久しぶりに吉祥寺へ行った。(中略)。まあ昔から吉祥寺というのは、三多摩地方の中にあって突然変異的にオシャレな街ではあったが、最近とみにその傾向が強くなっている。
例えば東急百貨店裏に店を構える無印良品のショップなんかも、妙にオシャレである。無印良品と言えば、もともとは「オシャレから一歩退いたスタンス」を特徴とし、機能性を追求したシンプルな生活を提言していたはずなのに、吉祥寺のショップは思いっきりオシャレである。
「ブティック・ム・ジルシ」
とでも呼びたいような商品のレイアウトがなされており、そこで立ち働く店員のみなさんもすごくオシャレで、
「ハウスマヌカン無印オム」
という感じなのである。ブランド主義に一石を投じていたはずの無印良品が、今や「無印」というブランドを作り上げてしまったらしい。まあ、もともとそれが狙いだったのだろうけど、実にこう見事な戦略である。商売うまいなー、と感心してしまう。
(中略)特に菓子類は、そのシンプルなパッケージのデザインが成功していて、とても美味そうに見える。何でもないかりんとうなんかが、
「あー、このかりんとう美味そう!ガリガリッとやりたいッ!」
などと思わせるシズル感に満ちており、じっと見つめてると愛しくなってきちゃうのである。(中略)続いて惹かれたのは、アゲイカである。パッケージには「いかスナック」と書いてあったが、ぼくが子供の頃は単純にアゲイカと呼んでいた。(中略)お値段248円。安くはないが、高くもない。
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