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無断転用禁ず






マヤの予言は、「光の時代に、再び世界中の人がマヤの知恵を必要とする」と伝えます。長老フンバツ・メンはその予言に則り、80年代から欧米の人々に対して古代マヤの教えを惜しみなく伝え始めました。

先進国の多くの人は、貧困や飢えから逃れ、基本的な生活が成り立っています。そして、真の幸福を探究し、使命や世界に貢献できることを考えるゆとりがあります。しかし、例え経済的に豊かでも、スピリットの理解なしには、真の幸福を見いだすことは困難でした。マヤが伝えるスピリットのための教育が、彼等にも必要だったのです。

このような背景から、「ロルベ」は当初、マヤの若者達に伝統文化を伝える場として計画されていましたが、他国の人々へも開かれる儀式センター、国際コミュニティとして、さらに大きな規模の構想へと変化しました。あらゆるものとの調和や一体感を体験する「ロルベ」において、誰もが自らの魂の本質に触れ、真の幸福を思い出すことになります。マヤ先住民はマヤ人としての誇りを取り戻し、世界中からやって来た人は、古代マヤの叡智を自国に持ち帰り、未来や次世代の人々に貢献します。「ロルベ」のアイデアは、このようにして発展してゆきました。

1998年に公に発表された「ロルベ」の建造計画は、長い間、机上のアイデアのみにとどまっていました。しかし、世界中から少しずつ財政的な援助が集まるようになり、2000年にマヤの中心都市であるメリダの近郊に土地を購入することができました。その後も年々、支援によって敷地面積を広げてゆき、2005年から本格的な土地の整備が始まりました。2007年には今や「ロルベ」の象徴ともいえる「太陽の門」が、また2008年には春分に合わせて美しい幾何学の儀式場が、さらに2009年には太陽の運行を測る広場と瞑想エリアが完成しました。

このように、机上のアイデアであった夢のプロジェクトが、少しずつ形になってゆくのは、長老をはじめ、当校や多くの支援者にとって、この上ない喜びです。なぜなら「ロルベ」は、個人的な土地や建造物ではなく、宇宙的な視野と大いなる願いの元に、進められているものだからです。

2009年の後半に、「ロルベ」の存続に関わる大きな危機にみまわれましたが、日本の多くの皆様のご支援により、奇跡的に危機を回避した経緯がありました。その結果、当校、「ロルベ」、そして長老との絆が、より一層強固なものとして結び直されました。危機的な状況ですら、最良の物事を引き寄せることができるということを、身をもって実践することになりました。長老は度々こう仰います。「真に確信をもって行動する者は、宇宙的な導きによって必ずサポートされ、護られる」。この時の実体験によって、その言葉を深く理解することができたのは、当校にとっても大きな学びであり、精神的にもさらに成長することができました。これもひとえに、力を託して下さった日本の多くの皆様と、様々な存在によってなされた奇跡のお陰です。心から感謝致しております。

「ロルベ」の現在は、計画当初からの念願であるピラミッド建造に向けて動き出しています。地球の美しい未来に必要な「宇宙的教育の実践の場」として大きな使命を担った「ロルベ」は、現在も着々と進行し続けています。


現状報告

【1999年 春 フンバツ・メンへのインタビューから】

全くの密林地区を購入し開墾して建物や畑等を創造するという計画と、早期実現のために、マヤ先住民が暮らす既存の村に真のコミュニティを復活させるという試みがあります。しかし後者の大きな問題の一つについてフンバツ・メンに話を聞くことができましたので報告致します。

 「ペドロ・パブロチュクという名のリ−ダ−が住むポポラ村というのがあります。マヤ先住民ばかりが住むとても小さな村で、まるでコミュニティのようです。しかし真のコミュニティにするには、少し難しい問題があります。それは、外部から村に入って来る精神的悪影響の問題です。マヤ地域全体の人々が、多くのキリスト教系の新興宗教に半強制的に入信させられているのです。村にはマヤ独自の宗教があるにも関わらず、そのような宗教に対する保護が無いために歯止めをするのが困難な状況です。しかし今、マヤ独自の宗教を実践する小さな村々を守るために、私はマヤオンという名のグル−プのメンバ−と共に、マヤの政治システムを確立するためのワ−クを行なっています。マヤオンはユカタン半島に多く存在し、マヤ独自の文化を再び確立させようとしている意志の強いグル−プです。将来的にマヤオンがもっと成長し、他の村々でもマヤ独自の文化が実践できるように活動を広めてゆきたいと考えています。幸いなことに、近年私やマヤオンが行なっている活動に多くの人々が賛同してくれています。私はこれからも全人生を懸けてこのワ−クに取り組んでゆくつもりです。きっと死んだ後でも行なっている事と思います。(笑)」

現代社会の問題として世界中で同様の現象が起きていると言えますが、マヤの小さな村の場合、純粋な村人を巧みに操作しようとする新興宗教がせめぎ合い、村が分裂している状態だということです。小さな村々に培われてきたマヤの文化は、現代社会の大きな波に押し流され、厳しい立場にあると言えます。しかしフンバツ・メンはマヤの文化や宗教を守るための尽力を惜しまないことでしょう。私達もできる限りの協力と応援をしてゆくつもりです。




【2000年 9月 フンバツ・メンから世界へのメッセージ】

全ての奥義学校とその関係者への重要なお知らせ

タ’ホ・マヤ奥義学校は、マヤの宇宙的文化の正当性を再び立証するために作られるマヤン・コミュニティ「ロルベ」内の土地の一画を得る機会を全ての奥義学校のメンバー、ならびに関係する皆様へ提供します。

この文化的儀式センターにおいて、マヤの伝統的な教えは、現代文化にも生きる数名の師によって伝えられます。儀式を行なうためのセンター、また人々にマヤの宇宙的な儀式を実践することの重要性を再び意識させるためのセンターとしても使われます。

$5,000ドルのお支払いによって、土地の一画をあなたの区域とすることができます。ご興味ある方は、是非私までご連絡ください。あなたに公式で正当な契約とする証書をお送り致します。

タ’ホ・マヤ奥義学校:代表 フンバツ・メン



【2005年 3月 現地視察 〜 長老フンバツ・メンのコメント


ここユカタン半島には、26種類もの土着のフルーツがあります。一年を通してフルーツを食べることができます。しかしこんにちの殆どの人が、その土着のフルーツを食べなくなりました。例えば、りんごは好んで食べられますが、りんごはこの土地のものではありません。しかしりんごが売っているので見れば食べますが、伝統的な地元のフルーツを失ってしまっています。

アイデアとして、ドン・エンリケ(雇用人)が綺麗にしてくれているこの場所には、100本ものフルーツの木を植える予定です。今となっては、誰も植えていない、誰も食べていないフルーツです。肉体にとって重要なフルーツです。現在は8種類のフルーツが植えられていますが、あちらからこちらまでを植えます。後になれば、水まきの機能も取り付けるでしょう。あちらに発見したものがあります。井戸のようなものです。何のためにあるのか分かりません。おそらく水があるのかもしれません。カカオの木を植えるのに良いでしょう。

ドン・エンリケが2時間さまよった洞窟もあります。

ここにあるゴミの山(ペットボトルや空き缶)をあなた方が目にすることをお詫び致します。ロルベで、まず初めに私がドン・エンリケと行なったことは、この土地に散らかっていた大量のゴミ集めでした。メキシコのほとんどの家では、ゴミをその辺に投げて散らかします。この場所にも大量のゴミが散らかっていました。ですからまずゴミを集めて綺麗にしなければなりませんでした。そしてここに集めたのです。この多量のゴミをまたどこかへ持っていても問題は解決しません。おそらくこの場所を建築しなおすときに、埋め立てるつもりです。

この場所には多くの動物を飼うつもりです。一昨日生まれたばかりの小さなヤギがいます。

その奥は、国際的な人々が集まる地域にします。


 
【2005年 6月 フンバツ・メンから世界へのメッセージ】

マヤのピラミッド神殿の建設

私達がご支援いただく寄付金は高さ8メートルのピラミッド神殿を建てるために使われます。このピラミッドはエジプトのクフ王のピラミッドとメキシコのチチェン・イッツァにあるククルカン・ピラミッドの縮小比で建てられます。これらのピラミッドが持つ幾何学形の比率は同じものとなります。

私達がメキシコ・ユカタン州のマヤの聖地「ロルベ」に建てるピラミッドが、クフ王のピラミッドとククルカン・ピラミッドの縮小比となるのは、その二つのピラミッドがそうであるように、そうすることで天空からのエネルギーがピラミッド内部のいたる所に流れ込むからです。


ピラミッド神殿「ロルベ」が持つクフ王のピラミッドやククルカン・ピラミッドを超えるアドバンテージの一つが、水晶ドクロ(クリスタル・スカル)の家となるという点です。世界中のいかなる水晶ドクロ(クリスタル・スカル)であっても、このピラミッド神殿に歓迎されます。なぜなら、聖なる水晶ドクロ(クリスタル・スカル)は人類の助けとなるために、完全なるイニシエーション・ワークを行なわなければならないということを私達は知っているからです。

以前私達が皆さんに送ったメッセージの中で、 「マヤの長老と神官の評議会(メキシコ)」が二つの聖なる水晶ドクロ(クリスタル・スカル)の寄付を受けたということは既にお知らせいたしました。この二つのスカルが聖地「ロルベ」において私達の母なる地球と聖なる人類の助けとなるイニシエーション・ワークを始める最初の水晶ドクロ(クリスタル・スカル)となるでしょう。

 

マヤの長老と神官は聖地「ロルベ」に建てられるピラミッド神殿にて儀式を執り行う役目を担います。これによって、マヤ人、水晶ドクロ(クリスタル・スカル)、そしてピラミッドが、母なる地球と聖なる人間を次元上昇させる儀式手段を捜すでしょう。

$200USドル以上の寄付金を募ります。あなたの前金での資金協力に、心から感謝申し上げます。

フンバツ・メン(マヤの長老と神官の評議会員


【2005年 6月 フンバツ・メンからNAGA K’U(ナガク’)奥義学校へのメール】

NAGA K’U(ナガク’)奥義学校 小櫻正幸、聖奈子 様

太陽の兄弟 正幸、太陽の姉妹 聖奈子 へ

このメールを受け取る時、偉大な父なる太陽があなたと共にありますように。

「マヤの長老と神官の評議会(メキシコ)」が、メキシコ・ユカタン州の聖地「ロルベ」にマヤのピラミッド神殿を建てることに決定を下したということを、私は評議会の一員としてお伝えしたいと思います。この神殿は寄付で受け取った二つの聖なる水晶ドクロ(クリスタル・スカル)の家となるでしょう。


 

「マヤの評議会」そして「宇宙的奥義学校」の一員として、私は世界の全ての水晶ドクロ(クリスタル・スカル)の聖なる家ともなるであろうこのピラミッド神殿の建設を可能にさせる、あなた方の資金援助を宜しくお願いしたいと思います。聖地「ロルベ」は全人類にとっての儀式センターとみなされるでしょう。

スピリチュアル回帰のこのマヤの予言を現実とさせる、あなた方の資金援助と寄付に心から感謝させていただきます。

グレート・スピリットがいつもあなたと共にありますように。

フンバツ・メン(マヤ・イッツァ族)

 


【2005年 11月 現地視察】

世界からの支援で集まった資金によって用地が買い足され、少しずつ広がっていました。毎日のように、土地の守護者ドン・エンリケさんが管理と整備を行なっており、フンバツ・メンも相変わらず毎週土曜日には出向いて、草刈り、石拾い、植林などを行なっています。

食用の植物を育てる区域では、マヤの土着の果物や薬草の苗が植えられています。全部で26種類もあるという土着の果物は、街の市場ではめったにお目にかかれなくなったもので、非常に栄養価が高く、どれもとても美味しい多種多様なフルーツです。将来的には一種類につき十本の苗木を一列に並べて栽培されます。

   

花を育てる区域では、直径約30mもの美しいセイクレッド・サークルが造られ、正確な円形の上に多くの石が丁寧に置かれています。このサークルの周りには、天然の潅木と花々が生い茂り、さらには各方角に、マヤの方角の色を持つ土着の花が植えられています。東に赤い花、北に白い花、西に花弁が黒い花、南に黄色い花。また東南には黄色と赤の中間色であるオレンジの花、北東には白と赤の中間色であるピンクの花というように、サークルの周囲が花によって色のグラデーションになるように植えられてゆきます。完成して、見事に全色の花が咲いた光景を想像するだけで、ワクワクしてしまいます。このサークルから「ロルベ」の中央通路へと向かう道(参道)は真東に向いた設計となっているため、春秋分にはこの参道から昇る朝日を臨むことができます。その時期には盛大な太陽の儀式が行なわれることになるでしょう。

    

聖なる伝統的な儀式を行なう区域では、2005年にマヤの長老と神官の評議会が建造を決断した、ピラミッド神殿が建てられます。高さ8メートルのこのピラミッド神殿は、エジプトのクフ王のピラミッドとマヤのチチェン・イッツァにあるククルカン・ピラミッドの縮小比で建てられます。これらと同じ比率と幾何学形を保つことによって、天空からのエネルギーがピラミッド内部のいたる所に流れ込むことを可能にします。またこのピラミッド神殿は、2005年に評議会に寄贈された二つの聖なる水晶ドクロ(クリスタル・スカル)の家となり、世界中の水晶ドクロも歓迎されます。この水晶ドクロの家を兼ねるという点が、前述の二つのピラミッドを超える点の一つです。この区域でマヤの長老と神官達は、水晶ドクロやピラミッドと共に伝統的な儀式を執り行ない、人間や母なる地球を次元上昇させる手段を探します。

彼等はマヤ人でありながら、現在「遺跡」と呼ばれている聖地のピラミッド神殿で儀式を行なうことは禁止されています。よって「ロルベ」のピラミッド神殿は、彼等がマヤの伝統儀式をいつでも、自由に、制限されることなく行なうことができる場として、大きな意味を持ちます。聖地「ロルベ」は全人類にとっての儀式センターとなるのです。(今回、記念すべき「ロルベ」での初の儀式ワークを行なってきました)

  

この他に「ロルベ」の敷地内には、ヤギ等の動物を自然なままのびのびと自由に育てる放牧区域、マヤ人のみが伝統的な暮らしで生活する先住民区域、世界中の人を受け入れてマヤの宇宙的教育を学びながら暮らすインターナショナル区域、瞑想やリラクゼーションのための未開墾区域、そして、水の儀式も行なえるスイミング・プールやマヤの書籍や資料を眺めたり学んだりすることができる図書館なども造られます。

   


視察に訪れるたびに、大きな変化があり、綺麗になってゆくので見るのはとても楽しいものです。想像してみて下さい。聖なるサークルを取り囲む色とりどりの美しい花々、綺麗な声でさえずる鳥達、野生の鹿やアルマジロ、自由に放牧されているヤギの群れ、ピラミッド神殿にて水晶ドクロと共に行なう伝統儀式…。現代人に宇宙や自然と調和する生き方を思い出してもらおうと、「ロルベ」は古代マヤの聖なる儀式センターを復元させます。宇宙的教育を伝える聖地として、とても美しく、意味のある、価値のある、壮大な計画なのです。


私達も計画発表当初から心から賛同し、支援を続けています。この計画が一日でも早く、できればフンバツ・メンがお元気なうちに実現させることが私達の目標であり、心からの願い、望みであります。なにとぞ、皆様のご支援とご協力をどうぞ宜しくお願い申し上げます。また是非一度、聖地マヤへ、そして「ロルベ」へご一緒致しましょう。素晴らしいマヤの聖地で行なう儀式を通して、ご自身のボディとスピリットの統合を体験して下さい。それによって「本当の自分になる」ということがどういうものなのかを、はっきりと認識することができるでしょう。共にヴィジョン、夢の実現に向かって前進してゆきましょう!ありがとうございます。


【2006年 3月 現地視察】

先住民の肌に似た赤い土。ひょろひょろ伸びる根の強い緑の草木。土からのぞく巨大な石灰岩。こぼれ落ちる光の粒。大きな鳥のけだかい鳴き声。さまざまな色や動物に囲まれた楽園、穏やかで爽やかな風が印象的なマヤン・コミュニティ「ロルベ」。

入り口の門を抜けると誰もが感じる結界のような境界線。「ここから先はガラリと気持ち良さが倍増するね」と訪問者達。グレート・スピリットの歓迎か、吹く風が心地よいのか、大地から放射される磁場なのか、優しく穏やかで眠くなるような快適さが漂う場所。入り口からまっすぐ歩くと、左手には庭園であり聖なる儀式を行なうセイクレッド・サークルへ続く道。右手には果物や薬草の木が植えられたエリア。前方には木陰を作る大きな木。木漏れ日をくぐって図書館の建物のエリアへ。その奥にはヤギが放牧されたエリアが拡がる。


  

これまでは、道路沿いに「ロルベ」の入り口があった。しかし今回視察に行くと、ちょうど逆の方向に新しい高速道路が完成し、ほとんどの車がその新道を通ることになる。その結果、時にやや耳障りだった車の騒音がなくなり、「静かに儀式を行なえる」とフンバツ・メンはとても喜んでいる。

果物や薬草の木が植えられたエリアの木々は、確実に太く大きくなっており、収穫の日がとても待ち遠しい。パパイヤ、マンゴ、アボガド、スイカ、メロン、イチゴ、トマト、その他土着の植物。豊饒の赤い土は、どんな味の果物を育ててくれるのだろう。通年が夏。照りつける太陽がビタミンや水分を汗と共に排出させる。そんな時、その土地に暮らす者に必要とされる栄養豊富な果物を口にするだけで、ビタミンやミネラル、水分を取り込むことができるのだ。土着の植物との共存は大変重要なもの。

「ロルベ」の中央には、後に図書館兼資料館になる建物がある。「ロルベ」の一部は個人が所有する土地だった。長年放置され、手が加えられていなかったために、廃屋となっていた。今回の視察では、廃屋を修復して、整備している作業を目にした。

   

「ロルベ」では、先住民達が聖なる儀式を、好きな時に好きなだけ行なうことができる。これがもっとも大きな目的の一つ。そもそも先住民にとって、ピラミッド聖地は儀式を行なうためにある場所。儀式とは個人的な儀式ばかりではなく、古代から受け継がれた宇宙と人間をつなぐために重要とされるもの。しかしながら、この儀式の重要性が現代人、特に政府に理解されず、ピラミッド聖地で先住民が儀式をすることは全面的に禁止されている。「聖地で儀式をすることによって、自分も宇宙も整えることができる」と古くから伝わっている。多くの人に、聖なる場所で儀式をしてもらうことを先住民は強く望んでいる。

儀式には、簡単な儀式と深い儀式がある。いずれ「ロルベ」では、72時間通しで行なうような深い儀式のみを行いたいとフンバツ・メンは言う。地球、宇宙、人類をつなぐことができる儀式。簡単な儀式から深い儀式まで、どのような儀式も好きな時に好きなだけ行なえるのがマヤン・コミュニティ「ロルベ」なのだ。敷地の見取り図を持って、真剣に、そして幸せそうに説明してくれた彼の目は強く輝いていた。


   

今回記念すべきことに、「ロルベ」で初のマヤ結婚式が執り行なわれた。それも私達日本人のグループ!フンバツ・メンはとても日本びいき。日いずる太陽の国、日本。お天道様(太陽)に手を合わせる国、日本。古代はマヤとも交流があった、日本。そんな理由から、日本のグループが「ロルベ」での重要な儀式を行なうのも運命だと言うから素直に嬉しい。

また、「ロルベ」の敷地内に洞窟が発見された。洞窟内はどこまでも真っ暗闇で恐怖をあおる。そこでは、洞窟の儀式、暗闇の儀式、再誕生の儀式ができるとフンバツ・メンは言う。怖れ知らずの「ロルベ」の守護者ドン・エンリケさんが偵察に入った。二時間も帰ってこなくて心配したと言う。洞窟内には土器等が見つかり、何千年も前の祖先が生活していた痕跡を見つけた。いずれ、より貴重で重要な発見があれば、政府の調査が入ると言う。

花の道を意味する「ロルベ」。日々できるところから少しずつ整えられてきている。ドン・エンリケさんは毎日ヤギの面倒を見、花を植え、開墾してくれている。フンバツ・メンは毎週土曜日に「ロルベ」で作業するのが日課となった。「ロルベ」に興味を持った人々によって、いよいよ移住計画も始まった。情勢不安な米国から、全財産を持って移住すると決めた人もいる。世界中の人が生活を共にする国際コミュニティも具現化に動き出したのだ。互いに尊重し合う、豊かな人間関係を構築する場となるだろう。

最後に、花を育てる区域にあるセイクレッド・サークルから、真東に向かう道(参道)の途中に、ピラミッド型の大きなドアが建てられることになった。既にプロの測量技師に測ってもらい、仮の模型で位置を定めた。春秋分の日の出をそのドアから臨むのだ。「今度来る時は、多くの変化が見られるよ!」とフンバツ・メンはにこやかに微笑んだ。


  



【2006年 10月 現地視察】

メリダから600q程離れたパレンケ周辺で組まれていた今回のツアー。当然のことながら、ロルベの訪問は含まれていなかった。しかし、せっかくマヤに行くのなら、ロルベを見ない訳には行かない。パレンケからメリダまで夜行バスで9時間移動した。数日後、マヤ先住民の長老フンバツ・メンにわざわざ時間をとってもらって、パレンケー奥義学校の則子を含めた日本人3人だけのためにロルベを案内していただいた。ちょうど同じ日、アメリカ・カオキア奥義学校のスターの旦那さまロバートも到着していた。スター&ロバートご夫妻は、フンバツ・メンと共同出資し、ロルベを共に作り上げている。いずれはロルベに暮らす予定だ。一同は、楽しみなロルベ訪問にご一緒することとなった。ロバートは常に満面の笑みを浮かべた優しく平和な人。再会のハグも穏やかな喜びを表してくれる。彼は黒澤監督を愛しているので日本人びいき。主にロルベの建物の修理、建造、そして農場の管理と手入れを行なっている。アメリカでの仕事は、有機大豆を栽培する農夫である。

メリダから52キロ。7ヶ月ぶりのロルベに到着。車を降りるなり目にして驚いた。当初から資料館として予定されていたメインの建物が、まさに今、綺麗に修復されつつあり、一部の仕上がりを待っていたことだ。以前の外壁は、覆いもなく風雨にさらされ一部が剥がれ落ちていた。現在は、屋根を支える鉄筋が何本も埋め込まれ、壁として見事に機能を取り戻し、ペンキが真っ白に塗られていた。あとは屋根瓦を配置するだけといった感じなのだ。購入したばかりのエンジ色の光沢がまぶしい何千枚もの瓦が、足元に整然と並べられていた。

   

   

   


その瓦を一枚手にし、「大きな仕事になりそうだ」とロバートがつぶやいた。確かに、一枚でもかなりの重量がある瓦。これを全て屋根に上げて設置するのは、大変な作業と容易に想像できる。ロバートは今回焼く1ヶ月、ロルベに寝泊りして修復作業に携わるそう。自宅のミズーリーから重い工具類とキャンプ道具、寝袋をカバンに詰めてやってきた。

建物内部の壁も美しくペンキが塗られていた。トイレの便座が設置され、シャワーもどうやら使えるようだ。天井には自然の光が差し組むように、何ヶ所かの小さなガラス窓がはめ込まれている。ただ、とにかくまだ、至る所に扉がない。入り口はもちろん、窓にもない。今回、フンバツとロバートとの話し合いで、決して安価ではないが扉を付けることが予定されているとのことだった。

ロバートは年齢を感じさせない身のこなしで、屋根の鉄筋へひょいと登ってしまった。鼻歌まじりに瓦を数枚置いてみる。イメージを膨らませているようだ。(一ヶ月後、屋根瓦、洗面所、台所のシンクを設置した美しい写真が送られてきた。彼は日々ロルベを楽しみ、僅かな期間でそれをなし終えたのだった。本当に感動した・・・)

裏の農場では、相変わらず十数頭のヤギが、元気な姿を現してくれた。また、犬が3匹、猫が2匹、加わっていた。この地に住み、ずっと仕事をし続けているドン・エンリケに世話され、みんな個性があるものの人懐っこく、それぞれが仲良く自然と調和しているように感じた。(大きな茶色のオス犬チャボ、黒子犬ボシュ(マヤ語で黒の意味)、ぶちの子犬ピント、茶色の猫ラモナ、猿のように木登りする黒猫のモノ(スペイン語で猿の意味)という面々だ)

ロルベでできたフルーツのメロンを食した。甘く美味しく重厚な味。見た目はカボチャのようなメロンだが、日本のメロンと違って喉がイガイガしないのだった。太陽のイニシエーションを受け、ヴィタミンと水分、繊維質が採れる素晴らしいフルーツだ。パパイヤが成り、マンゴの木があり、タウチが成長しはじめ、多くの種類のバナナが競い合うように育つ。また洞窟も新しく発見された。いずれ中を歩くことができるだろうとフンバツ・メンは言う。入り口の周りを綺麗にして、アルーシュのための祭壇をつくるつもりだと話してくれた。

今回はロバートによって、裏庭にある1.7mの深さのプールのチェックもなされた。コンクリートの状態を、手にした石でコンコンと叩いて確かめ、空洞になっている箇所がないかをチェックしていた。いくつか問題があり、泳げるようになるには資金と労力が必要とのことだが、完成すれば深くて大きな素晴らしいプールとなり、日中の憩いの場になることは間違いないと思えた。

  

数多くの果物や農作物が植わる農場をゆっくり眺めながら、セイクレッド・サークルのある庭園の方に移動した。・・・・・・この儀式センターでフンバツ・メンに始めて儀式をしてもらったのは、私達日本人だった。地鎮祭、そして結婚式の場に参加したのだ。そのせいなのか、この場とのつながりを深く感じている。このサークルの中に入ると、ほのぼのとそれでいて覚醒しているような不思議な心地よさがあった。今回も、様々な色の豊穣な花の香りに包まれたサークルは生き生きと心地よく存在していた。フロルデマヨの花の香りは甘くスパイシーで素晴らしい。フンバツ・メンは赤い花、白い花、黄色い花、ピンクの花と、1つずつ香りを楽しんでは、「ミナコ!」ここも香っているよと指し示し香りを楽しんでみろと促す。マヤでは花とスピリットとのつながりを大変尊重する。香りは、スピリットのためのグッドメディスンだ。人間の中の女性性を麗しい状態に整えてくれるのだろう。一つずつ私達も確かめるようにして香っていった。

サークルに、ひっそりと中央を示す棒が立てられている。その棒を中心に、十字のシンボルが東西南北を示している。当初は赤い土から、取りきれない木の根があちこちから突き出ており、注意して歩く必要があった。今回は、そういった根やごろ石が除去され、芝のような植物が一面に生えそろい始めていた。ドン・エンリケやロバート、そしてフンバツ・メンを初めとして、どれほどの愛による労働力がこの地に投じられているのだろう。ここに訪れるたびに感じる完璧な調和は、そういった思いが発端なのだろう。

  

フンバツ・メンは東を望み「この儀式センターに通じる道をもっと綺麗に整備するつもりだ」と言った。また、この場所を整地して拡大し「東に春分の太陽の光が差し込む扉を作る」と言った。想像力に乏しい頭では、さらにどのように綺麗になるのか見当もつかなかった。私達にとって次回の訪問はいつになるのだろう。何が新しく出来上がっているのか、いないのか。楽しみに後ろ髪を引かれながら後にした。




【2007年 8月 現地視察】

約10ヶ月ぶり。真夏に再びロルべを訪問することができた。ロルベの敷地内で車を降りると、目に飛び込んできたのはあの建物だ。前回ロバートが屋根瓦を修復していた建物が見事に完成していた。完璧に扉も取り付けられ、網戸やハンモックまで心地よくそこに馴染んでいる。それは暑さをしのぐ建物としても、宿泊所としても、食卓としても、会議場としても機能していた。あの小さかった黒い子犬のボシュが成人の大きさだ。側には小さな二世の黒い子犬がいる。時の感覚がつかめない。ここは常に大きな成長を遂げている。光の輝きはいっそうエネルギッシュで、そこここにグレート・スピリットの恩寵を見る。緑は生き生きと豊かで騒がしく、めずらしい日本の子供たちの来訪を噂しているようだ。

フンバツ・メンはいつも行なう、フルーツの木の説明を省いた。何か思いがあって、私達を真っ直ぐに円形の儀式センターへ導いてゆく。突然、木々の間から目にしたものに驚愕した。本当にこれまで見たこともないような驚くべき赤い扉が存在していたからだった。門に真っ直ぐに敷かれた白い小石の道。真夏の青い空と、瑞々しい緑によく映えた赤い色の扉。白い階段。「春分と秋分に太陽の光が差し込む門です」赤朱色に塗られ、左右に9段ずつ段差が形作られた扉は、なるほどよくみるとククルカン・ピラミッドの縮小版だ。聖なる儀式センターの入り口に相応しい美しい扉。気がついたら驚きのあまり口が開いたままだった。フンバツ・メンも私達の感激ように、大層満足した様子。聖なる白い小道は、真っ直ぐ朱色の扉に向かい、その先にある儀式センターへ導いている。

    

フルーツと農作物のエリアから西に向かいつつ、朱色の扉を前にフンバツ・メンは説明してくださった。「この扉は太陽を見るためのものです。向こうに行けば、なぜこういうものを作ったかということがご理解頂けるでしょう。この建物の入口に白い道サクベを作りました。こちらから7段の階段を登り、あちら側の6段の階段を下がります。7と6で13はマヤを理解するための聖なる数字です。向こうからは太陽を見ることができますし、こちらには多くの種類のフルーツを見ることができます。今どれくらいのフルーツが植えられているのか後で説明します。将来的にはここで儀式を行います。生命を与えてくれる父なる太陽に祈る儀式ワークです。生命の象徴としてフルーツが第一にあります。エネルギーはこのように来て、フルーツの木にその存在が現れます。肉体が必要とする太陽のエネルギーが集約されたフルーツを食べるのが大切なのです。ここはフルーツだけのエリアです。バナナ、ココナツ、マンゴ、メロンなど多くのものがあります。この季節はスイカがまたなり始めました。儀式が終わった後にここでとれたフルーツを食べることができます。あなたの肉体のための食べ物であり、スピリットのための食べ物でもあります。これがマヤの文化なのです」

ひとしきり説明が終わると、ドン・エンリケがコパル用に既に赤くなった墨を準備していた。一人一人素朴な楽器を手にするように促された。フンバツ・メンの合図に、音をならしながら一列で白い道サクベを歩いて儀式センターへ向かう。コパルの煙に導かれながら私達は厳粛な気持ちで赤い扉へ一歩ずつ歩いていった。扉の前で聖なる儀式センターを臨み整列した。一人ずつコパルの煙で浄化してゆく。グレート・スピリットに向けて調和を基準に楽器を鳴らし続けた。子供たちも日本で要領を得ているので夢中になって鳴らしていた。

しばらく音を鳴らした後に説明がなされた。「聖なる十字のシンボルを見にこの場所から入っていきます。円形はスピリットを象徴します。ですから私達はスピリットの中に入っていきます。この道はスピリットの中へ私達を連れて行ってくれます。今日の社会はスピリットが大切なのに、スピリットの分野をないがしろにする社会、そして教育です。皆さんこちらを見てください。」階段を登ると、左に直径20センチ程の円形の穴、右に同じくらいの大きさの正方形の穴が開いている。西に向かって門の前に立ち、両手を真っ直ぐ伸ばして、両脇を少し持ち上げることによって、この穴が手のひらの真下に位置する。フンバツ・メンは実演してくれた。「この円形の穴のシンボルはスピリットを象徴するもの。この四角が肉体を象徴します。聖地に入る前にはこのようなポーズをとります。全てのネガティブな病、肉体的な問題は、この四角に出してしまいます。逆に左手では、スピリットの問題、心、精神面の問題がある場合は円形に出してしまいます。両手をこのようにひろげることによって、すべての問題を出してしまいます。ここでまず出すことによって、健康な身体、健康な精神面を儀式センターで受け取ることができるのです。そのためにこのピラミッドの扉を作りました。一列になって入っていきましょう。」

   

マヤ先住民の長老フンバツ・メンは、聖なる儀式センターに入る前の最初のイニシエーションとして○と◇の穴を準備した。手のひらを穴に向け静かに内省する。左手下の円形の穴は、精神的な痛みを捨て去る。右手下の四角い穴には、肉体的な痛みを捨て去る。そこで一旦気持ちを落ち着けてから赤い扉をくぐることになるのだ。また、赤い扉の真下には、隠れた祭壇が設けられており、痛みを捨て去った私達は、祭壇の上を歩いて浄化されて赤い扉をくぐり聖地へ向かうことになる。また穴に捨て去られた痛みは、祭壇によって浄化されるのだった。素晴らしい仕掛けだ。手のひらは、スピリットとのコミュ二ケーションをする場所だと言う。古代マヤの神秘の1つとしてある仕掛けがあったのだった。

あろうことか、マヤへのフライトの前日、マサユキは小型スクーターで転倒し、肩が挙がらないという事態を抱えていた。身体の動きがあきらかにおかしいマサユキに、一言も安否を気遣うそぶりを見せないシャーマン、ドン・フンバツ・メンだが。前もって完璧なヒーリングの聖地を準備して待っていたのだった。このような場所は見たこともなければ、聞いたこともなく、それでも明らかに今、必要だからこそここにあるのだということがよく理解できたのだった。子供たちも、いつもと様子が違うマサユキを心配していたが、もうこれで大丈夫。そう太鼓判を押されたのだった。

続けて、コパルの煙りを携え音を鳴らしながら、一同はフンバツ・メンに続いて聖なる円へ向かって歩いた。さらに一段と大きくなったフロルデマヨの花の木が目に入る。またしても感情が込み上げ懐かしい気持ちが湧き出てきた。私達は今世、この地に数回訪れているのみの存在だ。しかしこうして聖なる気持ちで、フンバツ・メンの後を歩いていると情動が溢れ出る。懐かしさ、喜び、共有感、一体感の気持ちだ。年ごとに白髪が増えるフンバツ・メンの背中からかもし出す哀愁なのか、真摯な思いへの尊敬の気持ちなのか、また会えたという再会の喜びなのか、聖地との交流も行なわれ意識的に言葉にはできない思いに目頭が熱くなるのだ。

フンバツ・メンは言う。「私達は決して新しい存在ではない」と。円の東にしっかり立ち、高らかに笛を鳴らすフンバツ・メン。聖地へ入る許可を得るためにグレート・スピリットへの挨拶は、甲高くリズム良く、イーグルの骨笛を通して語られる。あぁ美しい。ロルベは完璧な調和がある。木々が、緑が、映えそろった芝が、赤い扉、青い空、白い雲が迎えてくれている。フンバツ・メンに促され、東を向いて一列になった私達。父なる太陽を称え、静かに太陽瞑想を行なった。目の前には巨大な十字形のシンボルが形づくられていた。「秋分、春分に扉の真ん中から日の出が望めます。将来的には、儀式的な知識を学びに、また儀式をしに多くの人が集まることでしょう。この十字の前に立つことによって全てを見ることができます。儀式的な知識、そして儀式的な知恵を学びに。これから儀式はとても大切なものとなるからです。

これは誰かに対する見世物ではありません。父なる太陽という創造主を待つためのものです。誰かが参加したければ、見るためにではなく、あなたの後ろについてくるようにする、そのような理由でそこにいたいと望むのか、来るか来ないかを人々に話す必要があります。なぜなら、ワークをしない人がいるならば、スピリットのためのワークを誰もがすることができなくなるからです。」力強く言った。

「将来的に、中心から太陽が1年に2度3月と9月に見ることができます。これがそのマークです。」十字形の端と端を結ぶ線に、子供たちを立って手伝ってもらい太陽の道を指し示した。ここは、どこまでも自然の学びを体感する聖なる場所なのだった。「太陽を学ぶのにこうすることができます。子供たちが立っているラインは、夏至や冬至の太陽の軌道を表しています。マヤの十字がそれを表現しています。十字形は、クリスチャンがこの場所にもたらしたと思われていますが、十字形は、古代からマヤに存在しました。現在は太陽の光が強い時間ですので、子供たちにはよくありません。通常はここでの儀式時間は、朝の6時か午後の6時に行なうのが相応しいのです。」そういって、再び音楽を鳴らしながら円の儀式センターを後にした。

   

「多くの人に、音楽を鳴らしたり円になっていますと、モダンマヤだと言われることがあります。しかしながら、私にとって一番重要なのは、私達の宇宙的な文化を再びをもたらすことなのです。なぜなら、今日のような文化や文明には、それらが人類にとって再び保護される必要があるからです。この時代の一番大きな問題は、マヤがチチェン・イッツァやウシュマルのような多くの聖地、儀式センターにおいて、儀式を導くことができないということです。そこで再びこのような、私達の聖地に儀式センターを建築することにしました。そして今行なったような深い儀式、歌ったり、音楽を鳴らしたり、何か祈りを述べたりすることは、チチェン・イッツァやウシュマルではすることができません。スペイン人がこの島に来たときから、もうここでは儀式をすることは許さないと言いました。彼らはマヤの心やスピリットを殺してしまったのです。しかし、おそらく私はモダンマヤと呼ばれていますが、ここにこのような建築物を建てました。このようなことは、私、フンバツ・メンだけが行なっていることです。」フンバツ・メンが建築物を建立するにあたっての違和感が表現されていた。建築物を手伝ってくれた村のマヤの人々は、おそらくフンバツ・メンのすることを理解するものはいないだろう。村は当然のごとくクリスチャンメンタリティが浸透しているゆえに、彼が行なうことは理解できないはずだ。時には影口もあるかもしれない。しかしながらロルベは、こうして人類のための宇宙的教育の場として動き出した。それがマヤン・コミュニティ「ロルベ」であり、将来的に多くの人が集まることが予測される聖地として第一歩を踏み出したのだった。「さぁ、あちらへ行ってロルベで採れたフルーツを食べましょう。」

   




【2007年 11月 現地視察】

あれから3ヶ月。またしてもロルベを訪れる幸運に恵まれた。真夏のマヤに比べると、そこそこ過ごしやすい気候だ。そろそろ乾季に向けて赤い土も乾き始めている。比較的に過ごしやすいとは言っても日中の最中に、ドン・エンリケが新しい建造物を忙しく設置していた。しかも素手でゴツゴツした石灰石を均している。フンバツ・メンはドン・エンリケに向かって挨拶をすると、私達に向かって彼が何を作っているのか説明してくれた。あの赤い扉の上から東のこちらを見ると、Tのシンボルの文字、上の横棒に当たる台座を作ってくれているという。マヤの血が彼の仕事を完璧にするのだろう。有名な遺跡チチェン・イッツァのプラットホームのごとく、台座ができあがりつつあるのだ。それぞれ複雑な形の石を組み重ねながら平らにしている。地上から真っ直ぐ積まれた、四角い台座を形づくっている。フンバツ・メンは、この台座に座って、西を見れば、父なる太陽の沈む光が扉の向こう側を照らし出すといってイメージしながら目を細めていた。このTのシンボルは、農作物、フルーツのエリアと儀式センターを結ぶ神聖なシンボルだと教えてくれたのだった。

  

   


ひとしきり巨大に成長したフルーツを眺め歩いた。バナナやパパイヤの木、その他の実がなったフルーツの木々を観察する。色づいた小さな花を手にとってはその成長を祝い観察した。フルーツや植物に目をかけて回るのは、子供の成長に意識を向けるのによく似ている。意識を向ければ向けただけ彼らも答えようとしてくれるのだろう。ここの植物はいつも元気で成長が早い。

それにしてもドン・エンリケの指は、まるで大地をどこまでも分け入る木の根のようだ。器具を使わず素手で全ての作業を難なくこなす。石を掘り起こし、根を掘り起こし、土をかき、石を積む。絶句。「凄い」の一言につきる。一同しばし、ドン・エンリケの爆発的な手作業に吸い込まれるように眺めていた。

やがて赤い扉へ向かって動き出したフンバツ・メンに私達も続いた。見ると、朱色の扉の前に石のオブジェが左右に新しく設置されていた。Tと逆Tのシンボルだ。何でもロルベの敷地内で見つかった石のオブジェだという。やはりここは、古代に神聖な聖地として使用されていたことがはっきりと伺えた。そうでなければこのようなものが転がっている訳がないのだ。そういったシンボルをさりげなく、しかも重要な場所に設置しているのがロルベであり、フンバツ・メンだ。大変美しいシンボルだと感じた。それにしてもこの扉は、不思議な空間を作っている。あたかも天空へ向かうような気持ちになるのだ。常に扉からは青い空、白い雲が見えるからだ。イニシエーションは、宇宙へ向けて行われるという象徴だろう。

一同、朱色の扉の上で手のひらを下に向け、○と◇のイニシエーションを受けた後、儀式センターへ入っていった。さらに背を伸ばした東のフロルデマヨの木が真紅の花をつけていた。3年程で、私達の背丈を軽く越えてしまった。葉は巨大で、顔の大きさほどもある。ブーゲンビリアも一段と背が伸びた。どこまで伸びるのだろう。そのうち花を仰ぎ見るだろう。それにしても、サークルの中央から扉を見るこの景色は美しいに尽きる。サークルから赤い扉を見ると、十字形とのコンビネーションで、私達の無意識に働きかける、どこか異次元に向かう扉にみえる。しばし日差しに照りつけられながらも見とれていた。

しばらくしてから聖地にお礼を述べてサークル、そして赤い扉を後にした。考えもせず振り返って赤い扉の写真を続けざまに撮ると、閃光が走った。フラッシュではない。不思議だ。一瞬多次元を垣間見たようだった。ロルベのグレート・スピリットから「またおいで」という挨拶かもしれない。嬉しくなってしまった。

相変わらずドン・エンリケは、手作業に精を出していた。台座はほぼ完成だ。それにしてもマヤの暑い日中、素手でここを整地し続け、このような天国として蘇らせているのだから本当に頭が下がる。真っ黒に日焼けしたドン・エンリケは、大きな声で常に愉快そうな口調で語っている。ロルベの道は、掘り起こした石灰石の白い粉が敷かれ、白く美しい道サクベとして化粧されてゆくのだった。

   

マジカルな聖地マヤン・コミュニティ「ロルベ」をひととおり案内されて建物にやってきた。今日は儀式はないのか、少々残念な気持ちがしていたものだった。しかしそれもつかの間、フンバツ・メンは、簡易な椅子を建物の中から運んできてテラスに円形に並べ始めた。一同が腰掛けると、「マヤ・カレンダーについて話しをしよう」そう言ってくださったのだ。嬉しくて思わずにやけてしまった。天国のような気と雰囲気に囲まれたロルベのテラスは、暑い日差しを遮る木立が丁度良い加減で光を差し込ませていた。風は吹くか吹かずかしてちょうど心地良く当たりの空気を巡らせている。本当に天国とはこういう場所をいうだろう。私達は、フンバツ・メンが何時間もの間話してくださった内容に夢中になっていたのだった。

ロルベには、濃密な生命の輝きが存在する。古代から受け継がれてきた、スピリットとボディのバランスを整えるための知恵を伺うには、もってこいの教育の場だ。風、鳥の歌、木立のささやき、いたるところに生命の歓びが溢れている。話す方も、聞く方も、あらゆる生命の躍動感に同調しているために、まったくの疲れ知らず。エネルギーが無限に交流しあい、時の経つのも忘れてしまう。本来、教育の場とは、こうある場所でなされたものなのだろう。そうであれば、個人的な教育ではない、人間本来が必要とする、人間が自らのセンターを失わずにいられるような、宇宙的な教育が伝えられたのだと感じた。ロルベには、間違いなく生命の調和がある。個々の生命が一体感を持っている。私達を優しく見守る母なる大地、父なる太陽、姉妹なる月、兄弟姉妹の星、スピリットの挨拶を交わす木、風、虫、彼らの息遣いを間近に感じる。彼らは、静かに私達を観察しているようだ。将来、この人間がどのような道を歩んでいくのかを見守っているのだ。また、再び調和の時代が来ているのだと、期待されているようでもある。私達一人一人が心して、どう生きるべきか、どうあるべきかを深く考えさせられる体験。それがロルベでの教育なのだろう。ロルベのグレート・スピリットが、経験させ、教えてくれるものだと感じていた。教育の場として、実践の場として確実に動き出したロルベ。私達をいつも感激させ心底驚かせてくれる聖なる儀式センターだ。次回は、春分の儀式にここを訪れる予定。今から大変楽しみな訪問となるだろう。フンバツ・メンも200人のキャパシティを誇っていると目を細めていた。わぁお。

  

   






現状報告のつづき


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  現地に訪れる度に視察した現状報告です。