個室 その3


術後初めての朝ごはん
昨夜からお腹が張って痛みを感じてはいたのであるが......。

お腹が空いていても、ガスが出ないことには食事は与えら
れないのである。いや、食事どころか水分さえも摂ることが
できないのである。

このまま飢えて死んじゃうのかしら?(うぅっ)

朝食が配膳される午前8時には残り少ない時間となってきているのだ。早いこと出さねば!と、何故か異常に焦りまくるわたくし(苦笑)。

くっそー!そりゃねぇ、これまでの人生、どんなに屁をしたくとも我慢してきたことばかりではないか。そう、例えば逃げ場のない満員電車やエレベーターの中であったり、或いは大切な商談や経営者の訓示の最中であったりとか......。 いろいろと苦しんできたんだよね、君も。だけど、この度はご主人が「出てきてもいいよー!」って言ってるんだから、ヘソ曲げてないで素直に出てきてくれよぅ(すすり泣)。

ねぇねぇ、おなら君ってばさー。そろそろ出てきてくれてもいいんじゃないの?
ほら、恥ずかしがらないでいいのよ(お腹揉み揉み)。


私の儚い祈りが通じたのか、ぶぶっと(食事中の方には失礼)お出ましになられました(笑)。
ああ、お父様。ついに屁が出ました。ぢぃは、やっとごはんが食べれます(ずずっ)。 

ちょうどナースが部屋に入って来たのは、そんな時のことであった。
「でたよー(にこにこにこっ)」と屈託もなく嬉しそうに報告する私がいたのである。
しかし!私の切ない食事魂がテレパシーで通じたのか、或いはルーチンなのかは知らないが、ナースの手には食事が乗せられたトレイがあったのである!

すっかり前置きが長くなってしまったが(苦笑)、これからが大変だったのである。
ベッドに仰向けに寝転がっている状態でどうやって喰うのだ?......と、途方に暮れる間もなく、ナースがベッドアップ(背を起こすこと)をしてくれたのであった。
しかし、仰角30度くらいで限界である。
何故なら、手術をしたところが痛苦しいのである。
仕方なく、事前の練習通りに卓上タイプの鏡を取り出し、まず「それぞれの容器に何が入っているのか?」を確認し、左手に鏡、右手にスプーンを持ってひと口ずつ味わいながら、厳かに朝食の儀が執り行われたのである。

食後の感想。
おかゆはともかく、味噌汁をスプーンからこぼさずに口に入れるのは難しかった。
また、味噌汁は左手で椀を、右手には箸を持ってずずーっと啜り込むのが正しい味噌汁の飲み方ではないかと思った(笑)。



Copyright(C) 2000-2002 猫ぢぃ All rights reserved.