← オゾン発生器(OZONE-V, TAMAX)
補助的治療としてオゾン療法を導入しております
2017年3月1日より、当院でオゾン療法ができるようになりました。
オゾン(O3)は3つの酸素原子からなり(酸素は2つ、O2)、地球のはるか上空のオゾン層などは温暖化の話題でご存知の方も多いかと思います。環境におけるオゾンは滝の周囲で発生し、空気の清浄化に関係しているそうですが、治療に用いるオゾンは酸素から作られる純粋なオゾンで、酸素との混合ガスとして人や動物に用いられています。
オゾンはその強力な酸化作用により、細菌、真菌(カビ)、ウイルスを死滅させたり、人や動物に微量なオゾンを使用すると、元々備わっている生体防御系を活性化することで免疫系の活性化、血流の改善など様々な効果を期待できます。
酸化というと体が錆びる、体に悪いというイメージだと思います。実際過度の酸化ストレスを体に与えると炎症反応を起こす免疫系が活性化し、細胞を機能障害、細胞死へと導くシステムが働きます。一方で適度な酸化ストレスを受けた時には、体内の抗酸化系やDNA修復機構などの生体防御系が活性化する反応が起こります。
オゾン療法はまさにこの『適度な酸化ストレス』を体に与え、その際に現れる生体防御系の強化(ホルミシス効果)を目的とした治療法なのです。
ちなみにオゾン療法で使用するオゾンの量はほんのわずか、1日の呼吸で発生する活性酸素の約0.4%です。
飼っているペットが老衰や難治性疾患の末期となった時、少しでも楽にしてあげたい、苦痛を取り除いてあげたいと飼い主様の誰もがおっしゃいます。
オゾン療法は肛門に管を挿入するという不快感を除けば痛みや苦痛を伴う処置ではありませんので、飼い主様も比較的スムーズに受け入れてくださいます。また内服などの投薬や食餌療法と違い、食欲不振の子でも行えるため、老齢期の子や難治性疾患の子・・など適応範囲は広いと思われます。
< オゾン療法に期待できる効果 >
@血流増加による体内の酸素化
A免疫機能の向上
B正常細胞の活性化
C抗酸化力の上昇
D基礎代謝アップ
他、オゾン水やオゾン化オイルによる殺菌や傷の治癒促進、抗炎症効果など
< オゾン療法の適応疾患 >
・加齢による不調
・食欲不振、体力低下
・腎不全、肝機能障害
・腫瘍、癌
・皮膚病
・炎症、膿瘍
・椎間板ヘルニア
・創傷
・その他
*概AMAXさん資料より
*禁忌:G6PD欠損症(犬の3000頭に1頭程度)
コントロールされていない甲状腺機能亢進症
<オゾン療法の主な方法>
・注腸法:体温測定のように肛門に管を挿し入れ、オゾンガスを直腸内に注入します。
週1〜2回の通院治療ですが、短時間ですみ、痛みも副作用もない治療法です。
・少量自家血療法:採血した少量の血液とオゾンガスを混ぜ皮下に注射します。
・オゾン水、オゾン化オイル:皮膚等に直接かけたり塗布することで特性を発揮しま す。