第2話 雨模様

今日は雨。
私は雨の日が嫌いです。
満員電車を乗り継いで会社に向かう毎日ですが、
起床して、雨が降っていると憂鬱な気分になってしまうのです。

それは何故か?

傘の持ち方に、それぞれの人柄やマナーが無意識の内に表れるからなのです。
私の独断で、これをマナーとして見てみると、上位から下位までは以下の通りとなります。
・先端を前にちょっと傾けて傘を持つ人
・傘を杖のようにして歩く人
・傘を腕に引っ掛ける人
・先端を後ろに向けて傘を持つ人
(この微妙なニュアンスが文字で伝えきれるかは疑問であるが)

最後の『先端を後ろに向けて傘を持つ人』、
実はこれ、かなり身勝手で危険な行為であると私は叫びたいのであります。

人間、歩く時には自然と腕を振るものです。
傘の先端を後ろに向けている人の後についた場合、
「危ないなぁ.......。」と注意して充分に距離を取っていればいいのですが、
ぼんやりと考え事をしている時や人込みで前後の距離が取ることが出来ない場合には、
心無い人が持つ傘の先端で我が足を突き刺されてしまうという悲劇が生じることとなります。

また、更なる悲劇と言えば、それは階段を上る時になります。
仮に前を行く人との身長差があったとしても、
傘の先端がこの私の目に入りそうになり、思わず仰け反って交わすも階段から転げ落ちそうになることしばしば。
もはや、これは殺人行為であると思うのです。

結構、同じ不愉快な想いをしている人が多いのではと思ったりしますね。

同様に。
雨で濡れたバッグの滴を拭きもせずに吊り棚に置く人がいたり、
畳んでも滴が滴り落ちそうな折り畳み傘を同じく棚に無造作に置く人もいたり。
或いは、傘を持って電車内で立つ際に、自分の服が傘の滴で濡れてしまうのを嫌がる挙句、
身体からできるだけ離して傘を持つ為に、他人の身体に触れてその人の服を濡らせてしまう人......。
よくも、気付かぬ振りで平然としていられるものだと逆に感心してしまいますね、ほんと。
また、傘を腕に引っ掛けて歩く人にも要注意。
横に張り出した傘にうっかり足を引っ掛けてしまった際には、双方転倒の危険があります。

雨の日には、道に落ちている小銭を探すかの如く、
何が嬉しくて、下を見ながら歩かねばならないのであろうかと今日も歎くのであります。



雨降りの憂鬱な心模様。 [ 2002.3.27.WED. ]


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