#001 無印良品化計画
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無印良品はPB(プライベート・ブランド)である。PBとは、百貨店やスーパーなどの小売店が独自に商品を企画し、完全買い取りでメーカーに生産を発注するオリジナル・ブランドのこと。ダイエーの「セービング」や、ジャスコの「トップバリュー」などがお馴染み。
'80年、西友のPBとして誕生した『無印良品』は、PBとしてはいわゆる後発だったが、その後爆発的な売上を見せ、89年には「蒲ヌ品計画」という異例のPB専門企業として独立した。
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■無印良品のあゆみ■
'80 |
「わけあって、安い」をキャッチフレーズに、西友のPB商品として『無印良品』誕生。
当時のアイテム数は40品目。
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'83 |
最初の直営店、「無印良品青山店」を出店。
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'89 |
無印良品事業部が西友から独立し、『蒲ヌ品計画』を設立。といってもこの段階では、まだ西友の子会社にすぎなかった。
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'90 |
西友から営業権を譲り受け、小売り事業を開始する。
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'95 |
株式店頭公開。
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それまでのPBといえば、「安かろう、悪かろう」という考えが消費者にこびりついていたが(また実際そういう商品も多かった。)、無印は「安くて、品質の良い品」を提供することによって従来のイメージを払拭した。
また、『無印良品』は、以下の3つを基本コンセプトとしている。
(1)素材の見直し(素材をそのまま活かす。調達は世界各地から)
(2)工程の見直し(選別、漂白などの工程を省略する)
(3)包装価格の見直し(過剰包装、個包装等を出来るだけ控える)
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無印良品の概要
店舗数('98年3月現在) |
国内238店,海外12店 |
アイテム数('95年末現在) |
3,042種類 |
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他のPBもそうだが、特に無印良品はその名が示すとおり、”ノーブランド”の象徴として捉えられた。しかし、認知度が上昇するにつけ、"無印良品"という「確固たるブランドのひとつ」として認識されるようになった。いわゆる「無印のブランド化」現象だ。
昨今、このブランド化に対する批判の声が多い。しかし僕はナンセンスな批判だと思う。販売価格にブランド料を上乗せされているならまだしも、「安くて良い品」でありさえすれば何の問題もないのではないだろうか?
問題があるとすれば、上記3つの基本コンセプトが反古にされた時だろう。あの3つはいわば無印良品のアイデンティティだと思う。さらに踏み込んで言えば、3つのコンセプトに沿ったモノでなければ「無印良品」のラベルを付けるべきではない。そういう意味ではむしろ"無印良品"というブランドとして意識すべきだと思う。なぜなら、各ブランドは独自の哲学・コンセプトを持っておりそれに沿って作られるものだから、無印も自分のコンセプトから外れないように、常にブランドとしての立場を自覚しておくべきだからだ。
企業というのは知らぬ間に違う方向へ進んでいることが多い。無印良品は3つの基本コンセプトが消費者の共感を生んだのだから、これらが守られているかどうかチェックしなければならない。それがこのホームページの趣旨である。
チェックの対象は、商品、店舗、蒲ヌ品計画の姿勢などさまざま。一部だけ見て「ダメ」と判断するのはマナー違反だから。
ついでに宣言しておく。僕は「無印大好き人間」ではない。ただ、PBには無限の魅力を感じる。欧米に遅れをとっているPBを日本で定着させる見本となる存在になってほしいと願っている。頑張れ!無印良品!
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【参考文献】
・『価格破壊時代のPB戦略』・伊藤重雄(日本経済新聞社)
・『いまPB小売業が確実に伸びている』・(財)店舗システム協会(かんき出版)
・『株式会社良品計画・会社案内』
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