個室 その1


個室から見える窓の外
「あの最後の葉が落ちると私も死ぬんだわっ!」(涙)

なーんて......お隣りに見えるのは、地元の医師会館。
あまりに殺風景で、センティメンタルな雰囲気には程遠かったことが哀しい(苦笑)。

これが記念すべき術後の1枚目。
手術室からストレッチャーで病棟の個室に運び込まれて、ほっと一息。

ナースが部屋を出ていったと同時に、バイオのスイッチオン!!

術後その日は、仰向けに寝たままの姿勢しか許されないので、折角の個室が全く堪能できないのである。
なーんか広々としてそうだなぁ......とは雰囲気で感じるのであるが、部屋の中がどうなっているのか首と目が動く範囲しか見えないのである。
「ああ、これが夢にまで見た個室なのね(ぐすん)。特別料金を払うだけのことはあるじゃないの。」
もう頭の中は個室で繰り広げられるドラマの妄想でいっぱいいっぱいになってきているのだ(笑)。

さ、さちこさん、やっとふたりっきりになれましたね(ごくっ)。 *注 さちこさんは実在しません

そんなロマンティックな台詞のひとつでも言いたくなるような、入院して初めてのプライバシーが守られた空間なのである。現実はバイオとふたりっきりなのだが......(苦笑)。
確かに、静けさだけは充分に評価できるのではあるが、ベッドの上に寝ているだけではその有難味が100%感じることができないのである。
おまけに、手術を予定している入院患者は目白押しで、ここも年末の慌しさがあるのだが、それだけにお金を積んでも入れていただけないこの個室にやっと入ったのだ。部屋の中を歩き回ってみたいし、壁に頬擦りのひとつくらいはしたいではないかっ!(爆)
ああ.....。なのに、動けない。

いずれにせよ、視界が利かないので、バイオ付属のCCDカメラで部屋中を見回していたという訳なのであった。


結局、術後2日目で一般病室に移されてしまったので、自分が入っていた個室がどんな様子だったのかは、最後まで分からなかったのである......(しくしく)。


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