冬の星
(拙いエッセイです。残念ながら冬の天体観測の話ではありません。)
このエッセイは、「月夜のピアノ」のAIさん作曲、「遥かなる空へ」を聞きながら書きました。
とてもいい曲です。関心のある方は月夜のピアノにいかれて、曲をダウンロードしてください。
1月11日から20日まで、教会の仕事でタイに行ってきました。
タイの北部山岳地域には、多くの山岳民族の方々が住んでいます。
山岳民族の方々は、タイ国全体でみると少数民族です。
でも、山岳地域には1000を超える数の村が散在し、
独自の豊かな文化を育みながら、
自給自足に近い生活を営んでおられます。
その中のひとつ、
カレン族の村にホームステイすることができました。
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その村は電気の通っている村でしたが、
日本の街中の電気の明るさと比べれば、はるかに暗く、
夜になると、あたりを静寂と暗闇が支配します。
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真夜中、一人外に出て空を見上げると。
満天の星空が広がっていました。
タイの1月は乾季なので、昼も夜もほとんど雲がありません。
360度、星、星、星です。
何と美しい、星空なのでしょう。。。
あれだけはっきりと「天の河」の姿を見たことも。
頻繁に流れる「流れ星」を見たのも、初めてのことでした。
月も出ていない、電気もほとんど消えてしまった夜。
一人、満天の星空を眺め、感動に浸っていました。
「夜は、決して暗闇ではない」
そう、はっきりと感じた瞬間です。
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私は一人でいたはずなのに。
そのとき、私は寂しくありませんでした。
「この世界に、本当の暗闇はないのかもしれない」
そんな風にさえ、思えました。
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もしもこの世界に本当の暗闇があるとするなら。
それはきっと人の心の中にあるのでしょう。
今、私は新宿から近いところに住んでいます。
新宿の街灯は明るく、
夜の闇などないかのごとく感じさせられます。
でも、その街灯の明るさと裏腹に、
今の日本の人々の心の闇は、
ますます深くなっているようにさえ思えます。
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村と村の距離が離れているので、
カレンの子どもたちは、学校に通うために
学生寮で寄宿生活を送らねばなりません。
まだ乳離れもしていないだろう、小学生の年齢から、です。
様々な困難を抱えているはずの
その子どもたちの元気さと、
瞳の輝きは印象的でした。
私たちが失った何かが、そこにはまだあるのかもしれません。
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私たちが求めるべき、
本当の輝きとは何でしょう?
タイの「冬の星」を眺めながら
改めて、考えさせられました。