File No.003 ヒサユキ/ヒサルキ
一時期、オカルト板で流行った話です
これを読んでから変な夢を見る人がいる様なので無理はしないように
とある掲示板に投稿されたレスが
03/08/15 22:53に2chに転載された
2001年6月22日(金)21時51分
投稿者 夢見るMADOKA
初めて投稿します。
この話は私にとって本当に怖ろしい体験で、そのために長い間精神を病んでいました。
最近になってようやく落ち着いてきたので、自分の体験をまとめてみました。
読み直してみると何だか信じられないような話です。
本当にあったことなのか自信がなくなってきて、全て私の妄想なのかもしれない、と考えてしまいます。
そこで誰かの意見を聞こうと思い立ちました。
ワリと細かく書いてしまったので、かなり長いですが、興味のある方は読んでください。
それで、私がおかしいのかどうか意見を聞かせて欲しいのです。
私には昔、霊とかそういうものが見えていた時期があります。
別に見ようと思って見えるわけではなく、こっちの気分や事情に関係なく見えるので、実はけっこう困っていました。
町を歩いていても、人の後ろに貼り付いている霊が見えて、ひどい時はそれが普通の人間と区別がつかないくらいハッキリ見えるのです。
霊によっては一人でいるものもいて、そういう霊はますます見分けが付きにくい。
だから知らずに近づいて、変な波長やオーラを貰ってしまうこともありました。
それで一時期体調も崩していました。人付き合いも苦手でした。
それが、大学に入ってからは地元を離れたせいか、そういう体質は少し改善されました。
サークルに入ってバンドを始めて、少し自分に自信が持てるようになったせいか、かなり社交的な日常を送るようになりました。
ある日、そのサークルで合宿に行くことになりました。
合宿と言ってもバンドの練習をするわけではなく、海辺に泊まりがけで遊びに行くだけのものでした。
友達と泊まりがけで遊びに行くのは初めてだったので、私は弾む気持ちで合宿を楽しみにしていました。
当日は良い天気に恵まれ、私達は3台の車に別れて出発しました。
車の中では会話も弾み、楽しい雰囲気だったのですが、途中からBGMのCDが気になり始めました。
アルバムのはずなのにさっきから同じ曲ばかりが再生されているような気がします。
無機質なシンセ音が延々続き、私は気分が悪くなって次第に無口になってしまいました。
「酔ったの?」友達が声を掛けてくれたので、CDのことを言うと、助手席の子がデッキを見て「別にリピートになってないし、気のせいだろ。」と言いました。
でも、相変わらず同じ曲が繰り返されていたので、こんどは何だか怖くなってきました。
熱海に着くと、海でしばらく遊びました。
私はベンチに座ってボンヤリと水平線を見ていたのですが、なんだか眩暈がしてきたので車の中に戻ってウツラウツラしていました。
その時、良くない夢を見たのだと思うのですが覚えていません。
エアコンをかけて寝ていたのですが目が覚めると汗びっしょりで、全身がだるい感じでした。
そのころには、もうかなり鬱になっていました。せっかく友達と遊びに来たのに体調が悪くて楽しめない。
そのときはそう思いました。
その後、みんなで宿泊先の民宿へ向かいました。
私はどんどん気分が悪くなって、その頃には殆ど口もきかずに窓の外を眺めていました。
車を少し離れた駐車場に置いて、民宿へ。
その時、体が何とも言えない悪寒に包まれました。
風邪とかそういうのではなくて何か冷たいモノに全身を包まれたように、表面だけが異様に冷たいのです。
民宿の前まで来た時、その感覚はもはや耐え難いものになっていました。
私達の泊まる建物の横に大きな小屋のような建物があって、そこから視線のようなものを感じます。
見たくなかったのですが、ついついその建物をじっと見てしまいました。
すると、2階の小さな窓から誰かがこっちを見ています。
パッと見た感じは男の人のようでした。
ただ体が青い光を放っていて輪郭がボンヤリしています。
とっさにこれは人間ではないと思いました。
窓は小さいのに、窓枠の周りの壁を通して、そいつの体全体が見えるのです。
こっちを見ている視線がものすごくイヤな感じでした。
私達が来たことを歓迎していないような感覚が伝わってきます。
私はもう限界でした。
みんなにここはヤバイという事を説明したのですが納得してくれません。
みんなには見えていないのです。
しかし、私はもうこの民宿に留まることなど出来ませんでした。
その場で皆に別れを告げ、電車で帰ることにしました。
幸い近くに駅があるということだったので、民宿の人にそこまで送ってもらいました。
電車の中でも私はさっきの視線を感じていました。
全身の悪寒も相変わらず続いていました。
体がぐったりと疲れていて、つい居眠りをしてしまいました。
すると、またうなされていたようで、私は隣のおばさんに揺り起こされました。
車掌さんも心配してくれて
「駅に着いたら病院に連絡するように駅員の人に伝えようか?」と言ってくれたのですが、私は一刻も早く家へ帰りたかったので申し出を断りました。
駅についてタクシーで自分のアパートまで戻りました。
部屋に付くと、とりあえずお香を焚いて玄関や窓辺に塩を盛りました。
食欲はなく、シャワーを浴びると私はベッドに倒れ込むように横になりました。
眠るのは怖かったのですが、体が睡眠を求めているようで、眠くてしょうがない。
それで、電気とテレビを点けっぱなしにして眠ることにしました。
その日の夢のことは覚えています。
私はベッドに横になっているのですが、体の中に悪寒が染みこんできて、体にピッタリと収まりました。
体が二重になったような感覚です。
もう自分の意志では体を動かせません。
誰かが私の体を動かして、立ち上がりました。
電気とテレビを消して、着替えをし、部屋の外へ出ました。
まだ外は真っ暗でした。
アパートの近くに男が一人立っていました。
それがあの民宿の隣の小屋から私達を見ていた男だというのは分かりましたが、今は普通の人間っぽい感じで、青い光も見えません。
私は気が狂いそうなくらい怯えていましたが、私の体は男の後をついてどんどん歩いていきます。
私は為す術もなくそれを見守っていました。
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