第2話 いいぞっ、新庄選手!


マイナーリーグの練習試合に出場して場外ホームランをかっ飛ばしたそうです。

既に、開幕メジャーは決定的な立場にあるみたいですね。
スタ―ティングメンバーでシーズン開幕を迎えるか否かは、
もはや大きな問題ではないような気がします。

「ぼくはもう日本人じゃない。」

過去、不可思議な引退宣言を始めとして
理解しがたい言動や行動に眉を顰めたプロ野球ファンも多かったと思います。

そしてこの度のイチローと時期を同じくしたメジャー挑戦に、
日本の社会の縮図を見たような想いがしております。
兎角、組織に迎合できずに食み出してしまう者を戒め嫌ったり、
またスポーツ根性物語的な努力勤勉なスタイルに、
ついハロー効果な評価を与えがちです。

確かにイチロー選手は日本で大きな実績を残して、メジャーに買われていきました。

とても常人には真似のできない努力をし、素質にも恵まれ、
そして、それらを見出すマネージメントにも恵まれたのでしょうね。
ただ、新庄選手の場合は、素質の高さに気付きながらも
その能力を高めるマネージメントに恵まれなかったのではないでしょうか?

冷ややかな眼に曝されながらも、彼は厚遇を投げ打ってニューヨークを目指しました。

ここ、ポイントです(笑)。
プロ野球ファン、そしてスポーツ新聞購読者には世のサラリーマン諸氏も多い筈。
非日常的な世界に自分を投影し、
時に組織マネージメントやクライシスマネージメントを思い浮かべ、
それぞれに投射しているのかも知れません。
その中には、感情というものが必ず介在するものです。
イチロー選手には拍手喝采でもって送り出し、
ナショナリズム丸出しの声援を送るのでしょう。
が、一方で新庄選手のような我が道を行く若者?に
活躍されては面目丸つぶれというところでしょうか。

そう思わせるほど、世間の論評には眉を顰めることも多いのは事実です。
ボロクソに扱き下ろしていたのが、
活躍すれば一転して提灯記事を書き出す始末。
まぁ、発行部数を伸ばす為には当たり前の行為なのでしょうが......。

近頃、また女性ファンの心を惹きつけているそうですが、
分からない事ではありません。
硬直した日本の縦社会(或いは男性社会?)におけるマイノリティーな存在が、
自らの殻を破って外に目を向けて果敢に自分の人生に挑戦する姿勢に
共感を覚えるのかも知れないですね。

何だか、日本のお父様方の世代が
充分に力を持ちながらも世界ではなかなか通用しなかったことが
分かるような気もしております。

きっと彼も、日本に居た時よりもずっと自らを鍛えていると思うけれど、
おくびにも出さないですね。
その上、極度の緊張感も楽しんでいるようにも見えます。


スカッと胸の空くような活躍を期待して止みません。

頑張れ、新庄選手!!


webニュースを見て。 [ 2001.3.25.SUN. ]


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