☆ 道−ジェルソミーナ 笠井潔 集英社
続いても飛鳥井のシリーズ。こちらの短編集の方が読みやすかったです。でも,いずれにせよ
現代日本の問題にはあまり関心がないので,私には向いてないのかもしれません(^_^;)。 (1999/12)
評価・・・★★☆
☆ 三匹の猿 笠井潔 講談社
探偵飛鳥井のシリーズ。私にはちと淡白過ぎるかも。 (1999/12)
評価・・・★★☆
☆ 哲学者の密室 笠井潔 光文社
やっと読めました。面白かったと一言では言うにはあまりにも重い感じがします。ハイデッガーと、レヴィナスの死をめぐる哲学のことがなんとなく分かったような気がします。英雄の死と龍の死とに象徴化されたもの。でもやはりナディアの意見が平和の世に生きる私たちにはしっくり来るのかな。ただ、英雄の死を求めて革命を起こそうとする本末転倒的で自己欺瞞な考え方というのは私も考えたことあったことを思い出しました。哲学と宗教とは、違うもののように思えますが、それを信じる人にとっては同様の作用をもたらすものなのですね。それと、私の中で駆という存在が既に神格化(?)されていたので、これまでとの変わりようにちょっと戸惑ってしまいました。(1997.5)
評価・・・★★★★
☆ 薔薇の女 笠井潔 東京創元社
やはり「サマー・アポカリプス」の方が好きですね。今回の犯人にあまり魅力を感じなかったせいでしょう。なんだか哀れな感じがしました。一番の見せ場は駆とあの文学者との対決の場面かな。ここに来てようやく駆が少し見えてきたようなそんな気がしました。 次は「哲学者の密室」だ!(1996.11)
評価・・・★★★☆
☆ サマー・アポカリプス 笠井潔 東京創元社
キリスト教異端カタリ派の財宝の行方と、黙示録の4騎士をなぞった殺人・・。ミステリー好きにはたまらない魅力ある作品だと思います。前作「バイバイ、エンジェル」に比べてもかなり完成度が高いのでは無いでしょうか。それと同時に駆をして今回のこの事件で僕の興味のあることはただ一つシモーヌのことだけだといわしめた、二人の思想合戦(?)は大変興味深いものがありました。私が二人に関して言えることは真摯に生きる人間は美しいということだけです。それが私に欠けているものだからでしょう。だから私はこれからも駆を追って行きたいと思います。(1996.11)
評価・・・★★★★☆
☆ バイバイ、エンジェル 笠井潔 東京創元社
矢吹駆、いいですね。冷たいのか優しいのか分からないところも。自分に必要な物不必要な物が分かっている人の底力を見る思いです。それに現象学を駆使して事件を解決するというのもびっくりしました。犯人とその動機にも驚きましたし。こういう思想があることは知っていましたが、ここまで過激なことを本当に信じるようになるのでしょうか。ナディアに関しては可哀想だったなと思います。全てが自分の思うとおりになると思っている傲慢なお嬢さんが頭のてっぺんから粉々にされてしまったのですから。でもこの作品、なんとなく想像していたのとはかなり雰囲気が違っていました。といっても良い意味でですけど。もっと早く読めば良かったなぁ。続く、「サマー・アポカリプス」「薔薇の女」も楽しみです。(1996.9)
評価・・・★★★★
☆ OKAGE 梶尾真治 早川書房
これもある人(とはいっても「六番目の小夜子」を貸してくれた人とは違う人です)にお借りしました。日本のモダンホラーもここまで来たか、と言う感じがしました。とても面白く読めました。モダンホラーというとついつい比べてしまうのがキングですが、キングと言うよりクーンツ、ウィルソンですね。ノンストップゴーゴーと言う感じです。他の作品も読みたいです。(1996.8)
評価・・・★★★☆
☆ クリムゾンの迷宮 貴志祐介 角川書店
いきなり目覚めた時に見知らぬ場所にいたら,恐ろしいですよね。しかもそこがゼロサムゲームの始まりであったとしたら・・。本当に途中まで面白かった。人間のエゴがそうさせるというのも,知らずに食べていたものが異常な働きをするということも,まるで映画を見るように,結構どきどきわくわくして読めました。しかし,あのラストはどうなんだろう。そこまで作者は考えてなかったのではないかとさえ思ってしまいます。でも,ゲームの最中のあの緊張感を味わうためだけでも読む価値があると思いました。(1999.7)
評価・・・★★★★
☆ 黒い家 貴志祐介 角川書店
生命保険会社に勤める主人公若槻は不運なきっかけでこの恐ろしい事件に巻き込まれてしまいます。この本を読んだ頃,奇しくも和歌山の事件が報道されていたのでオーヴァーラップしてしまったことを覚えています。人の命をなんとも思わない彼女の怖さももちろんですが,私には分かっていても離れられなかった夫の心の闇に恐ろしさを感じてしまいました。(1998.12)
評価・・・★★★★
☆ 百鬼徒然袋−雨 京極夏彦 講談社
榎木津はいいっす。主人公が自ら巻き込まれてくのも面白い。落語の妙がありますよね。
楽しい1冊です。 (1999/12)
評価・・・★★★☆
☆ 巷説百物語 京極夏彦 角川書店
やっぱうまいですね。職人ぽいです。こんな仕掛けをTVで見たかったのにな・・。 (1999/11)
評価・・・★★★☆
☆ 百鬼夜行−陰 京極夏彦 講談社
これまでの京極堂シリーズの脇役たちが主人公となった短編集。
今までのを読みなおしてしまいました・・。 (1999/9)
評価・・・★★★☆
☆ 塗仏の宴 京極夏彦 講談社
京極夏彦の作品はどんどん厚みをまして,とうとう2冊になってしまいましたね・・。でも私にとっては今までで最も期待外れでした。「宴の支度」の短編の連作と言う形はうまいと思うし伏線の張り方なども見事といえると思うのですが,なんとなく先が見えてしまった感があったし,「宴の始末」での大団円がちょっとどたばたしていて,嫌だなと思えてしまったのです。それと文体が鼻につくようになってきたのもかなりマイナスでした。それにしても今まで出てきた登場人物が総出演していてこのシリーズもまさかこれで終わりなのでは!?という感じがしたのですが,例によってカバーに次作のタイトルがあったので安心しました(^.^)。(1998.10)
評価・・・★★★
☆ 嗤う伊右衛門 京極夏彦 中央公論社
私の知っている四谷怪談と言えば、お岩が伊右衛門に裏切られたために恨めしくて化けて出るという話だったと思うのですが、この四谷怪談のお岩と伊右衛門は全くタイプが違いますね。しかもこのふたりの純愛物語と言っても良い展開になっています。それに京極夏彦独特の語り口がとても合っていると思いました。岩のまっすぐな清廉な考え方、感じ方、ものすごくすきです。とても良かったです。ただ一つ気になるのは、乱心してからの岩がどうなったのか、と言うことです。伊右衛門に切られたのか、それとも自害したのか、どちらの考えもしっくりこないのですよねー。まあ、その辺りの曖昧さがいいと言えばいいのかもしれません。それにしても、あのラストは思い出すだけで泣けてしまいます。(1997.10)
評価・・・★★★★
☆ 絡新婦の理 京極夏彦 講談社
これまでの作品の中で最も軽くて(実際の重さは重いけれども)読みやすいのでは無いでしょうか。関口がほとんど出ていないのが原因か・・!?前作「鉄鼠の檻」はまだるこしくてちょっといらいらすると思っていましたが、今になってみるとあれはあれでやはり面白かったなと感じます。今回はいささか物足りないかな。とはいえ、読み終わった後にまた最初へ戻って読ませてしまうその技量はすごいなと思います。
評価・・・★★★
☆ 鉄鼠の檻 京極夏彦 講談社
京極夏彦4作目の作品です。私が京極夏彦が好きなわけは、妖怪やら宗教やらが取り上げられているからかもしれません(ちょっと興味があるので)。ただ、今回は登場する妖怪がやたら多くて題名にある鉄鼠の存在が薄かったように思えます。大禿の方が印象が強烈でした。・・相変わらず、関口君は情けないのですが、どうも私にはひとごとに思えないタイプなんですよね(よく寝るし)。これからも妖怪小説を楽しみに待っています(^_^)。(1996.1)
評価・・・★★★★
☆ 人獣細工 小林泰三 角川書店
この人の奇妙な文体に魔があるような気がします。話としてはそんなに目新しくないのですが,
なんか生理的な嫌悪感と不安感を感じさせる展開&文章なんですよね〜。親方様〜って感じ(?)。 (1999/12)
評価・・・★★★★
☆ 玩具修理者 小林泰三 角川書店
いやー,これは私の中ではとてもすごい作品のひとつになってしまいました。なんでも直してくれる玩具修理者,死んだ猫だって,死んだ弟だって・・。こういうのがホラーの真髄というべきものなのではないでしょうか・・。同時収録の「酔歩する男」もなかなかですが,やはり玩具修理者のもんでしょう。これをきっかけに以前短編集に収録してあった「兆」も読みなおしたし,ラヴクラフトを読みなおしてしまったくらいですから・・。(1999.5)
評価・・・★★★★☆
☆ 邪馬台国はどこですか? 鯨統一郎 東京創元社
いやいや,これはミステリーなのか?いろんな突拍子もない自説を広げる宮田と,古代史教授の三谷,世界史助手の静香との歴史バトルは,とても面白くそして大変興味深いものですね。この宮田という人は仏陀はさとりなんか開いていないとか,邪馬台国は岩手にあったとか,聖徳太子は推古天皇だったとか,はては磔刑になったのは実はキリストでなくユダだったとか言い出すんですね。しかもその話が,妙に説得力があって,だんだんと本当にそうだったのかも,なんて思うようになってしまうんですねー。それに対抗する静香も気が強くてなかなか手強いのですが,バーテンの松永も回を重ねるごとに3人の扱いがうまくなっていたりしていて面白いです。続編が出ないかなーと早くも期待しているこのごろです。(1999.1)
評価・・・★★★★
☆ 一九三四年冬−乱歩 久世光彦 新潮社
スランプに陥った江戸川乱歩が張ホテルに身を隠して新作を書きあげるその何日間かを描いたものです。本当に江戸川乱歩はこんな人物だったのかと思わせるほど,その人物像がきちんと描かれていますし,その当時の雰囲気も伝わってくるようです。乱歩がこの間に書いたことになる「梔子姫」という短編はまさしく乱歩っぽい感じですごいなと思いました。ただ,私にはこの小説のもつ意味が良くわかりませんでした。だから何なの,っていう感じで。もちろん面白かったのは確かですが・・。(1999.1)
評価・・・★★★
☆ ダーク・ハーフ スティーヴン・キング 文芸春秋
久々にキングを読みましたが、やっぱりうまいです。モダン・ホラーってたまにどうしても読みたくなるんですよね。主人公が別のペンネームで書いていた犯罪小説を辞めるため、そのペンネームを抹殺しようとします。ところが、そのペンネームが実体を持つようになり、本人に抵抗するという話ですが、いろいろな仕掛けもあって楽しめます。キング自身バックマン名義で作品を書いていましたから自分に重なる部分もあるのでしょうか。以前、映画の方は観ているのですが、ティモシー・ハットンが熱演していました。(1998.1)
評価・・・★★★
☆ 夢の通い路 倉橋由美子 講談社
倉橋由美子の桂子さんシリーズの外伝ともいうべき短編集です(偉そうに言ってますが、桂子さんの話は「交歓」しか読んでいないのであった・・)。桂子さんと、霊界に住む人たちとの交歓を描いてます。「紅葉狩り」などはなかなか迫力満点です。倉橋由美子を読むといつもちょっと大人になった気になります。(1996.6)
評価・・・★★★☆
☆ ドラゴン・ティアーズ ディーン・R・クーンツ 新潮社
クーンツの最近の作品を読むのは久しぶりですが,本当に久しぶりに面白かったと思えました。犬の視点から書かれている部分が面白くて,なんてかわいい犬なんだと思ってしまいました。性格の違う二人の刑事が次第に変わっていく様子も良かったですね。最後はちょっとあっけなかったようにも思えますが,ウォッチャーズ以来のクーンツ節を感じられて感激しました。
(1999.2)評価・・・★★★
☆ 呪われた少女 ディーン・R・クーンツ 扶桑社
これもずいぶん前の作品のようです。プロローグを読んだ時点でうーん,なんだかなという感じはあったのですが,そこはクーンツ,本編の前半から中盤にかけてはさすが読ませてくれます。でも最初の嫌な予感の通りの話の展開,しかもあんな尻切れトンボのような終わり方はないんじゃないの??書きながら嫌になってしまったのかしら・・。(1998.8)
評価・・・★★
☆ 夜の終わりに ディーン・R・クーンツ 扶桑社
クーンツの作品の中でも割と初期の頃のものだと思いますが、普通のサスペンスものといった感じです。ストーリー自体もたいして面白くなかったし、あの結末にも不満が残ります。解説にはベトナム戦争の後遺症を描いた最初の作品ということに価値がある、なんて書いてありましたが、まあその程度でしょう・・。(1996.11)
評価・・・★★
☆ コールド・ファイア ディーン・R・クーンツ 文芸春秋
面白ーーい!!さすがクーンツです!前作「ウィンター・ムーン」はがっくり来ましたが、今回はやりましたね!後半からいつものクーンツと展開が違うなと思ったのですが(そこが評価の分かれ目になるかも)最後はやっぱりクーンツでした。クーンツには愛と勇気と言う言葉がよく似合うのです。解説が宮部みゆきさんなのですが、納得できる部分が多かったです。私も「黎明」は感動したので・・。(1996.8)
評価・・・★★★★☆
☆ ロード・キル ジャック・ケッチャム 扶桑社
殺人願望をもつ男ウェインが、偶然、殺人現場を目撃してしまいます。この日からウェインの中の密かな願望は次第に解放されていきます。この殺人現場を目撃された二人はやむにやまれぬ思いから殺人を犯したのですから、ウェインの道行きにつきあわされたこの二人の気の毒なことといったらありません。快楽殺人者と普通(?)の殺人者の対比がとても印象的です。二人を拉致してからのテンポの速さは魅力的ですが、それに対する警察の反応が早すぎるような気がしました。(1997.8)
評価・・・★★★
☆ 金曜日ラビは寝坊した ハリィ・ケメルマン 早川書房
私が生まれる前の小説ですが,ユダヤ教立法学士ラビのスモールが魅力的でとても面白く読めました。事件に巻き込まれてしまったラビの飄々とした風情がなんとも良かったです。聖職者はこうあるべきなんでしょうね。すばらしいです。(1999.5)
評価・・・★★★☆
☆ 死因 パトリシア・コーンウェル 講談社
シリーズものはつい買ってしまうのですが、もう買ってから1年以上たってますね(^_^;)。どうしても登場人物の私生活(というのも変?)に関する描写が主でなんとなく事件に関しての展開があまり面白くないような気がします。それに検死官というのは事件のただ中であんなに大活躍するものなのでしょうか?ケイがルーシーを過保護に思いすぎなのも鼻につくようになったし、マリーノもあまり魅力的に思えなくなったし、次作を買うのはどうしようかなーと思っています。(1998.3)
評価・・・★★☆
☆ 私刑 パトリシア・コーンウェル 講談社
殺人鬼ゴールトとの決着はいかに・・?という話になってます。(これは前作まで読んでないとわかりませんねぇ)前作「死体農場」は駄作だと信じてますが、今回はサスペンスフルな展開でとても楽しめました。まあ、クライマックスが今一つ盛り上がりにかけるようですが、今までになくアクションっぽい感じがしました。私がコーンウェルを読むのはひとえにマリーノの為(?)でしょう。マリーノだけには幸せになって欲しいと願うこの頃です。(1996.1)
評価・・・★★★☆