ラ行

連城三紀彦

☆  どこまでも殺されて  連城三紀彦  新潮社

第一印象は、連城三紀彦っぽくない、というものでした。現代の高校を舞台にしているせいもあるのかもしれませんが、あまり登場人物に魅力を感じなかったのも一因でしょう。「どこまでも殺されるぼくがいる・・」という手記や話の展開は面白かったのですが、それだけでは満足できない私でした・・。(1997.2)

  評価・・・★★★  

☆  恋文  連城三紀彦  新潮社

殺人はおきないけれど、やはりこれはミステリでしょう。短編集ですが、どれも興味深く読めました。男女の愛憎などの泥沼的なもの(小説にしろ映画にしろ)は苦手なので、心底から楽しめたわけではないのですが、ミステリ的な味付けのおかげでそれほど苦にならなかったです。ただ「紅き唇」だけは、自分の気持ちを表せなかったタヅの哀切がじーんときてぼろぼろ泣いてしまいました。もともとは人に借りて読んだ本ですが、この「紅き唇」の為に自分でも買ってしまいました。(1996.10)

  評価・・・★★★☆  

☆  変調二人羽織  連城三紀彦  講談社

これまで読んできた連城三紀彦の短編集の中でもっともミステリらしい作品が多いような気がします。特にトリック重視の作品が多かったように思いますが、私としてはトリック重視の作品があまり好きではないので、評価は低くなってしまいました・・(1996.7)

  評価・・・★★      

☆  密やかな喪服  連城三紀彦  講談社

表題作「密やかな喪服」の妻の心情がちょっと分かるような気がするといったら冷たい人ねといわれるのでしょうね・・。「黒髪」が一番良かったです。人の本当の姿には計り知れない物があるなぁとぞっとしました。(1996.6)

  評価・・・★★★     

☆  敗北への凱旋      連城三紀彦  講談社

この作品を読んでからショパンの葬送が聞きたくてならないのですが、(実際にそんな曲があるかどうかもクラシックには疎い私には定かではありませんが)未だにそれは実現していません。夾竹桃の赤さと、美しい曲の調べが印象に残る作品です。でも、そこには深い罪を背負って生きていく人が描かれているのです。そんな人生でいいのだろうかとも思いますが、それが業というものなのでしょうか。読んだ後は、どん底まで落ち込みました。(1996.3)

  評価・・・★★★★    

☆  戻り川心中  連城三紀彦 講談社

先日「レッド・ドラゴン」を貸した会社の先輩に借りて読みました。短編集なのですが、どの作品もとても暗くて陰湿でかつ耽美な話でわりと私好みな雰囲気だと感じました。中でも「藤の香」、「白蓮の寺」が良かったです。表題の「戻り川心中」は萩原健一の主演で映画化されたようですが、やっぱりモデルは作家のあの人でしょうか。(私はその人が嫌いです)(1996.2)

  評価・・・★★★★    

レイ・ラッセル

☆  インキュバス  レイ・ラッセル  早川書房

なんとなく、文章に大げさで余分なものが多い感じがしました。ラストもちょっと気をてらったというか、納得しにくい部分がありました。だって「インキュバスとスキュバスが同一であることもあり得る」と言う部分で主人公が真相に気付くのですが、それはちょっと意味が違うのではないかと思いました。それなら、女も男も襲われなければおかしいんじゃないのかなぁ・・。(1997.7)

評価・・・★★

アン・ライス

☆  ザ・マミー  アン・ライス  徳間書店

レスタトシリーズ以外の作品を読むのは初めてですが、この人の書く魅力的な人物というのは似たりよったりですねー。ラムセス二世が実は不死の人物で、ミイラの状態から現代(20世紀初頭位の設定ですが)に甦るというお話なのですが、このラムセスというのが賢くてハンサムですばらしく魅力的な人物(と書かれている)にも関わらず、誰が観ても愚考としか思えないことをしてしまいます。自己管理のできない人はどうしても魅力的には思えないんですよね。どうにも私の肌には合わないと感じてしまいます。結構一気に読めてしまったので、面白くなかったわけではないのですが・・。(1998.2)

  評価・・・★★★  

☆  肉体泥棒の罠  アン・ライス  扶桑社

うーん、なんとも言いがたいですね。前作の「呪われしものの女王」のスケールの大きさ、おもしろさとは比べてはいけないのでしょう・・。人間になりたがるレスタトの気持ちも分かるけれど、肉体泥棒の罠に落ちるのもなんだかな、と言う感じでした。しかもレスタトが自分に肉体を取り戻すために肉体泥棒と対決するわけですが、そのあっけないほどよわちいこと・・。なんとも手前勝手なストーリー展開でだまされたような感じがしました・・。(1997.3)

  評価・・・★★   

アイラ・レヴィン

☆  ブラジルから来た少年  アイラ・レヴィン  早川書房

ヒトラーのクローンを作り第3帝国の建設を計画をめざすメンゲレ博士と、その計画を阻止しようとするユダヤ人組織のリーベルマンを描いた物語ですが、淡々とした文章が、逆に鬼気迫るものを感じる思いでした。クローンだからと言って育つ環境や社会が違うし、全く同じ人物になるとは思えないのだけれど、最後の下りは遺伝子の記憶によってこの少年がヒトラーになり得るのかもしれないという恐ろしさを感じました。(1997.7)

  評価・・・★★★  

☆  死の接吻  アイラ・レヴィン  早川書房

お金の為にドロシー、エレン、マリオンの3姉妹に次々と近づく主人公・・。何度も映画化されていますし、かなり有名な作品ですよね。でも1953年の作品とは知りませんでした。今読んでも古くさくないし。主人公の行った戦争が第2時世界大戦とは思いもしませんでした。(てっきりベトナム戦争だと思っていた私・・) それにしても本当に面白かったです。・・第2部は本当に楽しめました。(1996.9)

  評価・・・★★★★  

ルース・レンデル

☆  殺す人形  ルース・レンデル  早川書房

顔にあざがある為に外とあまりつきあうことのないドリーが母親の死後、母親として家を取り仕切るようになります。家庭だけが世界の全てになってしまうことは恐ろしいことでもありますね。正常と異常というのは紙一重だということを感じます。どちらかというと、私には弟のパップのような普通の健全な人の愚鈍さに怒りを覚えてしまうのですけれど。ディアミットに関する部分は特に必要もなかったような気もします・・(^_^;)。(1998.3)

  評価・・・★★★☆ 

☆  ロウフィールド館の惨劇  ルース・レンデル  角川書店

いつも読みたいと思いつつつい敬遠してしまうレンデルなんですが、今回も読み終わるまでちょっと時間がかかってしまいました。淡々とした語り口に慣れるまでなんとなく読みにくくて大変だったです。でも後半以降は面白く読めました。映画化されると聞いて文盲のユーニスは誰がやるのか興味津々です。(1996.9)

  評価・・・★★★   

セオドア・ローザック

☆  フリッカー,あるいは映画の魔  セオドア・ローザック  文芸春秋

確かにこれまでのように映画を見ることが出来なくなるかも・・。
虚々実々もここまでくると圧巻です。 (1999/12)

  評価・・・★★★☆   

トム・ロビンス

☆  カウガール・ブルース  トム・ロビンス  集英社

ストーリー自体はとても面白かったです。ただ、あの多様な比喩的な表現の連続にはついていけず、ちょっと読むのがつらかったです・・。著者の考えは良く分かるけれど、でもやっぱり健康的で前向きな考え方というものは苦手なのでした。(1997.4)

  評価・・・★★★