File No.002 G県厨

鍵が閉まる音に私が扉を振り返った時、そこには閉まった扉が・・・外の光りが無くなり、
室内灯に照らし出された玄関に立ち尽くす一人の姿・・・肩で息をするように大きく揺らす姿・・・
私を睨みつける瞳・・・乱れた髪・・・鬼の形相・・・
それは、G県厨母でした・・・

扉を己の背にし、ドアチェーンを掛けながら私を睨みつけるG県厨母。
な、なんで?どうして?私はそんな疑問を思い浮かべるよりも先に、
咄嗟に風呂場(ユニットバス、ちょっと頑丈な扉)に逃げ込みました。
鍵を内側から閉めると、扉が軋まんばかりの激しい衝撃、

「どうして家のG県厨ちゃんが、パトカーで連れて行かれるの!説明しなさい!」

私はなにがなんだかわかりませんでした。どうして彼女がここにいるのか。
どうして私はこんな所に逃げ込んだのか。もう、パニックです。扉がガンガン叩かれます。
私は自分の頬を想いきり叩くと、ゆっくり深呼吸しながら数字を数えました。
すぐに扉が壊される事は無い!そう思い必死に自分を落ちつかせます。
100%落ちつく事は出来ませんでしたが、自分の置かれている状態を把握するくらいの
落ちつきを取り戻す事は出来ました。
G県厨母がここにいる理由はわからないが、確かに居る。
部屋の鍵は閉められ、ドアチェーンが掛けられた。目の前の扉を挟んでG県厨母と二人きり。
扉の外にはお巡りさん。そしてG県厨母の叫びから、どうやらG県厨がパトカーで連行される時を
たまたま目撃した模様。そして部屋の中には凶器になるものが多数存在している。
これが私に与えられた情報のすべてでした。扉は鉄扉ではないので長くは持ちそうにないのですが
相手は普通の女性なので、18歳真性厨父に比べれば幾分持つと思われました。

外ではお巡りさんが必死に呼びかけているのが聞こえてきます。
私は扉を押さえつつ、自分の居るバスルームを見渡しました。
何か役に立ちそうなものは無いか・・助かる術はないか・・・・
バスルームに窓は一切無い。換気扇が一つ。バス用品が幾つか。
武器になりそうなものはヘアースプレーとトイレ洗浄用の柄のついたブラシ。
ヘアースプレーはライターでもあれば武器になりますが
(危険です。良い子の皆様は決して真似をしないで下さい)
ライターがありません。それでも希望を捨てずにポケットをあさると
指先に何か硬いものが触れます・・・家の鍵と車の鍵をくっつけているキーホルダ―でした。
扉は相変わらず軋みます。破壊は時間の問題です。私は意を決して扉から離れると、
換気扇に近付き、お巡りさんを呼びました。

「お巡りさん、聞こえますか!」

その私の声に答える天の助けの声が・・・

「Aさん、御無事ですか!大丈夫ですか?応援呼びましたから、もう少し頑張って!」

お巡りさんが無事で外に居てくれる。これが唯一の救いでした。私は換気扇越しに
お巡りさんに今の状態を説明。慌てる私の言葉を、お巡りさんは必死に理解しながら
落ちつくように声を掛けてくれます。どうにか私の現在の状況をわかってもらうと、
車のキーを使い、換気扇に掛かっているカバーのネジを開け始めました。
震える手で上手くいきませんが、なんとかカバーを外す事が出来ました。
私は換気の外カバーを無理矢理開くと、そこからキーホルダーごと外に落としました。

「家の鍵です。」

お巡りさんは確かに受け取ったと返事をくれました。今まで幾多の襲撃を防いでくれた
鉄扉でも、開いてしまえば後はドアチェーン、これならなんとかなるかも・・・

微かな希望が見えてきました。ですが、扉への襲撃は激しさを増します。
既にG県厨母の言葉はヒステリーを通り越して、猿の惑星に突入しています。
理解は出来ませんが、恐ろしさはMAXです。武器はトイレブラシのみ。
一回の攻撃を防げるかどうか怪しいものです。その時、私は最大の武器に気が付きました。
しかし、それは母厨と直接向き合う諸刃の武器、いちかばちかの賭けです。
扉も既に限界の状態でした。
(蹴っていた足もとの外側が割れたらしく、内側が直接波打っているのが見えるんです)
どっちにしろ、これ以上は持たない。
そう思った私は最後の覚悟を決めました。出来れば決めたくなかったけど。
母親厨がずっと扉を叩き続けているという事は、武器は持っていないと私は解釈しました。
持っていたらそこで終わりです。でも、扉が破かれれば、これ又おしまいです。
私は意を決して扉に手を掛けました。そしてドアノブを押さえながら鍵を外すと、
一気に扉を勢い良く押し開きました。母親厨はいきなり開いた扉を避けるように、
一歩後ずさりをしました。かわされてしまいました。母親はやっと出てきた私に笑みを浮かべました。
恐かった・・・鬼のような形相で、笑うんです。本当に目が光ってる様に感じました。
背筋が寒かった・・・金縛りってこんなななの?という状態です。
私は自己中心的かも知れませんが、自分が可愛いです。母親厨に何かされるのはごめんです。
ですが、そんな私に母親厨は飛びかかってきました。私は最大の武器を使用しました。
最大の武器、それは自分の体です。
母親厨は普通の体型、相対する私は何度も言ってますがコニーです。
私は既に手加減と言う言葉を忘れ、飛びかかって来た母親厨に力一杯体当たりをしました。
母親厨は本当に飛びました。そのまま床に転ぶように落ちました。
私はそのまま母親厨を飛び越えると、玄関まで走りました。するとそこには扉を開いて
ドアチェーンに悪戦苦闘しているお巡りさんが見えます。私は無我霧中で叫びました。

「どいて!扉閉めて!」

その私の剣幕に押されたのか、お巡りさんは扉をすぐに閉めました。
私は扉のドアチェーンを開けると、扉を開きました。ですが、そこまででした。
起きあがった母親厨が私に飛びかかったのです。しかし、既に遅かった・・・
自由になった扉は開かれ、お巡りさんが飛び込んできました。そして私を殴っている
母親厨を取り押さえると、私は解放されたのでした。
放心している私と暴れる母親厨を押さえるお巡りさん。数分後、再び応援のお巡りさんが登場。
しかし、G県厨本人とは違い、母親厨は、警察署の方に連行されていきました。
放心しきっていた私は、どうして良いかわからなかったのですが、そんな私にお巡りさんの一言が・・

「なんか焼いてるの?焦げ臭いけど大丈夫?止めた方が良い?」

その言葉に我に帰った私は慌ててオーブンに駆け寄ると、そこには焼けすぎて
黒くなった物体が出来あがっていました。
なんとか落ちつきを取り戻した私は、お巡りさんに連れられて警察署へ。
そこで事情聴取を受けました。その時母親厨に、怪我は無いと聞きました。
ちょっと一安心。これで怪我でもさせていよう物なら・・・考えたくない(泣)
そのままその足で交番へ行くと、泣きつづけるG県厨がおでむかえ。
そして私を見るなりG県厨が叫びます。

「Aさん酷い!私を騙して!傷付けた!もう立ち直れない!
あんだのせいだ!私、もうぼろぼろ!最低!志んじゃえーーー!!」

私の方がぼろぼろだよ。叫びたかったです。
結局G県厨は父親が迎えに来て引き取られていく事になりました。

本日、貰った情報によるそれぞれの考えです。
G県厨:Aさんと同居。東京でやりなおす。プロになる
母親厨:G県厨が東京に行くのを反対。
・東京で頑張る。私には才能がある。Aさんが認めてくれてる。
Aさんは私が東京でやっていけるように、手を焼いてくれた。
これから高校卒業までの間に、Aさんと二人でプロになる。
Aさんの実力はいまいちだけど、私と一緒なら、何倍も良くなる。
二人の利害一致するから、Aさんは私の後見人になった。
一緒にプロになる為に頑張る。
↑これがG県厨の言い分。それに対する母親厨の返答は↓
・それなら、高校卒業するまで、東京で活動する事を許す。
きちんと学校に入って、卒業する事。卒業までに
なんかしらの形になっていたら、そのまま東京に住む事を認める。
そうでない時には大学に進む事。
というものだったらしいです。そして同居をはじめる日を黙って、そのまま出ていった娘。
荷物を取りに来た宅配便業者で、はじめて部屋に置いてある置手紙に気が付いた母。
そして娘の決意が硬い事を知り、前回の非礼を詫びれば、私を許すつもりだったらしく、
娘の様子を見るがてら、私の所に謝罪を聞きに来たそうです。
そしてそこで目にしたのは、パトカーに乗せられる我が最愛のGちゃん。
私の部屋を見ると、扉を開きお巡りさんと話す私が居る!
そのまま走ってお巡りさんに体当たりして突き飛ばし
(いきなりの事で、お巡りさんは何も対応できなかったらしいです)
部屋に入り込み、あとは私の体験した流れになったようです。

今回は運に助けられた状態でした。本当に運が良かったとしか言えない状態です。
自分が情けないです。もし、母親厨が台所に気がついて包丁を出していたら・・・
もし私が買い物に行くかどうか悩んで鍵を持っていなかったら・・・
私がコニーでなかったら・・・(いえ、これはすごく嬉しいのですか・・・)
母親厨が私以上のコニーだったら・・・お巡りさんが突き飛ばされて怪我をしていたら・・・.
本当に情けない事だらけです。
ですが、今は運が良かった、偶然の幸運に守られた事を感謝しつつ、
18歳真性厨の攻撃に耐えています。
昨日は精神安定剤を処方してもらい、何も考えずに眠りにつきました。
本日、落ちつきを取り戻し、会社が終わってからテキストを纏めましたので
遅くなってしまった事をお詫び致します。
物凄く長くなってしまい、申し訳ありませんでした。

02/03/16 01:16
昨日は何も音沙汰無くてすみませんでした。
もう、あの様に割りきらないと、上手く伝えられる文章になりませんでした。
紛らわしくて申し訳ありませんでした。

02/03/16 23:44
昨日と本日のメルマガです。
G県厨の物しか纏められませんでした。申し訳ありません。
残りはプチ押し掛けのテキストが出来あがり次第頑張ります。
G県厨メルマガその1(昨日分)
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Aさん、どうしてなんですか。どうして私のを分ってくれないの!
私はAさんのためを思って行動してあげてるのに。嬉しいなら
そんなに照れないで素直に反応して!Aさんが私のこと好きなのは
知ってます。私が必要なのも分ってます。いまさら隠す必要もないの。
素直に喜んで、私に感謝していればそれで良いだけなの。
これ以上恥ずかしがって見せても、私は怒るだけなんだから
そこの所をよく考えて、早く素直になりなさい。
春古味は無理になっちゃったけど、優しい私は許して上げます。
私に感謝しなさい。
私がいないとAさんなんて価値が無い人間なんです。もっと私を大切にして。
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本日分G県厨メルマガ
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明日は春古味なのに、私がなんでここにいないとならないのか。
Aさん、あなたが素直にならなかったから、こんな事になったのよ。
深く反省して、素直になって。あんまり曲がった表現ばかりしていると
温厚な私でもAさんを見捨てますよ。私に見捨てられたら
あなた一人で何も出来ないってことを思い出してください。
次の超都市、スペース取れたんでしょう?
今から本を作らないと。今度こそ合同誌出さないと
待ってるお客さんに迷惑掛かることを、考えてね。
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