成重貴幸氏インタビュー

1998/11/25 23:51〜25:20 IRCにて収録


---------- それでは、成重さんのインタビューを始めたいと思います。よろしくお願いします。

お手柔らかに。

---------- 最初にプロフィールの方を頂けますか?

ハンドルは、nary。本名は成重貴幸。27歳で最近二児の父親になりました。某コンピュータメーカーのサポート部門で電話と格闘する毎日です。

---------- 第二子のお誕生、おめでとうございます。

ありがとうございます。

---------- 一姫二太郎ですよね。

病院では「うまく生み分けましたね」っていわれました。

---------- コンピュータ関連とか同人関連の知人で幸せな人って少ないので、成重さんなんかは貴重な存在ですよね(^^;

あはは。以前コミケの打ち上げで「どうやって非オタクの嫁さんがもらえたんですか?」と質問されましたね。企業秘密ってやつですけど。

---------- これ読んでる人なんかも不幸な人が多いと思うんですけど(^^; なんかアドバイス下さいよ(^^; (っていうか、私の為に(爆))

うーん、むずかしいですね〜。とりあえず、最初は趣味を隠しましょう(経験者談)。ばらすタイミングも重要ですけど(^_^;ゞ

---------- なるほど(^^; やっぱしそれですか(^^;

---------- それでは、成重さんの活動の方についてお話頂こうと思うんですが、HPの方からお話願えますか?

エヴァは初回をリアルタイムで見てました。で、あの最終回ショックをやはり受けた口で、しばらくモノを考えられなかったですね。で、いつもの癖で、何度もビデオを見ている内に、あの最終回の「学園ラブコメ風」エヴァに妙に引きずられまして・・・ ある意味逃避だとも思えるんですけど(^_^;ゞ そのころはまだ同人も知りませんでしたし、WEB上にも「学園ラブコメ風」エヴァに関しては否定的なものしかなくて。じゃあ、じぶんでやろう!と思い立ったのが始まりでしたね。

---------- 実際にページを立ち上げられたのはいつごろだったんでしょう?

4月末から、5月初めの頃だと思います。思い立ったのは、3月の末だったのですが、その頃はまだプロバイダにも契約していなかったので準備に時間がかかりました。まずは2400bpsのモデムを28.8Kbpsに買い換え、プロバイダと契約。それでHPが公開できるかと思えば、申請からHP公開まで3週間くらい待たされました(^_^;ゞ 今じゃ、契約したその日にHP立ち上げられるんですけどね。

---------- はじめられて、手応えみたいなものってありましたか?

これは予想以上にありましたね。まだ小説専門のサイトが少なかったからだと思いますが。

---------- それ以前に、何かを書くって事はなさってたんでしょうか?

人に見せることを前提にモノを書いたのは小学生以来でした。本当に勢いだけで始めました。いま思うと。

---------- 小説系の人の中ではめずらしいんじゃないですか?

どうなんでしょうか。でも、エヴァ小説で初めて書いたという人の方が多く知っていますよ。何かを書いていて、エヴァに引き寄せられた、という人の方が少数派だと思いますけどね。

---------- エヴァが飛び降りる勇気をくれたって感じですかね(^^;

あるいは背中をけっ飛ばしてくれたのかもしれませんね(^_^;ゞ そしてけっ飛ばされた人が、また違う人を連鎖的にけっ飛ばし続けていったんでしょう。

---------- 飛び込んでみてどうでしたか?

HPを持ったことで随分と世界が広がったように思えました。とにかく友人が増えたことが大きかったですね。まあ、その代償として、未知の領域に随分と引きずり込まれたような気もしますけど。

---------- 新しい世界の一つが同人活動ですね?

そうですね、夏と冬のコミケに参加するようになってしまいましたね。それまでは行ったこともなかったのに、突然サークル参加ですから(^_^;ゞ

---------- エヴァ以降、どのような活動を行われてきましたか?

最初は、エヴァ小説MLの仲間で一冊短編集を出しました。これが思いの外売れてしまって、調子に乗って二冊目も出しましたね。その後、HPに絵を投稿してくれた友人達とサークルを作って、そちらでもコミケに参加するようになりました。あとは、エヴァ小説MLの濃い仲間達とオリジナルの短編集に手を染めたのが大きかったと思いますね。

---------- 同人の方では完全に「小説を書く人」と形容して良いんでしょうか?

今はそれを目指しています。現状は、エヴァのパロディ小説を書く人ってところですから。

---------- 何か書きたいテーマってありますか?

うーん、そうですね…… いくつか書いていて気が付いたのは、どんなお話でも最終的に人間を書く、というところに行き着くということでしょうか。だから、人間を描き出すのが、テーマですかね。そうなりたいってことも含めて。それがあって、SFなり、ファンタジーなり、ラブコメなりがあると思えてきました。

---------- そう考えると、職場での人間模様なんかも良い肥やしになりますね(^^;

いろんな人がいますね。本当に(^_^;ゞ

---------- これから何かを書こうと思ってる人もたくさんいると思うんですが、そういった人達にメッセージなんかありますか?

あえて偉そうに云えば、まずは書いてみたらってことでしょうか。その一歩の意味は、すごく大きいと思います。継続するのはもっとずっと大変ですけどね。書いている内に、ある日気が付くと思うんですよ。「そうか、これが書きたかったんだ」って。それに出会うためには、やっぱり書き始めること。そしてそれを続けることが大切なんじゃないかな。

---------- 例えば、仕事も家庭もある成重さんの場合、どれぐらいの時間を「書く事」に割いておられるんでしょう?

毎日日記を更新し続けているんですが、これには確実に15分以上かかります。ちょっとすればすぐに30分ですね。調子がいいときと悪いとき、時間があるときと無いとき、いろいろありますが、日に30分あるのは、上出来だと思っています。小説を書くのは、子どもを寝かせ、カミさんをなだめすかした後なので、大概深夜ですけど(^_^;ゞ

---------- それを支えてる気持ちってなんなんでしょう?

一番人に説明するときに伝えやすいのは、HPに来てくれる人の数ですかね。うちには平均で、日に3000アクセスくらいありますが、それだけの人に無駄足踏ませている、と思うのは結構恐いですから。それ以外は、癖というか、生活の一部にもなっています。そして、モノを書いていることで、仕事や家庭から一時的に抜け出そうとしているのかもしれませんね。理由をあえて探すとすれば。

---------- 成重さんのファンの方は幸せ者ですね(^^;

でも、最近は日記しか更新していないので、ある意味、不幸かもしれませんよ。催促のメールがちらほらと来るようになりましたし。

---------- (^^;

---------- それでは最後になりますが、成重さんにとってエヴァってなんだったんでしょう?

きっかけでしたね。HPを公開するきっかけ、小説を書くきっかけ、友人ができるきっかけ、コミケに行くきっかけ、いろんなことのトリガーになりました。できれば、自分もそれくらい人様の人生を誤らせるトリガーになりたいですね(^_^;ゞ

---------- 本日は長時間にわたり有り難うございました。成重家の平和と繁栄を心よりお祈り致しております。

ありがとうございます。子どもに与える親の趣味の影響という点で貴重なレポートが書けるかもしれませんが(^_^;ゞ


戻る