こいとさん」てどんな顔かですって?
すぐわかりますよ。
死後のあなたの顔ですから。たとえ今と似ても似つかぬ顔でも直感でわかります。
えっ。もう見てしまった?
じゃあたった一回の猶予を使い果たしたのですね。

ほら指に血がにじんでますよ・・・

降霊歌?
母の腹は住み慣れた 母の腹は住み慣れた
水滴たれる道しるべ 水滴たれる道しるべ
ウリの言葉は背比べ ウリの言葉は背比べ
百人去ってまた百人 百人去ってまた百人
ケラと読みケラと読み ミコのケラ取り読み返す
とお念仏にケラ渡し とお念仏にケラ渡し

山の神様
とある冴えないサラリーマンの私が立ち寄ったバー。
そのバーはなぜか呼び鈴を押してから入店するシステム。
ピンポーン。
「いらっしゃいませ。」
渋い声の中年のバーテンがドアを開けて会釈。
私の他に客は居なかった。
よく見てみるとそのバーテンは左手の手首から先が無かった。
しかしバーテンは二の腕でグラスを挟み器用に拭いている。
敢えて触れないのが常識だろう。しかし気になる。
どうしても気になったため、失礼を承知で聞いてみた。
「マスター、その手…どうしたの?」
「あぁ、これですか。ハハ…勘弁して下さい。」

私はその店に通い続けることになる。

私がなぜこの店に通い続けるのか、それはマスターの左手が気になるから。
週に一度足を運んでは他愛の無い話。
ゴルフの話、仕事の話、娘の話、時には女の話も。
店内が一切見えない外観からか、その店に他の客が居たことはなかった。

その店に足を運び始めてから3年の月日が経つ。
マスターは3年前に比べて多少痩せたが元気だ。
相変わらず器用にグラスを磨いている。
そろそろいいだろう。それが私の本音だった。
そして3年と1ヶ月目の夜。
私は再び同じ質問をしてみた。
返って来た答えは

「聞きたいですか?」

マスターから聞いた話はこうだった。
学生時代登山サークルに所属していた彼は、仲の良い友人達と某山へ登山に。
男2人に女2人。
カップル同士だったそうだ。
山の中腹に差し掛かったところで休憩を挟むことにした。
登山道最後の売店で飲み物を購入したところ、売店の老婆が言った。
「今日は山の神様の機嫌が悪い。てっぺんまでは行けんと思う。」
なんて不吉な事を言うんだと思いつつも特に気にも留めず、登山は続く。

1時間程上ったところで再度休憩。
男女に別れ、それぞれ用を足しに行く。
男はそこらの草場に。
しかし女はそうもいかず個室へ。

30分以上経っても女達は帰ってこなかった。
いくらなんでも遅すぎる。
いい加減心配になり、個室のドアをこじ開けた。
「!」
目も開けられないほどの突風が中から吹きつけると同時に激痛に襲われる。
何が起こっているのかわからない。
ようやく風が収まり、個室の中を覗く。
そこには人の姿は無く、赤黒い塊が黒い液体を流していた。
もう一つの個室にも全く同じ光景。
「まさか…」
その赤黒い塊こそ変わり果てた彼女達の姿だった。

その時彼は初めて気付いた。
自分の左手が無くなっている事に。

彼らは急いで下山し、先程の老婆の元へ。
左手は気を失いそうなほどの激痛。
腋の下を抑えて出血を食い止めながら懸命に走る。
ようやく辿りついた売店で一部始終を老婆に話す。
老婆はパニックになっている彼らを諭すように言った。

「あんた方のお連れさんはドアを開けちまったんだろう。気の毒に…
いいかい、もし今後ドアをノックされても絶対にドアを開けてはいけないよ。
もし開ければお前さんも同じ目に合う。
ドアというドアに呼び鈴を着け、呼び鈴を鳴らした者に対してだけドアを開けなさい。
いいね?聞いてるのかい?」

それ以来彼は呼び鈴が鳴らない限りドアを開けないのだそうだ。

そこまで話したところで、バーテンはふぅっと一息つき、そして言った。
「もう二十年も前の話です。
正直言って誰かに話したかった。
あなたになら話してもいいと思いまして。
もう、私は疲れました。」

話を聞いて驚いたと共に恐怖に震えた。
あれから二十年経った今でも彼の家ではドアのノックが止まらないのだという。
そしてもう疲れましたと言って店じまいを始めた。
別れ際、彼は何度も何度も私に頭を下げる。
「こんな話を聞かせてしまい、申し訳ありませんでした。
どうぞ忘れて下さい。」
それ以来、何度その店に足を運んでも店は休業中だった。
彼はドアを開けてしまったのだろうか。

今、これを執筆している私の書斎のドアはノックが止まらない。

さっちゃん
さっちゃんの歌って知ってますか?「さっちゃんはねさちこって言うんだ本当はね・・」この歌って本当はさっちゃんが死んでしまう歌なんですよ。
2番目の歌詞で、さっちゃんは小さいからバナナを半分しか食べられないってあるけど、さっちゃんは病気でバナナというか食べ物をたくさん食べれなかったって意味なんだそうです。
そして3番目の歌詞で「さっちゃんがね遠くへ行っちゃうって本当かな・・」 さっちゃんは引っ越ししたんじゃなくて死んだんです・・。
そして、この話しまだ続きがあるんです・・。
さっちゃんの歌の話し続きなんですけど、さっちゃんの歌の意味を知ってしまったら今夜さっちゃんが必ずあなたの所にやってきます・・・。
さっちゃんは足を取りにやってきます。
自分は病気で足がなかったから・・。
さっちゃんがこない方法があります枕元にバナナを置いてください。
朝起きたらバナナだけ消えてるはずです・・。

深夜の訪問
コンビニで買った稲川淳二の本に載っていた話です。ある夜、Aさんは何故か眠れなかったそうです。
そして眠れないまま3時頃になりました。
すると外で車の音が近づいてきます。
車はAさんの家の車庫に止まったようです。
「バタン」ドアが閉まる音
「パタパタパタ・・・・」走って玄関に近づく音
「ガチャン、トットットット・・・・」玄関を開け、階段を上がって来る音がします。
そして足音はAさんの部屋の前で止まったそうです。
Aさんは一瞬親だと思いましたが、やはり変だと思っているうちに寝てしまったそうです。
そして何日かして、同じ事が起こりました。
その時もAさんは寝てしまったのですが、「今度起こったらドアを開けてつきとめてやろう」と思ったそうです。
そして何日かしてまた眠れない夜がきました。
明け方近い4時頃、ガチャッ、トットットット・・・・
ドアの前に近づく足音。
Aさんは起き上がり、ドアを開けました。
しかしそこには何もなかったそうです。
変だなと思いベッドに戻り仰向けに寝ると、視界の隅に壁が見える訳ですがそこに大きいポスターが貼ってあるそうです。
Aさんはそんなもの貼った覚えはありません。
するとポスターがペラッと剥がれ、Aさんの顔に覆い被さってきました。
その瞬間。長い髪の毛がAさんの顔にかかったそうです。
それはポスターではありませんでした。
近づいてくるそれを見ると、そこには青い顔をして、真っ赤な目をした女の人がAさんを見ていたそうです。
そして覆い被さる顔・・・・Aさんは気を失いました。
それからはそういう事は起こらなくなったそうです。
ちなみにこの話を聞いたり読んだりすると、同じ目に逢うそうです。

トミノの地獄 西条八十 砂金 (愛蔵版詩集シリーズ)より
話の発端はこれ「トミノの地獄」

博覧強記の学者・四方田犬彦の『心は転がる石のように』に載っていたお話。「絶対に声に出して読んではいけない詩」があるというのです。
黙って心の中で読むのなら良いのですが、朗読してしまうととんでもない凶事が起こるという詩。
なんでも寺山修司はこの詩を声に出して読んでしまったためにしばらくして亡くなったとか。

姉は血を吐く、妹は火吐く、可愛いトミノは宝玉(たま)を吐く。
ひとり地獄に落ちゆくトミノ、地獄くらやみ花も無き。
鞭で叩くはトミノの姉か、鞭の朱総(しゅぶさ)が気にかかる。
叩けや叩けやれ叩かずとても、無間(むけん)地獄はひとつみち。
暗い地獄へ案内をたのむ、金の羊に、鶯(うぐいす)に。
皮の嚢(ふくろ)にゃいくらほど入れよ、無間(むけん)地獄の旅支度(たびじたく)。
春が来て候(そろ)林に谿(たに)に、くらい地獄谷七曲り。
籠(かご)にや鶯(うぐいす)、車にゃ羊、可愛いトミノの眼(まなこ)にや涙。
啼(な)けよ、鶯(うぐいす)、林の雨に妹恋しと声かぎり。
啼(な)けば反響(こだま)が地獄にひびき、狐牡丹(きつねぼたん)の花がさく。
地獄七山七谿(ななやまななたに)めぐる、可愛いトミノのひとり旅。
地獄ござらばもて来てたもれ、針の御山(みやま)の留針(とめばり)を。
赤い留針(とめばり)だてにはささぬ、可愛いトミノのめじるしに。

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