手術前の恐怖には、途中で麻酔が切れたら一体どーなるのかっ!?......というものがあった。何故なら、複数名の実例を耳にしたことがあるからである。
麻酔が切れた途端に、痛みと恐怖で暴れてしまわないだろーか?(涙)
身体を切る痛みに耐えかねて暴れてしまえば、手術が台無しどころか、神経が走るところにメスを入れるわけであるから、私が不意に暴れた拍子にメスが神経を傷つければ、哀れ私は下半身付随となってしまうのである。
そんな不安は、麻酔科の医師との面談で解消されたものの、やはり心の奥深くには残るというものである。
要するに、全身麻酔では呼吸器が停止してしまう為に人工呼吸が必要であり、また身体につけた各センサーが意識レベルを常時検知し、その状態がモニターに映し出されるので、手術中に患者が覚醒しないように麻酔薬の量を調節する為に麻酔科の医師が手術に立ち会うのだということであった訳だが。
手元を誤り、つい居眠りでもされて量が過ぎれば、あの世逝き?(怖)
それはともかく。
TVドラマでしばしば見られる麻酔薬を嗅がせて被害者を昏睡させるシーン。
何ともまあ大袈裟な演技であろうか......と常々感じていた訳であるが、あれって真実なんだなぁと深く感銘したのであった(笑)。
手術に入ろうかという緊張感が、今、正に最大に高まろうかという時に現れた麻酔科医のひとこと。
「はーい。これから麻酔をかけますからねー。」と、私の口元にマスクを被せ、
「これから麻酔薬を入れますからねー。大丈夫ですよー。はーい、息吸ってー。」
こてっ......zzzzzz(昏睡)。これ、本当です。効きます(笑)。
昏睡状態に入っている時に、人によってはいろいろな夢を見るらしいのであるが、私は覚えがない。と言うか、夢を見たという記憶すらなかったのである。
また、全身麻酔から覚める時に、人によっては身体が手術台の上で跳ねたり(暴れたり)、うわ言を言ってしまうことはよくあるようであった。聞いたところによると、跳ねるのは、脂肪が多い人によく見られるとか?
うわ言は、当然、人によって違うらしい。
その後、本人は全く覚えていないそうなのであるが、気にはなるところである。
酔っ払っていなければ口に出すことが恥ずかしいような台詞を吐きでもすれば、大笑いどころか後々まで笑い者になってしまうだろう。
ね、猫ぢぃさんて、いやらしい人だったのね......(赤面)。
「本当に」とか、「やっぱり」等という形容詞がつかねばいいのであるが......(苦笑)。
病棟中に知れ渡れば、もはや快い入院生活など送ることができるはずもなかろう。
で、結局、私はどうだったか?
幸いにも、覚醒した瞬間から全ての会話を覚えておりましたが、際どい発言はございませんでしたよ(ほっ)。
但し、酔っ払ったような感じになり、ペラペラと手術に立会いに来た母上が驚くくらいにひとりで喋り捲っていたのであるが(笑)。
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