第五話


この街は、最悪だ!


はなしブッ飛びすぎ?
ごめんごめん


何故、そー思うかって?
ドラッグが簡単に手に入っちゃうんだよね
この街は
マジ最悪だよ
覚醒剤は、買えるし
大麻に関しては、そこらに自生してるよ
知る人ぞ知る『大麻の名産地』
西瓜の名産地なんて目じゃないよ
アホみたいだろ?

今回は、その話



オレ達は、いつも通りミツん家で遊んでた
「おーい 部屋ん中、煙ってんぞぉ」
トイレから戻って来たキイが言う
室内に煙草の煙が、蔓延してるらしい
部屋にずっといると気付かないが、一歩外に出て戻ると分かる部屋の白さ
兄弟の成長はわからないが、ひさしぶりに会った従兄弟がデカくなってたのに似てる

気がする・・・ オレだけか?


って、事で部屋から出てないオレ達には、わからないけどね
てか、煙らせた原因はヘビースモーカーのキイだろ
灰皿の1/3はキイのマルボロだ
柔道やってるんだから
そんなに吸うなよ
スタミナ無くなるって・・・

キイ曰く
「一瞬で終わらせるから スタミナいらない」
さすがは、武闘派
一瞬とはね
でも、体育の授業のバレーで、どーゆー訳か足の小指、骨折してたよな?


そーいや
タバコと言えば、バイト先の近くにあるタバコ屋のおばちゃん
『紙巻きタバコの“紙巻く道具だけ売れて”葉っぱが売れない・・・ お兄ちゃん、
なんでだい?』って、言ってたのを思い出した
何を巻くか?
決まってんじゃん
大麻だよ
普通、わかるよな?
わからないのが、普通なのかな?
非常識な常識の中で生きるオレ達


「そうだ ヤスって、大麻タバコ吸ってたよな?」
コウイチが言う
『タバコ』で思い出すのは、みんなソレか・・・
悲しい現実
毒されてるオレ達
「ヤスに電話してみるか?」
ミツの提案で、みんな一斉にケータイのメモリをチェックする
「機種変した時、ヤスのTEL番消した」の声連発
みんな、ヤスのコトを良く思っていなかったから、当然て言えば当然


ヤスは『ライヤー』なんて、呼ばれてた
嘘つきだったから
嫌われてもしかたないヤツだ
結局のトコ、ヤスのTEL番をメモリーしてるのは、オレだけだった


ヤスに電話をかけるのは、気が滅入る
また嘘ばっかりの『自慢話』聞かされるのかな?

メモリーからヤスを選択、室内に小さく響くコール音
ケータイの受話音量を最大にする
『この番号は、現在使われておりません』
無機質なアナウンスが流れ出す
電話に出られても困ったので、番号が変わっていた事に安堵したが、変わっていたら
変わっていたで気にはなった

「ヤク中になってたりしてな」
キイが呟く
「いや、大丈夫だろ 大麻は覚醒剤と違って常習性は無いし、タバコより害は無いっ
て話だから」
ツキは、医学的な事に関して詳しい
それ以外もだけどね


「オレ、明日学校に行ったら探してみるよ」
コウイチは、本日10本目のタバコに火を付けながら言った
ヤスは、ミツとコウイチと同じ高校の後輩で、よく2人の後ろをついて歩いてた

2人は中学時代問題児で、担任の先生を2回も変えたって言うんだからロクな2人じゃ無い
その他、言えない事諸々
その話を聞いて、憧れちゃったヤスは2人に付いてまわった
舎弟気取り
よく2人の名前語って喧嘩してた
と、言うより喧嘩を回避してた
名前出せば勝てるなんてねぇ
如何程の悪名なんだ?

この日、良い子なオレ達は21時に解散した

言っとくけど、早く解散した意味なんてないよ
ただ、なんとなく
それが、大空人

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