第2話 ランチメート症候群


昼食時、誘う相手がいなく孤独な食事に憂鬱を感じることだそうで、OLに多い。

とかく女性は社内でも小さな集団を作りがちですよね?
その内の何れかにも属することができなければ自然と独りになり、孤独感が増大することに恐怖を覚えるのか
もしれません。それが周囲の目に晒された時に、より一層精神的な苦痛となってしまうのでしょう。
そして、この苦痛が極限に達した時に、出社拒否となったり挙句は辞職に繋がるのだそうです。
或いは、夜も眠れず悩んだ挙句に精神科に罹るといった女性が増えているのがこの症候群の特徴です。

昼食は、就業時間中の息抜きとも相成って、小1時間の楽しみでもあります。
しかし、これが苦痛になってしまうと昼休みが近づくに連れ憂鬱感が増すのでしょうね。
独りで食べるところを見られるのは寂しく受け取られるのではないか、誘っても断られたらどうしようと自分が傷
つくことを極端に怖がったりするのでしょうか?
そう言えば、私の勤務先でも午前中から女性社員の内線電話が活発で、その話題の全てが今日の昼食のこと
についてであるようです(苦笑)。

職種によっては、これに該当する人ばかりではないでしょうし、昼休みくらいは独りになって静かに過ごしたいと
思う人だって多いでしょう。また、女性特有だけではなく男性にも多いのかもしれません。
が、私も含めて、男性の場合はひとりで行動することの抵抗感は小さいと思われます。
かく言う私は、内勤日の昼休みくらいは周囲に気を遣わずにひとりでのんびりと過ごしたいし、食べる物だって
その時自分が食べたい物を選択したいと思う方です。

集団の中にいる時には、他人の目が気になったり、或いはその評価が気になったりと、気にすればする程に自
分を追い込んでしまいがちです。これが、この症候群の最も大きな心理的な要因だと思われますが、もっと大ら
かに考えてみては如何でしょうか?
ひとりで過ごすことは決して恥ずかしいことではなく、胸を張っていればいいのではないかと思うのです。
周囲を気にする余り、自分が崩れていってしまうことの方が余計にマイナスだと思います。

最近、中年男性が出入りするようなお店にもふらりと女性が入ってきて、こちらの方がびっくりすることが珍しくな
くなってきている反面、こうした会社生活での緊張が高まってきているのは何故でしょう。何でもかんでも病名
をつけて病歴を喜んで受け入れている健康オタクの欧米人みたいだと感じるのは私だけでしょうか(笑)。

......とまぁ、勝手気ままに書き連ねてみましたが、当のご本人達にとっては本当に一大事なのでしょう。
現代には思わぬところにストレスが生じるということですね。

それだけ鈍感な私はまだ幸せ者というべきなのでしょうか?


日本経済新聞夕刊記事「OL、昼食の憂うつ」より。 [ 2002.5.19.SAT. ]

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