本の感想(2002年)
3000年の密室 柄刀一 光文社
密室状態で殺害されていた縄文人が発見され、その後、発見者が行方不明に・・。
縄文人サイモンの謎の解明に関する部分はとても面白くて考古学ってすごいなぁと思ったんですけど、
現実の犯罪の部分がイマイチ後味が悪くて、それがちょっと残念でした・・。(2002/12)
黄泉がえり 梶尾真治 新潮社
熊本で起きた死者の蘇えり。登場人物がみんなとても魅力的ですごい感情移入できる。
号泣モードです。まあ、ちょっと甘すぎるカンジは否めないのですけど、こういうのもたまにはよいかなと思います。(2002/12)
樒/榁 殊能将之 講談社
鮎井郁介の水城優臣シリーズの「樒」、石動の「榁」、となってます。
トリックとしては普通かなぁと思うのですが、ほのかにアホっぽい石動、やっぱよいですわ・・。(2002/11)
屍蝋の街 我孫子武丸 双葉社
「腐食の街」の続編。映画にしたらかなり派手目のSFで面白そうなカンジ。
しかし、結局自分って何なんだろうって思わせるラストはひどく不安な気分になりました・・。(2002/11)
汚辱のゲーム ディーン・クーンツ 講談社
ホラーなのかと思ったらサイコものだった。しかもなんつうか笑うに笑えないというカンジ。
かなりムカツクし、アホらしいとこもたっくさんあるんだけど、それでも読み出したらとまらない・・。
クーンツの力技に屈してしまいました・・。(2002/11)
木曜組曲 恩田陸 徳間書店
これは映画が見たいですねぇ。こういう密室の中での心理戦みたいなの大好きです。
細かいセリフなんかがとても面白くて読んでるのが楽しい。でも最後、ちょっと後味悪いかな。(2002/10)
陰陽師 鳳凰ノ巻 夢枕獏 文芸春秋
このシリーズ、どれを読んでも面白いというのはすごいことですよね・・。
マンガの方は彼方へ行ってしまった感がありますが、こちらは安心して楽しめます・・。(2002/10)
13人目の探偵士 山口雅也 講談社
ゲームのように探偵を選んで読み進んでいくのですが、ヒジョーに面白く読めました!
ミステリーに淫したというだけあってとても楽しかった!さすが山口雅也!
実はパソコン版のゲームはクリアできなかった(^_^;)んでとても満足、です。グフグフ。(2002/10)
黒い風 ポール・F・ウィルソン 扶桑社
大戦前、日本の宗教結社が太古の秘法「黒い風」を用いて敵を殲滅しようと暗躍するオカルト巨編。
人間関係の絡みがちょっとご都合主義的なところはありますが、とても面白かったです。
しかしかなり日本に詳しげ。ウィルソンって日本マニア??(2002/9)
異界への扉 ポール・F・ウィルソン 扶桑社
前回の始末屋ジャックはホラーっぽくなかったんですが、今回またまたナイトワールドの世界に戻っているではありませんか!
いやぁ嬉しいな。でもなんか終わり方が中途半端でイマイチこじつけっぽいなぁ。
と思ったら、次のシリーズに続いてるってことみたいですね。なので次に期待・・。(2002/9)
今昔続百鬼−雲 京極夏彦 講談社
多々良先生・沼上クンという妖怪好きの珍道中というカンジでお気楽に読めました。
石燕の絵解きなんかなかなか興味深かったし。絶対負けない賭博師なんてよかったです。
最後は京極堂まで出てきたりしてちょっと懐かしかったな。(2002/9)
殺戮のための超・絶・技・巧 竹本健治 徳間書店
ずっと前に買っていたのに今まで読んでませんでした。
SFサイキックモノだったんだ。知らなかった・・。
しかし、パーミリオン(100万分の1)のネコという異名を持つ主人公がカッコよくてあっという間に読んじゃいました。
ネコの垣間見せる不確かな部分を知りたいですねぇ。それには続編を読まなくてはなりますまい。(2002/9)
理由 宮部みゆき 朝日新聞社
超高層マンションで起こった殺人事件をルポルタージュの形式で追っていきます。
そのせいかとっても社会派っぽい印象。もちろん現実に起こりうる犯罪なワケで「っぽい」では無いんだろうけど。
その辺がちょっと私には向いていないカンジ。犯人の人物像もよくわからなかったし。
でもいろんな家族がいて細かい部分で印象に残るとこは多かった気がします。(2002/8)
不連続殺人事件 坂口安吾 角川書店
いかにもトリックのための犯罪というのはあまり好きじゃないのですけど、
戦後間もなく発表されたこともあって文体などの古いカンジが妙で面白かったです。
また、出てくる人全てがヘンで楽しめました。ドラマとかでやるとウケそう・・。(2002/8)
ぼっけえ、きょうてえ 岩井志麻子 角川書店
明治時代の岡山の遊郭での女郎の寝物語の暗い暗い感じがたまらないですね。
この岡山弁がまた陰惨な雰囲気を助長しているというか。暗澹たる気分にさせます。
表題作以外の短編もどれも纏わり着く様な陰鬱な雰囲気なんですよねぇ。ぞわぞわします。(2002/7)
バナールな現象 奥泉光 集英社
これまた非常に面白かった!ワタシのツボを直撃というカンジ。
湾岸戦争のあった頃、フツーの日常を送っていたはずの大学講師・木苺の生活が崩れていく・・。
昔、竹本健治を読んだときのめくるめくカンジを彷彿とさせますなぁ。
一気に奥泉光信奉者になってしまいました・・。(2002/7)
嘲笑う闇夜 ビル・プロンジーニ&バリー・N・マルツバーグ 講談社
20年以上も前の作品とは思えないほど現代的ですごい面白かったです。
田舎町で起こる切り裂き事件。似非っぽい精神科医の「犯人は犯行時の記憶が無い」という言葉で戦々恐々とする人たち。
みんな他人も自分も信用できないんだものなぁ。誰もが怪しげでこっちまで頭が変になりそうでした・・。(2002/7)
暗闇の中で子供 舞城王太郎 講談社
奈津川家の三男が主人公ですが,これはちょっとイタイ。
2冊目にして飽きてしまいました・・。(2002/7)
さかしま J・K・ユイスマンス 河出書房新社
社会の中で生きる事を捨てて自分の人工世界を作り上げた
デ・ゼッサントの精神の強固さがすごいと思えました。
しかもその世界の濃さといったら空前絶後だなと。膨大な量の知識と分析力で圧倒されました。
しかしやっぱ病気には勝てないというのがツライです・・。(2002/6)
煙か土か食い物 舞城王太郎 講談社
とにかくすごいってかんじですね。文体が(文体って言うのだろうか)。
訳のわかんないままどんどん話が進んでって終わっちゃったみたいな。
でも最後はやっぱ愛っていうのがちょっと臭過ぎですけど。
まあ,奈津川家の今後はちょっと気になるかな。(2002/6)
第三の嘘 アゴタ・クリストフ 早川書房
「ふたりの証拠」に続いてすぐ読んだ所為か,私にはやっぱりこの作品で
これまでの曖昧さがはっきりしたと思えました(つまり謎解きがあったと思えたということ)。
しかしここにある物語もやっぱり悲劇的で辛かった。
双子はなぜ幸せになれなかったんだろうと辛く悲しくなりました。(2002/5)
ふたりの証拠 アゴタ・クリストフ 早川書房
耐えられないほどの孤独感がたまらないです。
愛する事を知らない人はいともたやすく人を傷つけるものなのでしょうか。
結局大切なものを失って絶望の淵に立つ事になってしまうのに。
「悪童日記」の続編なんだけど,非常に痛いっす・・。(2002/5)
ドラキュラ崩御 キム・ニューマン
東京創元社
「ドラキュラ紀元」「ドラキュラ戦記」に続く三作目。とうとうドラキュラが滅んでしまった!!
舞台は1950年代のイタリア。
ジェイムズ・ボンドやトム・リプリー,マルチェロなんか登場してきて映画の雰囲気です。
特に最初に「深紅の処刑人」をケイトが目撃する場面などフェリーニの映画のままっぽかったし。
しかも今回はペネロピも登場してミステリーっぽい展開がなかなか面白かったと思います。
アルジェントの映画もまたまた観たくなっちゃいました・・。(2002/5)
どんどん橋、落ちた 綾辻行人 講談社
これはまたなんともって感じで,犯人当て小説集になってます。
意外と分かっちゃったのが自分でも恐ろしいところ。
「伊園家の崩壊」なんてあまりの設定にびっくり。でも一番楽しめたかな。
「意外な犯人」については,私そう言えばこのテレビ,観たような気がするんだけど
あんまり覚えていなかったりする・・(^_^;)。(2002/4)
鏡の中は日曜日 殊能将之 講談社
殊能将之らしいトリックに満ちた一冊です。
「梵貝荘事件」という現実の事件を題材にした小説の結末の嘘を暴くというわけで,
小説中の名探偵に石動が挑戦,とでも言う感じかな。
しかし相変わらずいろんな所からいろんな引用がしてあって
そんなところも面白くて大好きです。(2002/3)
日蝕 平野啓一郎 新潮社
難しい漢字が多くて辛そうだったけれど意外にも普通でした。
15世紀フランスの神学僧が異端の錬金術師と出会い,そこで出会う両性具有者と
その焚刑において目くるめくような感覚を体験する。
そのとき信仰というものはどうなってしまうのでしょう。
でも結局のところ神聖なものであれ悪魔的なものであれ普通の人にとっては同じような気がしますけど。
しかしなぜ今更こういう内容?って感じがしました・・。(2002/3)
屍鬼 小野不由美 新潮社
まぎれもなくホラーなんだけど非常に切ないです。この本を見るたび切なくなるほど。
なぜか女性の描く吸血鬼ものは,吸血鬼が元は人間だというスタンスのものが多いような気がしますね・・。
「神に見放された存在」という言葉が出てきますが,秩序ある世界に溶け込めないというのと同義という感じが
しました。それで静信はそういう世界を結局憎んでいたのからああなったのかと思えて。
私が昔「ポーの一族」に憧れて吸血鬼になりたかったのとはやっぱ似ていて非か・・(^_^;)。(2002/3)
グランド・ミステリー 奥泉光 角川書店
真珠湾攻撃での榊原大尉の不可解な死の真相をめぐって迷宮へ迷い込んでいきます。
非常に面白くてめまいがしそうな感じです。
特に後半,一瞬何の事かわからなくなってしまったほど。
もう一度読みたいリストに加えときます・・。(2002/3)
悪意 東野圭吾 講談社
明確な原因とかがあるわけではないのになんとなく気に入らないとかそう言う次元の気持ちが,
あれだけ人を貶められるなんてゾっとします。
しかし,読む人は書く人の思うように信じてしまうものなんだなと
改めて記述というのは怖いものだと感じました。(2002/2)
Twelve Y.O. 福井晴敏 講談社
アメリカ・日本を相手取ってテロを起こすトゥエルブとは,みたいなスケール大の小説。
でも,ちょっとアニメっぽくて,こういうのはちょっと苦手なんですよね・・。
出てくる人みんながいかにもイメージ通りという感じもするし。(2002/2)
続巷説百物語 京極夏彦 角川書店
百介が自分は半端者であるという気持ちを抱いているけど,
わたしも半端者なので分かっちゃってなんか切なくなっちゃいました。
それぞれのお話は相変わらず面白かったです。
「老人の火」でちょっと出てくる2年前の大きな出来事というのが気になったのですが,
また続続があるのでしょうか。(2002/1)
NAO
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