職場復帰


さぁ、仕事だ!......という快活な気分では無かった。

先々の業務の引継ぎやそれに伴う部下への指示までを済ませての入院であり、また思わぬ合併症によって約2ヶ月もの間現場から離れてしまったことも手伝い、職場に復帰しても何もすることが無いし、どうにもテンションが上がらないのであった。

まず、することがないのである(苦笑)。

仕方なく電話番に徹する日々が続くが、特に難しいことをしている訳ではないのに、この電話番すら満足がいくようなものにはならないのであった。おかしくなったのか?と真剣に自問したものである。
とにもかくにも、頭を回転させねばと焦りまくる私がいたのであった(苦笑)。

お仕事中ではありません(汗)
ならば、どーせ暇だし、頭を使うならサイトのリニューアルでも考案し、同時にコンテンツも全て見直すか......と、電話番の合間に、左の写真のように企画を練る振りをしながら様々な原稿を書くのであった(笑)。
因みに、デスクを囲むようなファイルの数々に頭を埋め、左手でこっそりとデジカメを構えての撮影である。

振り返れば、このサイトはソネットを振り出しに、ジオシティーズ、そしてこのぷららへと移設してきたのである。所謂身内受けの代表的な個人サイトから、こうして情報発信系のサイトへとコンテンツが変わってきたのは興味深いものがある。ま、病気の所為ではあるが(苦笑)。

さて、こうした悶々と時を過ごすには、次第に精神的な疲れが出てくるようになる。

することがない.....と言えども、探せばそれなりの業務改善や解決させねばならない課題が見つかるものであるが、これに没頭すればよいものの、集中力も根気もないのである。結局、社用のPCで一日中ネットサーフで時間を潰すこともあったりと、従業意欲の低下は甚だしいものがあった。

そこで自覚したものは......。
これって、もしかすると鬱病なのだろーか?(ぐすん)
約2ヶ月間も休み、また会社には社会保険の過大な負担をさせているのであるから、まずは頑張って業績を上げて、それらを取り返さねばならないのである。しかし、頑張らねばという意識とは反対に、自らの意欲はどんどん低下する一方だった。

そんな折り、いつも購入する某週刊情報誌に鬱病克服の記事が掲載されており、そこには経験者の談話も同時に載せられていたのであった。
曰く、「復職しても何をすればよいのか分らないし、周囲の目も冷たい。そこで思ったのが、何も手につかないのならば、ネットサーフが自分の仕事だと割り切り、一日中、インターネットで遊んでいた。しかし、そうでもしなければ自分が壊れていくように感じたのである。」と、確かこのような主旨の記事であったように思い出される。氏は、復職後半年で漸く元の業務に戻ることができたそうである。
大手企業の管理職でさえ、この姿である。
ならば、私も自然発生的に従業意欲が掻き立てられるのをただ待つことにしようと考えを切り替えた。

それからかな......?
外に出ようと思い始めるようになったのは。

腰に加えて、深部静脈血栓症の為に右足が悪い私を必要以上に慮ってくださった所属長には大変感謝しながらも、晴れた日は外に出て市場を見て歩くことを訴え、実行に移すようになった。

頭が十分に回転し始めるのは、それから半年間を要したが、今でも、あの情報誌に救われたという想いは強く残っている。

休んでいる間に業績は急降下したが、これもひとつの人生勉強だったと自らに言い聞かせている今日この頃、時にはこんな湿っぽいお話もいかがなものかと......(笑)。

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