~札幌B級グルメ番外編~

世界一エグイ料理をする



去る1月31日、あても無く若、G、管理人の3人ですすきのをぶらついていた。
そしてめぼしい店を回った後、例によってドンキホーテに突入。ここまではいつもの事である。
だが、その日はとんでもない事を言い出す奴がいた。


G「缶詰パーティーでもするか。」


いきなり何を言い出す危険分子。目の前にはドンキホーテの食料品売り場独特の謎の缶詰。
得体の知れないスープや見た事のない海産物まで取り揃えているドンキホーテ。そのまま突っ走れドンキホーテ。
前々から興味のあった一角であっただけに、満場一致で決行を承諾した。
これが今回の過ちであったわけだが。
まずは購入したものを。




まさしく自爆。壮絶な自爆である。
そして高いのか安いのかわからない会計。
レジで警察呼ばれないかと本当に心配だった程である。まともな物など何一つない。

その後、巨大な買い物袋を抱えておどおどしながら地下鉄で管理人宅へ移動。
宴の開幕。死刑執行の時間。


まず最初にする事は湯を沸かす事。俺たちがまず目をつけたのはタピオカである。ご存知アジア発祥の
でんぷん質で作られた小さな団子状の食べ物である。
調理方法はお湯で茹でて、その後ザルに空け冷水に晒すというもの。特に難しくはない。
決して複雑な技術が必要とされる物ではなかったのだが。


3人「うっわぁ・・・」

エグイ。こいつぁエグイ。なんていうか見た事のない液体だ。
お玉がスムーズに動かないほどの粘度。熱対流によって蠢く親の仇のような量のタピオカ。泣けと言われたら泣ける。
耐え切れずに数分後に火から下ろし、ザルに空けたのだが、その瞬間。







ビチャッ   ビチャビチャビチャグチャッベドッ           ゴポォ(←空気)



Σ(TДT )




食うのかコレを・・・。




「見ていても減らない」を合言葉に3人分の皿に盛り付けていく。
ザルにお玉を差し込み、皿へと盛り付ける。






グッチゃァ   ベトッ   ベドベドベドベドベドベド     コポッ(←空気)






「・・・・・うぷっ・・・。」






なんていうかもうどうでも良くなってきた。次に登場したのがココナッツミルク。



よく見るとココナッツクリームとなっている。まぁさしたる違いはないのだろうが。
缶切りが見つからないのでナイフで上部2箇所に穴を開け、タピオカに注いでいく。
タピオカの外見が隠れただけで結構食べられそうに見えるから不思議だ。
それを3人同時に混ぜ、口へと運んでいった。










3人「まっっっっずぅー!」



誤算。完璧な誤算だった。これは準備段階、いや、購入段階での致命的なミス。
ココナッツクリームが完全に、全く、パーフェクトに甘くなかったのである。
その結果として見事なアルデンテの食感を生み出す謎のでんぷん質に
全く味が無くて青臭い白い液体がかかっているという卑猥な生体兵器が出来上がってしまったのである。


「・・・盛った分ノルマな。」


言ったもののかなり辛い。何と言っても味がないというのがここまで辛いとは思わなかった。
管理人宅には砂糖というものが全く無かったのも原因の一つである。
そんな状況の中、Gがある行動を起こしていた。


そこには


無言でリボンナポリンをかけるGがいた。
なんだか検索かけてみたらリボンナポリンは内地の人にはキワモノ扱いされてるみたい。
北海道ではごく普通に飲用されているのに。だからってタピオカにかけるかよG。
もちろん白濁液との混合ソース。泡立つタピオカ。魔界の扉が開いた気がした。
しかし。



G「・・・幾分マシかも。」



その言葉でこぞって飲み物をかけはじめる俺たち。
若はセノビー、俺は午後の紅茶(ミルクティー)をかける。
かけてから気付く色彩的な失敗。
茶色の液体に微妙に浮かぶ固形物。想像してみましょう。お腹を冷やした時の事を。
ただ甘みが加わった事で食べられなくはない味に。特に紅茶は相性が良かったようだ。
Gと若の2人は皿を持ってトイレに消えていった。




タピオカの傷が癒えようかという頃、二つ目のメインディッシュに手をつけることとなった。
その名も「アザラシ大和煮」である。



タマちゃんのような愛嬌溢れるパッケージ。だが箱を開けるとそこには驚愕の光景が。
金の無地の缶にたった4文字「アザラシ」。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!を連呼するバカ3人。
早速缶を開ける。



「うっ・・・」


異臭。それも腐敗臭の類ではない、動物園の臭い。思い出されるやまどりの悲劇
再び「見ていても減らない」精神で突貫をかける。


・・・


・・・・・・・


・・・・・・・・・・・



「あぁー不味いなぁもう!」

耐え切れない不味さ。最初の一口、口に入れた時は特に問題ない缶詰の味なのだが、
少し咀嚼していると爆発的に溢れ出す獣臭さとなんとも言えない苦味。
さながら遅効性の毒。徐々に徐々に体を蝕み、先程のタピオカを胃から押し上げるそのパワー。
最後までほぼ原形をとどめた形で残っていたのでした。














そして現在2月5日。












鍋に放置していたタピオカは
順調に変態を続けています。かしこ。






片付けてくれる方募集。



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